"戦略"と"実行"をブリッジし、変革を実現する
並み居るビッグファームを急追する成長を果たしてきたヘッドストロング。だが、殿村氏は、あくまで独自性にこだわる。
「今もヘッドストロングは中規模のファームであり、中段の構えによる独自のアプローチを続けています。今年に入って、ヘッドストロング、特に東京オフィスは新たな成長フェイズに入っているわけですが、だからといってこれまでの姿勢を変えようとは考えていません」
ではヘッドストロングの独自性とはいかなるものか? 殿村氏が口にした「中段の構え」という言葉がそれを端的に物語っている。

「私たちが設立時から変わらずに目指してきたのは、経営戦略の"実行"を支援しよう、というアプローチです。一般に、ピュアな戦略ファームは戦略実行プロセスの上流部分を担うと言われています。一方、ピュアなIT系ファームやSIer的位置付けのソリューション提供企業は、現場のオペレーション、つまり下流部分を担うと言われます。もちろん、この双方が見事にリンクすれば、戦略は実行できるでしょう。しかし、多くの企業が悩んでいるのは両者の中間部分。ヘッドストロングはその中流とも言える部分に特に注力しながら、"実行"支援を行ってきたのです」
どんなに優れた戦略を立案しても、それが実行されなければ経営改革は実現しない。同じように、どんなに最先端のシステムや、画期的な仕組みを用意しても、そこに戦略の真意が伝わらなければ、効率も成果も上がっていかない。そこで、戦略ファームが上段の構え、ITファームが下段の構えなのだとしたら、ヘッドストロングは双方に対応できる中段の構えで戦略実行を遂行する。これが設立当初から続く姿勢というわけだ。「エクセキューション(実行)を前提にした、現実味ある戦略を打ち立てる」、「戦略の真意に最適な仕組み作りを、ニュートラル(中立)な立場から考え抜く」、「戦略フェイズと実行フェイズとをシームレスにつなぐことに注力する」......これが、ヘッドストロングの流儀というわけである。
では、昨今の「戦略実行」の日本におけるトレンドとは何なのか?
「その一つはグローバリゼーションです。日本企業が国際市場に本格的に進出していく、という傾向とともに、グローバル企業が日本での活動を本格化させるという傾向もあります。ドメスティックな日本企業に外資系ファンドが参入して、グローバル・バリューの向上を目指す動きも目立ってきました。いずれにせよ、日本という市場に軸足を置きつつ、いかにして世界の市場で価値をあげていくか。それがテーマなのです」
「日本と世界を結ぶブリッジ」という役割としても高まる期待と信頼
当然のことながら、グローバルな活動による経験値がこのテーマには有効だ。欧米のみならずアジアなどでも成果を上げているヘッドストロングには優位性があるわけだが、「実績あるグローバルファーム」という観点だけで見れば、大きな競争相手が複数存在する。最近では多くのグローバル戦略ファームも「戦略立案だけではなく、実行を支援する」ことを標榜しているし、グローバル規模のIT系ファームの側は「戦略も含めたワンストップ・ソリューション」をうたい続けている。さらにはバイアウト・ファンドにも「経営価値向上を自ら参画し、支援する」との姿勢を示す傾向が強まってきている。しかし、殿村氏はこう語る。

「戦略立案の実績、オペレーション実行の実績を持つファームは多数あります。しかし、『グローバル市場を対象にした戦略を、実行に至るまで支援した実績』ということになれば、ヘッドストロングには他にはない多様な経験値が蓄積されているのです」
さらに殿村氏は具体的な説明を加える。ピュア戦略ファームが実行フェイズにまで入り込むことで、単発の変革を成し遂げることは可能かもしれない。しかし、グローバリゼーション、すなわち国際市場での成功というテーマは企業にとって永続的なもの。一度の成功で終わらずに、連続性ある変革を体現していくには、戦略実行のノウハウやオペレーションをいかに組織に根付かせていくかが問われる。そのためにどうすればいいか? この命題に答を出せるのはヘッドストロングなのだ、と。
「では、最新のITツールを導入すれば、企業活動がすべてファインチューンされるのか、というと、これまでにそうした取り組みを行った多くの企業の結果が物語っています。日本企業の中にはオールドエコノミー的な従来の経営資源を、ニューエコノミー方向にシフトしようとしている大規模企業も多数あります。1つの新規事業の成功や、先端ITシステムの導入だけで、そうした大きな問題は解決しません。どうすれば、変革を連続できるか。そのためには、組織や人のあり方を根本から変えていく必要がある場合も多いのです」
さまざまな部分に光を当て、改善を行う。しかも世界市場のスピードの中で。その経験値をヘッドストロングは持っているというわけである。戦略と実行のブリッジとなるだけでなく、日本と世界を結ぶブリッジにもなる。それが今、ヘッドストロングに対して企業が寄せている期待であり、近年その実績がグローバルなヘッドストロング内部でも注目されているのだという。





















