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キャリア道場【コンサルタント編】

キャリア道場

2009.12.25

経営改革セクター シニアマネジャー 岡本 道晴 氏 第4回 ニュース、統計に騙されるな!

アビームコンサルティング 経営改革セクター
シニアマネジャー
岡本 道晴 氏

ニュースを見たり新聞を読んだりするとき、これはホントなのか?本質的な議論・論点なのか?と、考えたり疑ったりする習慣は、本質を外さない眼を養うのに有効だ。

理由の一つは、ニュースは毎日眼に触れるし、Webなどで複数紙を比較しやすいこと。もう一つは、(私見だが)毎日ニュースを短時間で作成して報道し、なおかつ顧客に興味深い内容・見出しにするにおいて、理解不足だったり、飛躍した解釈を加えている場合が散見されるからだ。

今マスコミが連日取り上げている、行政刷新会議の「事業仕分け」を例に挙げよう。 マスコミが取り上げる論点は例えばこんな感じ。
「1時間で決められるのか? 仕分人の○○さんは冷血、もっと話を聞くべき? 財務省主導になってないか?スパコン予算は?・・・、医療報酬は?・・・」

これらの細かい論点設定にも大いに疑問はある。ただそれ以前にそもそも事業仕分けは、本質的なイシューから少しズレていること、またもっと大きな課題があることに気づいているだろうか?

「予算編成の最適化を図るにはどうすべきか?」というのを大テーマだとすると、

(1) 明らかにムダで、削減・廃止すべき案件はどれか?
(2) 省庁xエリア(都道府県とか)の連携・重複がバラバラなのをどう見直すか?
(3) 成長戦略、景気・雇用対策、公務員制度改革、地方分権政策、年金、医療・・・など

全体を見える化した上で、どんなテーマにどう優先順位をつけて取り組むべきか?
などがビッグイシューである。((1)以上に、(2)や(3)がより本質的なイシューだ)

そう考えると事業仕分けは、ビッグイシューから少しずれている。つまり本来は、(1)の項目と判定要素、及び(2)や(3)のINPUT情報を抽出・整理することにフォーカスすべきなのに、省庁から挙がったテーマについての仮判定ばかり派手にやっているということだ。また更に高い視点からの課題は、(2)や(3)をやるための見える化が進んでいないことや、(3)をやるための優先順位付け基準や組織横連携の仕組み、及びリーダーシップが不十分に見えることだと思う。
(モノの見方の至近な一例としてあげたが、政権交代には大賛成だし、こういうプロセスを公開しているのは素晴らしいし、全マスコミがそうというわけではない、と考えていることは申し添えておく)

もう一つ、本質を外さないためには、数字に強いことも非常に重要だ。統計数値や母数が間違っているとか、ある前提をおかないと使えないことは多い。一つシンプルな問題を出そう。

一般的なゴルファーが、月に何回ゴルフをするか知りたいと考えて、10か所のゴルフ場で計100人にアンケートをした。
結果は、
  月1回  90% ( 90人)
  月10回 10% ( 10人)
 → よって、平均月1.9回が、上記の問いの答えである。
これだけを聞いて、一番"本質的な"問題は何だと思うか?

<解答の考え方>
聞いた人数や場所の数(母数)や場所の分散度合い、年齢層、男女の比率、計算方法など、細かい点を挙げれば色々あるだろう。だが本質的な問題として、パっと気づくべきなのは 「どこで聞いたか」という問題だ。一般的なゴルファーの平均回数を知りたい場合、それを"ゴルフ場で聞く"こと自体が致命的なのである。

例えば、月1回ゴルフに行く人が90人、月10回行く人が10人いれば、平均月1.9回(190÷100=1.9)と数えるとしよう。

この場合、"ある日"に、ゴルフ場にいるのは、それぞれ
月1回の人  90 ÷ 30 = 3.0人 
月10回の人 10 ÷ 3 = 3.3人 
であるから、ゴルフ場で100人に聞けば、平均約6回となってしまうのだ。

間違った意思決定につながる「間違った統計・分析」であれば、しない方がましである。
こういう本質的な問題、前提に近いものほど、盲点になってしまうものだから注意しよう。

プロフィール

写真:近藤 敬 氏

近藤 敬 氏
アビームコンサルティング
経営改革セクター
プリンシパル

ウォートンスクール(MBA)卒。政府系特殊法人、外資系メーカーマーケティング部を経て戦略コンサルティング業へ。ファーム2社を経て現職。業界を問わず、各社の新規事業・新商品企画、マーケティング戦略、バリューチェーン改革等に従事。業務と並行し子育て奮闘中。主な(共)著書に「サプライチェーン理論と戦略」(ダイヤモンドハーバードビジネス)、「成功するeサプライチェーンマネジメント」(実業之日本)「PLM入門」(日本能率協会マネジメントセンター)等多数。

プロフィール

写真:斎藤 岳 氏

斎藤 岳 氏
アビームコンサルテイング
経営改革セクター
プリンシパル

東京大学、東京大学大学院卒。コンサルティングファームを経て、2001年にデロイトトーマツコンサルティング(現アビームコンサルティング)入社。専門は戦略全般だが、特に新規事業立上げ、事業再編、グループ経営、経営管理等に強い。

プロフィール

写真:岡本 道晴 氏

岡本 道晴 氏
アビームコンサルテイング
経営改革セクター
シニアマネジャー

神戸大学卒。大手総合商社にて約10年間、営業マーケティング、事業開発、外資系企業の日本市場参入支援、子会社経営管理等を経験。2000年にデロイトトーマツコンサルティング(現アビームコンサルテイング)入社。業界を問わず、新規事業戦略、事業評価/グループ再編戦略、営業戦略、SCM改革、全社業務改革等に従事。

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