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NTTデータ経営研究所

ITソリューションの技術的先進性においては群を抜く存在として知られるNTTデータ。そして、そのグループ傘下で特にきわだった存在感を示し続けているのがNTTデータ研究所だ。
コンサルティングや調査研究で数々の成果をもたらしてきたファームである。このNTTデータ研究所が、従来以上に独自案件へ乗り出す姿勢を示している。
親会社NTTデータのもとで成長を続けてきた同社のアイデンティティとは、はたしていかなるものなのだろうか?

NTTデ-タ経営研究所とは
NTTデータ経営研究所はNTTデータの100%子会社として1991年に設立された。
それゆえ設立当初はNTTデータからの案件、とりわけ公共機関を主要顧客とするコンサルティングや調査研究を数多く担う存在だったが着実な実績の積み重ねによって独自案件を増やし、今や法人、企業対象のコンサルティング・プロジェクトにおいても 絶大な信頼を得るに至っている。
また、独自性の高い価値提供を目標として、既存のコンサルティング部門の強化に加え、専門特化型の新たな部門の立ち上げにも積極的だ。
そこで「NTTデータ経営研究所ならではのコンサルティングビジネスとは何なのか?」をあらためて確認すべく、産業コンサルティング本部のキーマンに話をうかがった。

まず最初に「産業コンサルティング本部」が、どのような存在なのか教えてください。

部門名称からも判るように、民間企業向けコンサルティングに特に注力しているのが私たち産業コンサルティング本部です。 当社は親会社であるNTTデータと協業しながら公共分野でのコンサルティングや調査研究へ取り組むプロジェクトが比較的多いのですが、当本部では民間企業の事業戦略立案や業務改革、さらには新規事業や新規サービスの開発といったテーマにフォーカスしています。

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その中でも共通のキーワードはやはり"IT(情報技術)"です。決してITありきのコンサルティングをするということではなく、企業側も従来の延長線上ではない成長戦略や競争戦略にITが有効な手段、もっといえば不可欠な手段であると認識し始めています。

このような背景もあって、ここ数年の間にITで事業や業務のパラダイムを変革するようなコンサルティング案件の引き合いが強まってきています。

企業によるコンサルティング・ニーズが高度化した、ということでしょうか?

その通りです。「すでに形が見えている従来通りのビジネスの枠組みで、いかに改革(最適化)し、いかにパフォーマンスを上げるか」というのも、もちろん企業にとって重大な課題です。一方で、自社の事業環境が激変するなかで過去の成功体験の延長線上だけで次代は切り開けないという漠然とした不安もあります。どちらか一方だけのコンサルティングではなく、前者と後者をきちんと捉えた上でクライアントにとって最適な方向性を導き、その中で"IT"をどう位置づけ、どう使っていくのかが求められます。

そして、そうした背景があるからこそNTTデータ経営研究所の存在価値に、光が当られているのだとも思うのです。

具体的には、どのようなコンサルティング・サービスを展開しているのですか?

私たち産業コンサルティング本部では、ITトレンドに関するマーケティング、製造・流通 戦略、情報・通信戦略、新規事業・サービス開発、企業戦略・事業戦略、業務改革(BPR)、IT活用戦略など多岐にわたったコンサルティングテーマを手掛けています。

少し具体例をあげると、製造・流通戦略では次世代SCMモデルとして注目されているCPFR(階層横断的な協業モデル)を日本の食品流通や家電流通などで適用していくためのモデリングやクライアントを巻き込んだプラットフォーム開発などを行っていますし、ITに関する新規事業・サービス開発等に関わる分野では、特にモバイルに代表されるワイヤレスソリューションを個社の事業や業務に適用して高度化するだけでなく、そのものを用いた新しい事業やサービスをクライアントと一緒に仕掛けたりといったことにも取り組んでいます。

他ファームと比べて「次のトレンド」につながる案件が多い、ということでしょうか? もしそうだとしたら、なぜ企業はNTTデータ経営研究所を選択するのでしょう?

例えば、過去に成功事例があるような課題に解を出していくのだとすれば、私たち以外にも多数のファームが実績を積んでいます。しかし、先ほどお話ししたような「まだ解の方向性すら未知数といったテーマ」の場合は、既製のメソッドやフレームワークに当てはめても解を導きづらくなっています。

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よく、初期コンタクトで企業のトップマネジメントとお話しをする機会がありますが、ITをどのように企業経営に活用するべきか、他ではいろんなソリューションを導入したりしているが自社には本当に必要なのか、自社にとってITをどのように位置づけどのようにグランドデザインするべきか・・・、言ってみれば、漠然としたマグマのようにドロドロとした危機感や問題意識だけがあるケースが多い。そんな時にソリューションありきではなく、自社の事業の方向性とITの活用について提言できるコンサルタントとして、私たちは期待されているのだと思います。

「マグマ状態」の要望を、フレームワーク・ベース思考の大手ファームにぶつけても、形らしきものさえ見えてこない。にもかかわらず、へたをすれば高価な見返りを求められるかもしれない。......そんな意識が企業サイドには働くかもしれませんね。

そうなんです。一方、私たちには「混沌としたところからスタートした実績」がたくさんあります。こうした案件での成果についてならば他社に負けません。そうして生まれる信頼性こそが、実は先進案件には必要不可欠なのです。

そうした独自性を持つ産業コンサルティング本部では、メンバーにどんな資質が求められるのでしょうか?

あるクライアントから興味深い言葉をいただいたことがあります。それは「よそのファームはすぐに"答え"を持って来ちゃうんだよね」というセリフです。もちろん、コンサルタントなのでクライアントの課題に対して早い段階で仮説を提示することは必要です。でも、それしかないような言われ方をすると「一般論ではそうかもしれないが、自社にとって本当にそうなのか」といった不安に駆られるようです。この幹部が期待していたのは、仮説も重要ですが、「形になっていない未来を一緒に考えてくれるコンサルタントしてふさわしいか」を見極めたかったわけです。

しかし、過去に実績を持つファームほど実績をアピールしたいでしょうし、「そうはいっても、何か答らしきものを持って行かなければ」という強迫観念にも駆られるでしょう。コンサルタントによっては「手っ取り早くツールやシステムと関連づけをして、ビジネスにしていかなければ」と考えるかもしれません。

でも、もちろんそんなことでは真の問題解決にはならないということを顧客企業自体が感じ取るようです。だからこそ、信頼感を勝ち取れること、そのクライアントにとってベストなことをとことんまで考え、一緒に取り組んでいきたいという姿勢、そういったことがコンサルタント一人一人に求められます。

実はコンサルタントにとって、こんなに面白いシチュエーションは他にないと思います。「メソッドやフレームワークに事を当てはめて、あとはジョブしてアウトプットを作っていくだけ」という方が楽かもしれませんし効率的かもしれません。でもコンサルタントとして「本当にこれがクライアントにとってベストなのか」といった消化不良感が残るのではないでしょうか。解そのもの以前に、「どうやって解を導くのか」という段階からクライアントと一緒に考える。それを喜びだと思える人だけが、私たちのチームで真価を発揮できるんです。

実はとってもタフな仕事だ、という覚悟も必要ですね?

はい、その通りです(笑)。コンサルティングでクライアントからフィーをいただくわけですから、情熱や頑張りだけではそれに見合うバリューは出せません。いわゆる従来型のコンサルタントが出せるバリューを上回るバリューをださなければ、というプレッシャーもあります。常にこういったプレッシャーに駆られながら、クライアントの期待以上の成果を上げなければならない訳ですから、それ相応のハードワークが求められます。

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だからこそ、プロジェクトやテーマに対して柔軟性や興味を持ち続けることができないと、ただキツイだけかもしれない(笑)。

「お客様(クライアント)はその道のプロであり、まさに当事者」なわけです。プロジェクトを通して感じるのは皆さん優れた方々ばかりです。そういった方々と同じ視点で同じレベルで取り組んでもコンサルタントしてのバリューは出せない。コンサルタントとしての視点や考え方を示して初めて「その道のプロ」と対等に議論できます。中途半端な個人の知識や過去の成功体験だけではすぐに見透かされます。

会社名に「NTTデータ」という名前を見てしまえば、多くの志望者は「相当に高レベルなITに関する知識や業務知識が要求されるだろう」と考えがちでは?

もちろん、ITや業務に精通していて、地頭がよく柔軟で、コンサルティング、それもプロジェクトをリーディングした経験を持つかたがいれば大歓迎しますよ(笑)。ただし、産業コンサルティング本部に限って言えば、そういったことも重要ですが、先ほどから言っているようなマインド部分も求めます。

実際、若手メンバーで言えば、いわゆるコンサルティング経験があって入社した人間の方が少ない状況です。当本部で取り組んでいるテーマは従来のアプローチでは通用しないことが多い。そういう意味でいえばいつも未経験者からのスタートとも言えます。ですから、経歴や経験だけのアジェンダで「私たちのチームに向いている」かどうかは判りません。できるだけ多くの志望者のかたと直接お会いして、お互いがハッピーになれるかを見極めていきたいと望んでいるのです。

経営企画部 部長 野々山 清氏インタビュー

親会社であるNTTデータとの関係について教えてください

子会社"という言葉から2つの間違ったイメージを持たれることが良くあります。

1つ目の誤解は、親会社からの出向者が管理者層にいて、そのマネジメントのもとでプロパーのコンサルタントが現場を切り盛りしているというイメージです。これは全く逆で、プロジェクトリーダー以上はすべて当社のプロパー社員、若手の一部がNTTデータから育成目的で当社に出向してきているのです。

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もう1つの誤解は、親会社から細かく管理されているのではないかというイメージです。子会社ですから、もちろん事業計画の段階で売上、利益などについて数値の握りは求められます。しかしながら、それに向けてどのような方針で何をどういう手段で進めていくのかについては当社に任されており、かなり自由度は高い環境のもとで事業を推進できる立場にあります。

そういうことからすると、通常の親子のイメージとはかなり違うのではないでしょうか? では、実際どのような関係にあるのかと言うと、当社からすると親会社というよりは顧客であり、ビジネスパートナーであるという意識を持っています。

当社にとってのメインクライアントはNTTデータであり、そのNTTデータと良好な関係を保ちながら営業展開を図れるということは当社にとって大きな強みであると言えるでしょう。

他のコンサルティング会社との違いについて教えてください

NTTデータ経営研究所という名前からするとIT系に特化した、例えばシステム要件定義を中心に行い、NTTデータのSIに結び付けていくというコンサルティングを想像される方も多いのではないかと思います。

しかしながら、そういう領域のコンサルティングはそれほど多くないのが実情です。そもそも密接な関係にあるNTTデータにはIT技術に関わる才能が豊富に揃っています。だからこそ、当社は純粋なコンサルティング企業を目指すべきだと考えています。当社のピュアなコンサルティング力が上がれば上がるほど、NTTデータは技術よりの課題に集中できるとともにグループとしての競争力アップにも繋がるはずです。

ということで当社はシステムの直前の工程に留まらず、戦略立案、業務改革、IT企画の3つの領域に亘って広くコンサルティングサービスを提供してきています。当社自身はSIを行う会社ではありませんので、コンサルティングに特化していること、それから情報システムの構築という落としどころに必ずしも縛られることがない会社と言っても良いかもしれません。

最後になりますが、当社の位置付けとNTTデータの関係を一言で言うと、 「当社はNTTデータとWin-Winの関係を維持しつつ、コンサルティングに特化できる」 そんな会社です。

プロフィール

写真:加藤 賢哉 氏

加藤 賢哉 氏
産業コンサルティング本部 パートナー

1992年4月 NTTデータ通信株式会社(当時)入社。産業(民間)分野のシステム企画・提案活動、および設計からカットオーバーまで一貫して関わる開発案件に約2年間従事。1994年6月にNTTデータ経営研究所への社内公募制度を利用して出向。1999年に出向期間が終わると同時に転籍。

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