例えば、戦略系コンサルタントの武器は、経営に関わる高度な知識や業界に精通 した専門知識、市場の先を見越せる洞察力などだ。IT系コンサルタントならば、専門性の高いIT技術や知識プラス業務知識が主要な武器になる。では、ブランド・コンサルタントが備えておくべき武器とはいったい何なのか? 「マインド面でいえば先にもお話しした通り、顧客サイドと企業経営サイド双方のインサイトを熟知し、ハイブリッドな発想から価値構築を目指せる資質ということになります。

 
   

スキル面でいえば他のファームにも共通するファシリテーション能力、プロジェクト・マネージメント・スキル、データ解析能力といったコンサルタントとしての基礎体力的スキルがやはり必要ですし、これを武器にしていかなければいけない。ただし、ブランド・コンサルティングを担うからには他のファームと異なり、エモーショナルな感性も備えていることが必要になります」  

さらにグローバル競争下にいる企業の重要戦略であるブランディングを担う以上は、近い将来今よりもグローバルな資質も求められるようになるだろう、と首藤氏は言う。  

ではHBCのメンバーはどういったキャリア、バックボーンを持っているのだろうか?
「私もそうですが博報堂出身者は当然いますし、戦略系などのビジネス・コンサルティング・ファームや他のブランドコンサルティング会社から転身したメンバーも多数います」
「ハイブリッド性が強み」と言い切るだけに、メンバー構成も双方のバックボーンの持ち主が共存しているわけだ。ところが、例えば広告代理店出身のコンサルタントはクリエイティブ寄りの分野を担い、ファーム出身者は戦略寄りの領域を主に担当するのかというと、首藤氏は首を横に振る。
「原則として1人ひとりがすべてにおいて責任を持つスタイルで進めています。当然のことながら広告業出身者のほうがクリエイティビティに優れていたり、ビジネス・コンサル出身者のほうがプロジェクト・マネージメントに一日の長があったりはします。けれども私には確固とした信念もあるんです。それは『高度なロジックを提供できる人ならば、優れたクリエイティブ能力も持っている』、『高度なマーケティングを展開できる人ならば、ひらめきのアイデアで勝負するだけでなく、きちんと相手を納得させるロジックも駆使できる』という捉え方。事実、これまでの成果 によってこの信念は実証されているのです」  

首藤氏は、こうしたHBCが目指すスタイルを「面白い」「取り組んでみたい」と思えるような人でなければブランド・コンサルタントは務まらないという。先にも紹介した通 り、ブランドとは「顧客の期待」であり「企業の約束」のこと。この2つを高レベルのところで握手させるのがブランド・コンサルタントのミッション。クリエイティブや経営戦略立案のどちらか一方のスペシャリティだけでは「握手」の実現など不可能なのだ。

「例えば旧来型のシステム系コンサルティングならば、プロセスを構築・提案して、そこに最適なツールを導けばビジネスとして成立していたわけですが、ブランドコンサルティングは常に不定形で、クライアント・カスタマイズが基本となるような事業です。もちろんHBCが作り上げたモジュールやツールはありますし、博報堂が蓄積してきたナレッジや消費者行動に関する大量 のデータベースを有効活用することは可能ですが、根本はクライアントからどこまでファクツ(ニーズ)を引き出せるか、ということになる。『どんな人材を求めているか?』と尋ねられたら、『知的でタフな人』という答が最初に浮かぶのも、そうした背景からです」  

さらに首藤氏はアナリストあるいはスペシャリストといわれる存在と、プロフェッショナルといわれる存在の違いを説く。
「ブランドコンサルタントは調査するだけとか、分析をするだけの専門家ではありません。企業内部に入り込んで、本音のファクツを引き出して、なおかつそこで解を導き出さなければいけないタフな仕事です。頭がいいだけでは成立しない。非常に多様なスキルを駆使しながらプロフェッショナルを目指そうとする人でなければ」

 

 

 日本において、どこよりも早くブランドコンサルティングをフィー・ビジネスとして確立し、新生JALや東京メトロに代表される大規模なブランディング・プロジェクトのみならず、中小規模の企業などもクライアントとして多様なサービスを展開し、急成長を遂げてきたHBCだが、それでも首藤氏は言う。

 
   

「このビジネスはまだまだ確立されていない部分が多い。しかも基本は不定形です」  
その代わり、「だからこそ」の可能性も追求しているという。
「海外の案件にトライしたり、マーケティング領域で新たなポスト・プロダクツを作り出したり、というように他のプレイヤーがまだ着手していないチャレンジにも乗り出しつつあるところです。設立から3年を経過して、ある程度ビジネスモデルの枠組みはできあがったと考えていますので、いよいよ今からHBCの第2フェイズが始まるわけです。

私たちのアプローチに共感し、HBCウェイと呼べるような新しい事業モデルの確立に参加したいという意欲を持っている人に是非手を挙げてほしいと熱望しています」

 

 



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