BCG デジタルベンチャーズ

才能ある日本の人材が世界のデジタル領域で
花を開かせていくプラットフォームに

2016年4月に本格始動した東京センターは、ほんの数ヵ月の間に次々と大型案件を獲得。すでに動き出しているというが、その多くがグローバルがらみのプロジェクト。平井氏は「当然のこと」だと語る。

「私たちは顧客企業をクライアントと呼ばず、コーポレートパートナーと呼ぶのですが、『デジタルで変革を起こす。そのためには経営リソースも惜しまず投じていく』と本気で考えているパートナー企業ですから、当然のことながらすでに一定の実績を築いている大企業が多くなります。

photo02.jpg

そうした企業が目指すイノベーションがグローバル規模なのもまた当然。新規事業やサービスを起ち上げる上でも、デジタル・マーケティングを進めていく上でも、グローバルでの展開が前提となるケースは増えていくでしょう。そして、それがわかっていればこそ、『企業の変革をともに実行する』こととは別のミッションを東京センターは抱えているんです」

平井氏の言う「別ミッション」とは、すなわち「世界で活躍できるデジタルの担い手をこのセンターが生み出し、育んでいく」こと。先行して活動を始めた欧米の各センターからは、グローバルでの成功事例が続々と集まる。それらを独自性の高い日本のローカル市場でも効果が上がるように活用していくことが可能だ。

また、平井氏によれば「デジタル領域におけるビッグコーポレートのイノベーション追求は米国や欧州でも始まったばかり」とのこと。東京センター発のアイデアやアプローチが逆にグローバルで活用される事例もどんどん増やさなければならないという。

「ローカルにおいてもグローバルにおいても、ほとんど前例のないチャレンジングなフィールドですから、東京センターが世界的な担い手やノウハウを輩出していくプラットフォームになることも夢ではないんです。だからもうすでにそうそうたる顔ぶれが集ってくれている。他では手に入らないチャンスがここにあるからです」

では、デジタルベンチャーズでの仕事の進め方はどのようなものなのだろう? 何が従来と異なるのだろうか?

「原則として私たちのメンバーは『パートナー企業に常駐』というスタイルをとりません。逆なんです。企業側の変革実行部隊が私たちのこのセンターに席を持ち、我々とともに日夜働いていく。そんなスタイルを志向するがゆえに、西海岸のセンターのようにクリエイティビティを刺激する空間作りにもこだわっているわけです」

なぜこうしたスタイルにしたのか、その理由は先の「デジタルベンチャーズがBCG本体と同居していない理由」と重なる。「今までにない新しいこと」を起こしていくうえで最適な環境を、パートナー企業サイドが保有しているケースはまずない。多くの企業では、コア事業が最も効率良く進められるようにオフィスが作られ、制度や組織もまた作られている。「その一角を借りる」ような環境よりも、「そもそも新しいことを起こすために設計された」空間や環境でともに働くほうが間違いなく成功確率が高まるというわけだ。

「空間だけの話ではありません。目指すのはイノベーションなのですから、デジタルベンチャーズはあらゆる面で大企業の潜在能力に火を灯すような起爆剤になっていかなければいけない。そういう場を持ち、そういう人員を揃え、従来とは違うスタイルによって変革を起こしていく。だから現在いるメンバーも非常に尖った人間たちです。いわゆる専門性ばかりでなく、起爆剤になり得る何かを備えている者が顔を揃えましたし、今後もそういう人に参画してほしいと考えています」

実際にどのような面々が起ち上げメンバーとして集ったのかは別ページを参照してほしいところだが、ここで平井氏は一言補足した。

「『尖った人間』の集まりだと自分から言ったものの、誤解してほしくないのは、決して『ビジネスを理解しない人間』『空気の読めない人間』ではないということです。それぞれの得意領域では尖った才能を発揮するけれども、基本としては非常にマチュアな者ばかり。当然のことです。

パートナー企業それぞれに価値観や独自の文脈がありますし、それらをリスペクトしながら変革を追い求めていかなければ、現実味のある変革には至りません。ですから、今後参画してもらうかたにも、この両面を備えていてほしいと願っているんです」

では、もっと具体的に聞いてみよう。デジタルベンチャーズが求める人材像とはどのようなものなのか?

「自時考走」タイプ。
そして人とビジネスに垣根を作らない者が活躍する

「私の勝手な造語なのですが『自時考走(じじこうそう)』というのが、デジタルベンチャーズにほしい人材を端的に言い表しています。分解すると『自分の時間を大切にしながら、自分で考え、自分で走る』という意味になります。要するに行動思考であり、自発的であること。

『1を聞いて10を知る』だけでは終わらずに、『1を聞いたら10を自分でやろうとして、考えだし、走り出す』ような人でなければ、デジタルベンチャーズが目指している成果にはたどりつけないし、そもそも当人が喜びも感じられないはずなんです」

こう話したうえで、平井氏は「自時考走タイプの人間がデジタルベンチャーズで活躍するための必須能力」についても語ってくれた。

「当然、コミュニケーション能力が高水準で必要になります。ここには5つの主要な役割があるのですが、その1つがベンチャーアーキテクト。プロジェクトの取りまとめ役であり、パートナー企業と密接なリレーションシップを形成しながら新規事業やサービスを開発し、そのインキュベーションから商業化までを横断的にリードしていく役目です。

クリエイティブなエクスパティーズのみならず、現実のビジネス現場に登場してくる清濁をともに理解する力や、起業的なストレスに耐える資質なども併せ持っている必要があり、それらを円滑に発揮していくためにも高度なコミュニケーション能力が問われていきます。

では残る4つの役割は何かというと、プロダクトマネージャー、ストラテジックデザイナー、エクスペリエンスデザイナー、そしてエンジニア。この4者はそれぞれ違ったフィールドでのエクスパティーズが問われるものの、ベンチャーアーキテクトとともに皆で議論し、プロジェクトを進めていきます。

つまり畑違いの者同士が密接につながることでデジタルベンチャーズはイノベーションを起こそうとしているわけで、そうなれば互いにコミュニケーション能力を駆使して相互理解を深めていかなければいけないんです」

各主要な役割についての詳細は起ち上げメンバーのページに示した通り。それぞれ独自の専門性を問われる立場であり、「常に連携して」というスタイルは極めて珍しいのだが、デジタルベンチャーズはあえてその手法を積極的に用いている。「そうでもしなければイノベーションなんて起こせない」(平井氏)というわけだ。だからこそのコミュニケーション能力。

「他にもこだわりたい資質はあります。たとえば『超』が付くほどのポジティブさです。プロダクトマネージャーの山敷などは、前職で20代半ばでゼロ〜イチの新規事業を任された経験の持ち主なのですが、そのプロジェクトを進めていた短期間の内に20kgも痩せてしまったと言います。起業の経験がある人などは共感してくれると思いますが、何もないところに新しいものを生み出し、それを実際の事業にまで築き上げていく過程では、とてつもないほどのプレッシャーが日々のしかかってきます。超ポジティブな人間でなければ耐えられないんです。そして、ポジティブだからこそ学習能力を発揮し続けて、チャレンジを続行していくことが可能になる。プロダクトマネージャーだけではありません。すべての者がアントレプレナーシップを発揮し、ポジティブに問題に立ち向かっていく姿勢を求められる。それがデジタルベンチャーズです」

そして平井氏は言う。「ここは成熟したBCGではなく、ベンチャーなんです」と。

「だから、自時考走。そして、自時考走でありつつ、人やビジネスに垣根を作らない人材に集まってもらいたいと願っているんです」

今後の展望を聞くと、平井氏は「原則として一業種一テーマ」だと答えた。革新的な事業やサービスを起こしていく以上、その事業・サービスが核となって、周辺分野にまですそ野を広げていく可能性が高い。デジタルベンチャーズから生まれたイノベーションが相互にぶつかり合うことを避ける意味でも「なるべく遠い業種を選択して、パートナー企業と向き合っていきたい」とのこと。草創期なればこそ、新鮮なテーマと向き合い続けることが可能ということだ。「今飛び込まないでどうする?」と感じる人であれば、どこにもない醍醐味がここでは味わえるのだ。


起ち上げメンバー4人のインタビューへ続く

プロフィール

写真:平井 陽一朗 氏

平井 陽一朗 氏
パートナー 東京センター・ヘッド

1974年生まれ。東京大学経済学部卒業後、三菱商事を経てボストン コンサルティング グループ入社。戦略案件に多数携わった後、ディズニー・ジャパンへ転職し、新規事業の起ち上げ等をリードした。2006年にオリコンへ入社、同社副社長兼COOを経て、オリコン・モバイル(現oriconME)の社長に就任。2010年にはザッパラスに転じ、代表取締役社長兼CEOを務めた後、再びボストン コンサルティング グループへ。パートナー&マネージング・ディレクターとして活躍するとともに、社内の若手人材育成プロジェクトを統括。また米国で胎動していたBCG デジタルベンチャーズの日本での展開を積極的に牽引し、2016年より現職。

プロフィール

写真:島田 智行 氏

島田 智行 氏
プリンシパル・ベンチャーアーキテクト

東京大学法学部卒業後、外資系コンサルティング会社を経てボストン コンサルティング グループ入社。2006年、ナップスタージャパンに転じ、日本初の音楽聴き放題サービスを起ち上げ、2008年にはレコチョクに入社。事業開発担当執行役として音楽・動画の配信サービスを起ち上げた。2012年からはメガベンチャーで新規事業起ち上げ部門の責任者に就任し、数々の新サービスを事業化。2016年より現職。

写真:山敷 守 氏

山敷 守 氏
リード・プロダクトマネージャー

東京大学在学中、学生向けSNS「LinNo」を起ち上げ、デジタルサービスの世界に飛び込む。卒業後は、革新性を強みとするIT系大企業に入社。ここでゼロベースからスマートフォン上のメッセージング事業を起ち上げ、プロジェクトの責任者として従事。2016年より現職。

写真:花城 泰夢 氏

花城 泰夢 氏
リード・エクスペリエンスデザイナー

明治大学在学中、『宇宙授業』(中川人司著・サンクチュアリ出版)等の出版物の企画に携わった後、クリエイティブ・エージェンシーにおいてコンテンツ・ディレクターとして大手企業のコンテンツ制作を担った。カメラマンとしても活動を展開する一方で、2012年フィリピンへ留学すると、現地でDMM英会話の事業起ち上げに携わった。2014年にはトランスリミットに入社し、大ヒットした脳トレアプリ『BrainWars』、『BrainDots』のUIデザインを手がけた。2016年より現職。

写真:堀口 綾 氏

堀口 綾 氏
リード・ストラテジックデザイナー

米国カーネギーメロン大学でインダストリアル・デザインを学んだ後、ニコンに入社。グラフィック・デザイナーとして従事した後サムスンへ。グラフィックUIデザイナーおよびデザイン戦略を担った後、フリー・デザイナーとしてフリマアプリの子会社にてアプリデザインに携わる。2016年より現職。

無料登録・転職相談

メールマガジン登録