関さんへのインタビューで「社会イノベーション&インキュベーション本部は、継続的な取り組みを行っていくチーム」とうかがいました。エネルギーチームもまた同様なのでしょうか?
【滝口】もちろんです。ここまでの話だけだと、まるで短期的なエネルギー案件ブームのように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
第一、電力の小売り自由化に伴うプロジェクトの多くは2016年や2017年のスタートを目指していますが、すべてがその目標期限までに完全な状態で事業をスタートできるとは限りませんし、仮にスタートできたとしても整備しなければいけない課題が数々発生してくるはずです。プロジェクトによっては2020年のオリンピックを過ぎてからようやく本格化するようなものもあるでしょう。
しかも、エネルギーを新しい仕組みで提供するというビジネスの取り組みについても、再生可能エネルギーを安定供給するという技術面の取り組みについても、継続的な問題解決が必要になります。
また、電気1つを取り上げても技術は劇的に進化しています。例えば巨大な発電所から大きな巨大な電線網を張り巡らす従来の形状ではなく、小規模な発電設備とそれを取り巻く消費地域とで完結するマイクログリッドと呼ばれる取り組みが将来的に広がるかもしれません。
電機メーカー、電力会社、ガス会社、あるいは新規参入企業などなどと継続的につながりながら、社会の進化を推進していく役割を、少なくとも日立コンサルティングは担い続けるのです。そのために社会イノベーション&インキュベーション本部があるわけです。
ですから、先の求める人材像についての質問の答えにもなりますが、エネルギーに関してプロフェッショナルな経験を持つ人ばかりでなく、発電設備の構築に関わってくるエンジニアリング分野に精通している人や、様々な局面で必要となる制御システムの構築で有効となるITリテラシーを持っている人などなどにも、成長のチャンスが大いにある。
他にも「この領域や分野、機能ならば誰にも負けない」という自負の持ち主で、なおかつ「社会が大きく変わろうという場面で成長したい」と真剣に考えている人に来てもらえたら嬉しいですね。
日立グループの一員である、ということはやはり大きいのでしょうか?
【滝口】関からも話が出たと思いますが、グループの一員とはいえ、例えば中核企業である日立製作所との間でも、イコールパートナーの関係です。日立がらみのプロジェクトが黙っていても手に入るような関係ではありません。でも、だからこそ健全なパートナーシップでつながることができます。グループの外との結びつきから大局的に社会を見て、一石を投じるような役割を果たすことも可能です。
一方、この日立グループ全体が、社会変革の担い手になっていこうという集団です。まさしく日本という社会を動かしているグループです。その一員であることのメリットは非常に大きい。グループ各社が持つ強みを自在に組み合わせて新たな価値を生み出すことも、日立コンサルティングならば可能なんです。
エネルギーチームで携わるプロジェクトの多くは国内のものになるのでしょうか? それともグローバルな展開もあるのでしょうか?
【滝口】当面の動きの中でエネルギーチームの主流となるのは国内プロジェクトです。ただし、日立コンサルティングとしては海外のプロジェクトにも携わっていますし、エネルギー関連でも先進的な欧米などの取り組みを積極的に分析し、国内の案件に役立てていくプロセスは進めています。
そして、日本における成功事例が海外でも実を結ぶ機会もまた遠くない将来に訪れるものと考えています。社会イノベーションと正面から向き合うという取り組みは、世界的に見ても急速にそのニーズが高まっていますので、我々の活躍の場はどんどん広がっていくはずです。
では最後にあらためてうかがいます。日立コンサルティングの社会イノベーション&インキュベーション本部で活躍する人材とは、どのような人だとお思いですか?
【滝口】確固としたスキルや経験、専門領域を持っていて、そこに軸足を置いている人。それでいて、それらの能力の発揮だけに凝り固まってしまうのではなく、今までとは違う新しい成長のチャンスを追い求めているような人ですね。ここにしかないチャンスが日立コンサルティングにはあります。どうかこのチャンスを活かしてほしいと願っています。
プロフィール
滝口 浩一 氏
社会イノベーション&インキュベーション本部 ディレクター
大学卒業後、1997年にアンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)へ入社。戦略コンサルティング・チームにおいてエネルギー企業や通信企業などの経営変革を実行した後、ベンチャー企業の起ち上げに参画。IT関連のインキュベーション事業を展開した後、エクサージュ(現日立コンサルティング)へ入社。エネルギー分野や流通関連企業のイノベーションを次々と担っていく中、徐々に軸足をエネルギー関連に置き始め、社会イノベーション&インキュベーション本部誕生後は同本部のエネルギー関連チームのヘッドとなり、プレイイング・マネージャーとして活動している。
この企業へのインタビュー一覧
- [コンサルティングファーム パートナーインタビュー]
- 株式会社 日立コンサルティング 社会イノベーション&インキュベーション本部 マネージングディレクター 関 穣 氏
(2015.1)
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