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画像:楽天株式会社

注目企業インタビュー

楽天株式会社

日本におけるEコマース市場の礎を築き、その後も数々のビジネスフィールドを開拓しながら、イノベーションを成し遂げてきた楽天が、設立20周年を目前にした今、あえて「Lead the Innovation!」のキャッチフレーズのもと、自らを変革しようとしている。
その中核を担う集団が顧客戦略部というチーム。「楽天の第二創業期を創る」うえでのメインエンジンともいえる彼らは何を目指し、どのようなアクションを起こしているのか?今後、楽天はいかなる企業へと変革されていくのか?
チームリーダーである顧客戦略部長・松村有晃氏に話を聞いた。

マーチャントとコンシューマーの双方へ
ダイレクトに価値を提供する。それが新しい楽天

現在70以上の事業・サービスを展開する楽天だが、それでも設立以来変わることなくコア事業として成果を上げてきたのはECビジネス。ECコンサルタントが楽天市場の出店企業(マーチャント)と向き合い、ビジネスの拡大や質の向上にコミットすることで、同社の驚異的な成長は実現してきた。グループ総売上約7000億円という規模となった今も、ECが楽天の大黒柱であることに変わりはない。

では、何が変わろうとしているのか? キーワードはコンシューマーだと松村氏。

「これまで成長戦略に重きを置く中で、楽天はマーチャントとのリレーションシップ充実に注力してきたわけですが、今後はエンドユーザー、つまり事業の主役であるコンシューマーとの関係性においても、私たちがダイレクトに働きかけていく必要がある。そのために生まれたのが顧客戦略部なんです」

顧客満足度の向上を目指す......商売をする上で基本中の基本ともいえるこの取り組みには、もちろんこれまでも注力してきた。サイト上の利便性や配送プロセスの改善、あるいはコーポレート・ブランディングをはじめとするマーケティング施策などなどを次々に実施し、効果を上げてきた。

しかし、それらがコンシューマー・ファーストの視点を司るチームによって、一貫したストラテジーのもと完遂されてきた成果だったかというと、そうだとは言い切れない部分もあるのだという。

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「今後、楽天がその成長速度を緩めることなく、お客様との関係を成熟させていくためには、しっかりとしたエコシステムの確立と、その命題を担いながら1つひとつのチャレンジを実行段階までドライブしていく組織が不可欠だと考えたんです」

松村氏は顧客戦略部立ち上げの背景をこのように説明する。では、顧客戦略部は、実際にどのようなアクションを起こしているのだろう?

「現在の顧客戦略部にあたるチームが動き出したのは2012年から。それ以降、トライ&エラーを積み重ねながら、取組内容やアプローチの仕方、陣容などを進化させて現在に至っています」

と語る松村氏によれば、現在の顧客戦略部には大きく分けて6つのグループが存在し、それぞれテーマとファンクションを持って活動しているという。

●ストラテジー・プランニング・グループ
楽天全体のROI、KPI向上にコミットし、そのための戦略を練って、実行に移していく。

●カスタマー・アナリシス・グループ
1億人規模のエンドユーザーに向けたCRMを実行するべくリサーチと分析を行う。

●ブランド・ストラテジー・グループ
楽天市場のブランド向上を目指したコミュニケーション戦略を策定・統括。LINEスタンプにもなった「楽天お買い物パンダ」のキャラクターもここで生まれた。

●ポイント・エンゲージメント・グループ
ポイント制度をより活用していくロイヤリティ・プログラムによって数百億円規模の成果を実現。

●マッチング・ナビゲーション・グループ
楽天市場においてユーザーが体験するナビゲーションを改善するべく、社内横断のクロス・ファンクショナルなプロジェクトを編成し、リードしていく。

●データ・エンゲージメント・ストラテジー・グループ
シリコンバレーの最先端テクノロジーチームとともに、楽天が保有するあらゆるデータの活用を模索し、新たなサービスの設立も目指していく。

以上6つの取り組みがすでにワークし、成果を次々に上げているというのである。

ひらめきの頻度はコンサルタント時代の10倍。
しかもハンズオンできる喜びと大きな成果につながる喜びがある

「楽天には何十もの事業が存在し、それぞれがシナジーを生み出している。しかしその一方で、よく見ればミッシング・リンクもたくさんあり、『コレとコレをこうくっつけたら、こんな新しい展開があるんじゃないか』と考える余地が無数にある。しかも企業風土として根付いているのが『やりたいならやってみろ』という価値観だから、提案の質次第ですぐにでもチャレンジさせてもらえる。私自身が楽天への転職で満足を感じている理由の一端がここにあるんです」

マッキンゼーや博報堂ブランドコンサルティングで活躍してきた松村氏だが、楽天へ転職する際には「自分の求めているものがこんなにある会社は他にない」との確信を持ってやって来たのだという。

「私みたいな生意気な人間(笑)が全力でぶつかっていけるような懐の深さがここにはあります。しかも、先ほどお話したような挑戦を実行してタンジブルな結果さえ出せば、再びビジョナリーな戦略を立てて、必要な人を引っ張ってきて、ひらめいたものを形にしていくことだってできる。そんな事業会社、他にはありません。

ここまで大規模な組織に成長しながら、変革に対し常に貪欲で、その実行スピードがダウンしていない会社という面でも、非常に稀な存在。しかも、グループ全体で7,000億円の売上げをたたき出しているわけですから、ほんの数パーセントでも何かを改善できれば、それが百億円単位の巨大な結果につながる。そういう無類のダイナミズムがあるんです」

そうして、松村氏はこう言い添える。「今話したようなダイナミズムが、この顧客戦略部には凝縮している」と。事実、楽天内で三木谷CEO直下の組織として行われてきた顧客戦略部の挑戦は、2016年前半には「楽天グループすべて」を対象にしたものへとスケールアップすることが決まっている。向き合うものはさらに大きくなり、挑戦できる可能性もまた一層大きくなろうとしているのだ。

「おかげで自分の中にわきあがってくるひらめきというのが、コンサルタント時代の10倍くらいの頻度に増えています。次々に『こんなことができるはず』というアイデアがひらめくし、コンサルティングチームと異なり、それらをすぐにでも形にしていく動きをとることができる。味わっている喜びのスケールも比べものにならないほど大きくなっているんです」

必要なのは不確実な可能性に主体性を持って挑む人材。
この難問を面白いと言い切りながら動ける人材

「カスタマー・ファースト」、「コンシューマー視点」、あるいは「顧客対策」というような言葉が並ぶと、どうしても穏健で守備的なミッションをイメージしがちだが、松村氏のここまでの言葉が示すように、楽天の顧客戦略部はアグレッシブでイノベーティブ。すべての事業部門に「その道」を開いてきた猛者たちが揃う社内を、縦横無尽に動き回り、既存事業の見直しや、新たな組み合わせによる変革プランの実行に奔走している。選ばれたメンバーは社内から集った者、コンサルティングファーム出身者、事業会社で変革を担ってきた人物などなどだという。では、彼らに共通した資質や能力、つまり顧客戦略部が求める人材像とは何なのか?

「インターネットという新しいフィールドの上で、まだどこも手がけていないような新しいこと、言い換えれば、とても不確実な事柄に、自ら主体性をもってトライしていこうとする人ですね。実際、私たちが手がけているすべてが非常に実験的なんです。『やってみないと本当にうまくいくかどうかはわからないよ』という要素、つまり不確実性の塊のようなものを扱っています。だからこそ、顧客志向のエコシステムを構築し、それを開きっぱなしにしておく必要もある。難易度でいえば非常に高い。だから、それを面白がりながら悩み抜けるような人じゃないといけないんですよ」

そう説明しながら、松村氏はホワイトボードに3つの円を描き、顧客戦略部に求められる専門性を示してくれた。1つはストラテジック・シンキングというエクスパティーズ。変革を呼び起こす戦略について、徹底的に考え、議論していく分野だ。

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「うちにはキラキラのトップ戦略ファームからやってきた人間も複数いますが、皆が真顔で言っています。『頭がちぎれる』と(笑)」

松村氏自身も入社当初は驚いたというが、楽天内には現役コンサルタントを圧倒するほどの高水準な戦略思考が浸透しているという。そういう現場と時には議論を尽くしていくのが顧客戦略部なのだから、「頭がちぎれる」くらい考えるのが当たり前なのだという。

2つめの専門性はエッジィ・テクノロジー。先進企業である楽天に、新たなイノベーションを起こそうとするならば、時には突き抜けた技術力を活かすアンテナも不可欠になるというわけだ。

そして3つめの専門性がディープ・マーケティング。分解すれば多様なスキルも現れてくるが、松村氏はそのポイントを「お客様を心から好きになり、共感していくことのできるマインド」なのだという。

以上の3つが揃うことで、カスタマー・オリエンテッドな進化を楽天は遂げる、というわけだが、「なにも1人の人間が3つすべてを備えている必要はない」と松村氏。

実際、顧客戦略部のメンバーには左脳に強みを持つような戦略思考、ロジカルシンキングの人材もいれば、エモーショナルで豊かな感性を持ち、右脳に強みを持つような人材もいるとのこと。彼らがチームを組み、楽天グループ内の強者たちとも手を結んでいく中で、「新しい楽天」「第2の創業期」をもたらそうとしているのだ。

「ですから、中途入社したメンバーなどには、あえて自分の強みを発揮できるプロジェクトと、未経験でチャレンジングな内容のプロジェクトの双方に同時にアサインしてもらうようにしています。そんな営みを通じて、ともに成長していけたらと思うんです」

最後に松村氏は「繰り返しになりますけれども」と前置きしたうえで、こう語った。

「これほどの規模を持ち、幅広い事業のすそ野を持つ組織で、こんなにも自由にチャレンジできる場はないと確信しています。挑戦がうまくいけば、すぐにでも強烈なインパクトと膨大な数値を導き出せるのも楽天だからこそ。決して簡単な課題解決を担うわけではありませんが、むしろ、だからこそ面白いじゃないか、と身を乗り出してくれるような人がチームに加わってくれたら本当に嬉しいです」

プロフィール

写真:松村 有晃 氏

松村 有晃 氏
グループ顧客戦略部 部長

東京大学工学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。コンサルタントとして多数の戦略案件を担った後、博報堂ブランドコンサルティング〜HR系ベンチャー企業を経て、2010年に楽天入社。マーケティング領域でのROI改善等で成果を上げた後、現在の顧客戦略部へとつながるチームを立ち上げ、以来、社内およびグループ内の変革アプローチにおいて、中心的存在となっている。

写真:新藤 翔 氏

新藤 翔 氏
グループ顧客戦略部 戦略企画グループ

京都大学大学院で原子核工学を専攻。修了後、ブーズ・アンド・カンパニー(現Strategy&)へ入社し、コンサルタントとして主にメーカーの海外進出戦略、金融機関の業務改革などを担った。2015年、楽天に入社すると、グループ全体の戦略立案、とりわけポイントを用いた顧客ロイヤリティプログラムの立案に従事し、現在に至っている。

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