株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)は、JSR株式会社(以下「JSR」)、シミックホールディングス株式会社(以下「シミック」)とともに、米国のバイオ医薬品開発・製造受託会社KBI Biopharma Inc.(以下「KBI」)を買収することに合意したと発表した。
出資比率はINCJが44%、JSRが51%、シミックが5%となる模様。
バイオ医薬品とは、有効成分がタンパク質由来(抗体、成長ホルモン、インスリンなど)で生成される医薬品。化学合成で製造する低分子医薬品に比べて効果が高く副作用が少ないという利点があり、医薬品としての普及が期待されている。しかしながら、バイオ医薬品はバイオテクノロジーを応用した生物学的な製造工程において様々な因子の影響を受けることから、開発・製造が困難であり、普及に向けて課題となっている。
バイオ医薬品市場の成長に伴い、バイオ医薬品の開発・製造受託業が欧米を中心に拡大してきており、日本においてもその普及と発展が期待されている。
KBIは高度な分析手法開発技術と製造プロセス開発技術を有しており、開発初期段階から製造まで一貫したサービスを、欧米を中心とした大手製薬企業やバイオベンチャーに提供している。今回の買収により、JSRとシミックが欧米で実績のあるバイオ医薬品の開発、製造及び承認プロセスなどの事業基盤を取り込み、日本及びアジアにおけるバイオ医薬品の開発製造受託サービス、バイオプロセス事業などの事業展開を加速させることが期待される。
INCJは今後、社外取締役の派遣などの経営サポートする予定。また、INCJのネットワークを通じた日本のバイオベンチャーや中小製薬企業などとの連携強化により、バイオ医薬品の研究から開発・製造にいたるバリューチェーンが構築され、バイオ医薬品の創薬が推進されることをINCJは期待しているとの事。
※当社WEBサイトで公開しているプライベートエクイティ業界ニュースは公表情報をもとに作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。