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画像:シーヴィーシー・アジア・パシフィックジャパン株式会社

プライベート・エクイティ トップインタビュー

シーヴィーシー・アジア・パシフィックジャパン株式会社

アメリカ、ヨーロッパ、アジアの3大陸に20以上の拠点を保有するCVCは、現在総額3~4兆円のファンドを運用し、過去300以上の企業、組織に投資を実行してきた名実ともに世界最大級のPEファンド。
そのCVCがアジアでのアプローチをさらに強化しようとしている。任を託されたのがCVCアジア・パシフィック ジャパンである。アジアで、日本で、今後どのような変化が起きるのか? CVCは何をしようとしているのか? 世界中の注目が集まっている。

赤池 敦史 氏 代表取締役社長 パートナー

シティグループのベンチャー投資部門としてのスタートを皮切りに劇的な成長を果たし、今や世界最大級の老舗PEファンドとして確かな地位を確立しているCVCキャピタルパートナーズ。
そして今、同社グループで日本を含むアジア・パシフィック・エリアを担ってきたCVCアジア・パシフィック ジャパンがさらなる成長へ向けて加速しようとしている。
その象徴的存在とも言えるのが、2015年5月に代表取締役社長として招かれたばかりの赤池敦史氏。
日本におけるPEの定着に長年貢献してきた赤池氏が「世界のCVC」に参画したことで、関係筋からは熱い注目が集まっている。
はたして日本で、アジアで、CVCはどんなことをしようとしているのだろう?
当の赤池氏が包み隠さず話してくれた。

CVCは世界のトップランナー。トップにしかできないことがある。
「トップランナーだからこそやるべきこと」が我々の使命

穏やかな笑顔で現れた赤池氏は、前職時代と変わらない和やかな口調で話し始める。しかし、PEを取り巻く現状を尋ねると、辛口の答えが返ってきた。

【赤池】「世の中が変われば、きっと投資案件も自動的に出てくるだろう、というようなパッシブ(受身)な姿勢が業界に存在しています。『そんなことでいいのか?』という心情が私にはあります。また近年、PEの役割が浸透してきたのは良いのですが、我々の機能やプロセスがパッケージ化されてしまい、どこか淡々とスキームをこなしている感も否めません。コモディティ化している印象が私にはあるんです」

PEの認知度が欧米ほど急速に浸透しなかった日本で、10年以上に渡って格闘してきた人だからこそいえる言葉。そして、どうやらこうした忸怩たる思いが、今回のPE業界復帰理由の1つになっていると見ていいようだ。

「PEに携わる組織や個人の発想・姿勢。これを変えなければいけないと思っています。特にファンドマネージャーの工夫は不十分です。コモディティ化してしまった仕組みについても、もっと創造的に新しい広がりを設けていくことができるはず。ここでも努力が足りていません。我々にできることはまだまだあるのだ、という気概を形にして示さなければいけない」

特に日本にある企業の多くは、そのオーナーシップの構造に課題や問題を抱えており、だからこそPEの持つ力で貢献できる機会もまた多いのだと赤池氏。そして、自身がこれら「やるべきこと」を実行していくための舞台を考えた時、CVCアジア・パシフィック ジャパン(以下、CVC)こそ最適だと思えたのだという。

【赤池】「CVCはPE市場における"世界のトップランナー"です。トップだからこそできること、トップにしかできないこと、というのがある。行動を起こすならここだと思いました」

前職を退いた後、赤池氏のもとには様々な声が届いたという。「虚業から離れて事業会社でマネジメントをすべき」、「そろそろ何か事業を起ち上げてみては」、「自分で投資会社を創りファンドレイズすればいいじゃないか」などなど。赤池氏が熟考の末に出した結論は「これからも投資の世界に関わっていく。PEの可能性を追求していく」であり、「自分個人で動くよりも、優れた組織・チームの中で自分を活かしていく」ことだった。そうして選んだ最高のステージがCVCだったということになる。

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【赤池】「現状で総額3〜4兆円の運用額と、300社以上の投資実績を持つCVCグループは、間違いなく世界のトップランナーですが、2003年にスタートした日本法人は、まだまだグループが持つ強みを活用できると考えていますし、できることはたくさんあるはず。CVCのシニア層にも同様の情熱があることを知り、私の気持ちは固まったんです」

赤池氏はジャパンオフィスのトップリーダーに就任したばかりでなく、CVCのアジア投資委員会メンバーにもなった。過去に例のない盤石の態勢が日本で整いつつあることを示している。

【赤池】「私は過去12年の間に10件以上の案件に携わり、長年この世界で生きてきました。ですから、投資の世界での仕事がどれほど厳しく、難しいのかも痛感しています。それでもやはり私はPEというものの可能性を信じていますし、この新しい舞台で、8人の優秀なメンバーとともにチャレンジしていきたいと思っています。『赤池という男をリーダーに据えたら、どんな変化が起きるんだ?』という目でグローバル全体から見られています。実際、ファウンダーが頻繁に連絡をくれ、過去数ヶ月に何度も来日しています。これは相当なプレッシャーでもあるんですが、望むところです。外部の様々な人たちも興味深く注視するでしょうけれど、私たちには自信があります」

微笑みを絶やさずに語るのは赤池氏ならではのスタイルではあるが、その揺るがない目線に強い決意が宿っている。話の内容も観念論では終わらない。

【赤池】「『じゃあいったい何をどう変えるんだよ』という疑念を働かせる人もいるでしょう。現実的に見れば、黙っていても動き出すような巨大な案件が市場にあふれているわけでもありませんし。しかし、日本市場はこんなものではない。それくらい大きな可能性を持っています。CVCは2兆円を超えるドライパウダーがあり、世界最高規模だと言われているんです。そう遠くない将来に1000億規模の大型案件を獲得しようと考えています。同時並行で200〜300億規模の実績を着実に積み上げていきます」

ネガティブ・ファクターが散在する中、世界は日本に注目している。
この好機を活かせるかどうかは、「私たち自身」にかかっている

ここまで言い切る背景には、第一にマーケット環境の変化があるという。中国の成長鈍化、ギリシャ等を起点とする世界的に危うい状況、成長する東南アジアにおいてもすべての国と地域が足並み揃えて伸びているわけではない、という実情などなど。世界やアジアを見回すと、複数のネガティブ・ファクターが散在する。その結果、「今、日本は相対的に安定しているように見えている」のだと赤池氏は分析する。

CVCグループ内部に限らず、マーケットで日本への期待値が上がっているのは事実。チャンスは大いにある、ということだが、そればかりではない。「相対的評価」によるチャンスである以上、そこには時限性もあるということ。「これから2年、3年で」というように赤池氏が早期のアクションに備えているのもそうした背景からだ。だが、背景にあるのは「世界市場の事情」ばかりではない。赤池氏は日本の台所事情もまた見据えている。

【赤池】「日本でも、ようやく構造変化が起きてきました。しかし、世界の変化スピードと比較すれば、『猛烈な速度で』というほどではない。もっと言えば『後退はしていないよね』というレベルです。事実、冒頭でもお話ししましたが、PEが扱うディールの数は決して増えていませんし、その規模も膨らんでいません。

数年前と異なり、PEの認知度が上がったにもかかわらず、企業経営を変革したり、収益構造を劇的に変える手法としてPEの機能を使おうとする方々が増えていないということ。日本の最前線で多数のPE関係者が必死の思いで認知度を上げてきたにもかかわらず、『使ってはもらえない』実情のままなんです。

これでは、せっかく広がりかけているチャンスも縮小しかねない。今すぐにでも『知ってもらう努力』を『使ってもらうための努力』へと切り替えるべき時なんです」

パッケージ化されたかのような仕組みを抱え、その存在を知ってもらい、あとはただパッシブにお声がかかるのを待っているようでは、変化は起きない。「要望を理解し、柔軟な発想でスキームを作り、経営陣・従業員とともに経営構造の変革に挑戦する」のが「私たち」の役割なのだと赤池氏は言う。

【赤池】「私たちの側が変わってみせること。私たち自身がチャレンジすること。そうすることで活用してもらい、停滞局面を変えていく。日本に軸足を置いて活動するPE関係者として今すぐ取り組みたいことはこれです。私はそれをこのCVCでやっていこうと決めました。非常に優れたメンバーがいます。チームのあり方を皆とともに変化させたことで、必ず目指すべき成果を獲得できると考えています」

CVCはコワモテ・ファンドではなくユルキャラ・ファンド
長く愛され、信頼を得て活躍できる実直さがここにはある

「知ってもらう努力」から「使ってもらう努力」へとシフトする話の中で、赤池氏はCVCグループの実像についても語った。

【赤池】「その規模の大きさやグローバルファンドのイメージのゆえか、世間的にはCVCをコワモテ・ファンドだと誤解されることもあるかもしれませんが、そんなことはありません。私自身、その一員になるにあたり、いろいろと調べました。ヨーロッパでは、扱い金額や案件数への評価以外に『最も信頼を集めている投資家集団』とさえ言われています。実際、CVCのファウンダーは、ファンドマネージャーとしてのキャリアをジュニアポジションからスタートした、積み上げ型の実直な気質です。

私がCVCに入るかどうかを決める最終面接も、実はSkypeを使った電話インタビューでした。当時、私はコロラドにいましたので『フライトの時間を割いて直接会うよりも、電話で話した方が有効だろう』と提案すると、即答でOKしてくれましたし、ざっくばらんに話をすることができました。

実質30分程度の面接でしかなかったのですが、『おまえはウチにすごく合うよ』と言ってもらいました。こういう非常に人間くさいやりとりというのも、この世界ではなかなかありませんし、ワークフォースも『どんどん入って、どんどん出ていく』ような、ありがちな思想ではないことを知り、嬉しく感じました」

赤池氏個人の価値観や気質、思想との相性もさることながら、「PEを今以上に使ってもらう」ためにも、最良のチーム、最善の思想があることを知り、「やはりここだ」と決めたのだという。

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【赤池】「今後はPEを使ったことがなく躊躇される方々を、その入口にまで導くオーガナイザー的役割が問われます。私たちは革新的で柔軟であり、かつ、信頼される集団でなければいけないんです。CVCならば、そういうチームを形成できる。だから私は『コワモテ・ファンドではないか』という不安感に遭遇するたび言うんです、『いえいえ、ウチはユルキャラ・ファンドですよ』と(笑)」

赤池氏は年齢についての話題も披露してくれた。現在40代前半である赤池氏がこのほどジャパンオフィスでヘッドを任されたわけだが、CVCグループではサンフランシスコのオフィスでも若い人材に権限を委譲した例があるという。「サンフランシスコでパートナーを務めている彼は、32歳でCVCに入り、40歳で現在の地位に就いたんです」と。

【赤池】「ジャパンオフィスは決して大きなチームではありません。現状10名未満で動いていますから余剰人員などいません。当然、大きな組織と異なり、全員が常にフルパワーでパフォームしなければいけない。今後は採用に積極的に動いていきますが、かといって組織の規模だけを慌てて大きくしようとは思っていません。

そのかわり、力さえあれば、そしてCVCの価値観やカルチャーに共感してくれる人であれば、年齢など関係なく参画してもらいます。ここでならば、腰を据えて成長してもらうこともできるはずです。投資実績が膨らんでいくとともに、組織も着実に大きくし、大手PEライバルと遜色ない集団としていくこと。それが私の最大の使命だと考えているんです」

自分がそうであるように、今後参画するメンバーにも、CVCという舞台が持つ強みを存分に活用し、日本で大きな成果と変化を生み出してほしい、と語った赤池氏。それでは、現有のメンバーはどのように目標達成に向けて動いているのだろうか? この日、3人のメンバーが時間を設けてくれた。「彼らからの声にも是非耳を傾けて、CVCのことを理解してほしい」とのこと。はたして最前線はどうなっているのか? CVCのカルチャーとは?

(※この記事は2015年8月にインタビューした内容です)

杦山 幸功 氏 シニア マネージング ディレクター インタビューへ続く

プロフィール

写真:赤池 敦史 氏

赤池 敦史 氏
代表取締役社長 パートナー
東京大学工学部卒業 同大学院地球システム工学専攻修了(工学修士) コロラド・スクール・オブ・マインズMining and Earth Systems Engineering(鉱山工学博士課程)修了(Ph.D.)

日米の大学院を修了した後、プライスウォーターハウスクーパースの米国オフィスに入社。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーのジャパンオフィスで、主に半導体や化学、エレクトロニクス業界を対象に、経営戦略の再構築および新規事業開拓等のコンサルティングを担当。2002年、アドバンテッジパートナーズに参画すると、テレコムおよび製造業等複数の案件を担い、シニアパートナーにも就任。10年以上に渡り同社の成長を牽引した。そして2015年5月、シーヴィーシー・アジア・パシフィック ジャパンに参画。代表取締役社長に就任した。

プロフィール

写真:杦山 幸功 氏

杦山 幸功 氏
シニア マネージング ディレクター

大学院修了後、P&Gファー・イースト・インクに入社。約6年間の在籍期間中にロジスティクス部門、ファイナンス部門、マーケティング部門と幅広い職務を担った。その後GEインターナショナルインク、GEリアルエステートにてM&A関連業務を担い、2006年にはアドバンテッジパートナーズへ参画。複数の案件を通じて日本におけるPEの信頼性獲得にも貢献してきた。そして2015年3月、CVCアジア・パシフィック ジャパンに参画。シニア マネージング ディレクターとして新たな一歩を踏み出している。

写真:小原 正憲 氏

小原 正憲 氏
ディレクター

大学卒業後、中央青山監査法人に入社。公認会計士業務に携わった後、AIGジャパン・パートナーズ・インクを経て、2006年にCVCアジア・パシフィック・ジャパン・リミテッド(現CVCアジア・パシフィック ジャパン)に入社。過去9年間に複数の大型案件に携わって成果を上げ、同社の成長に貢献し続けている。

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