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現職コンサルタントインタビュー

株式会社ローランド・ベルガー

転職でローランド・ベルガーに参画した後、一度は事業会社に移り、その後またローランド・ベルガーに再参画したのが鈴木さんだと聞きました。一連の経緯について教えていただけますか?

【鈴木】そもそも金融機関に入社をした理由は、その後の自分のキャリア形成で軸になってくれるような確固としたスキルを手に入れたかったからです。ありがたいことに入社早々からM&Aや企業の資金調達の最前線で働くことができ、それなりの専門性も手に入れました。もちろん、この世界は奥行きが深いですから、もっと専門性に磨きをかけていく道もあったと思うのですが、私としては企業価値算定等の仕事に携わる中で、「数字の裏側にあるリアルな事業に生々しく携わりたい」という気持ちが強くなり、転職を決意しました。

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その中で、特定の業界に留まらず、、広く様々な業界の多様な問題解決に携わるコンサルティングの領域に魅力を感じたんです。参画したローランド・ベルガーは、とにかく風通しもよく、新参者にとっても非常に働きやすい環境でした。ローランド・ベルガーでの日々には満足していましたが、心の根っこの部分で「いずれは事業会社で」という希望があったので、2回の昇進を経験し、一定程度成長した実感を持ったタイミングで事業会社に転職をしました。

現役コンサルタントで「いずれは事業会社で」という希望を持っている人は少なくないと思うのですが、なぜ鈴木さんはローランド・ベルガーに復帰しようと思ったのでしょうか?

【鈴木】最初にポイントとして覚えておいていただきたいのは、転職先のリクルートに不満があったわけでは決してなく、ローランド・ベルガーで働きたい、と改めて強く思ったことが復帰の理由であったということです。もっとも、リクルートではローンチしたばかりの事業を任される立場であったとはいえ、経営上の大きな意思決定や働く上での枠組みはマネジメントによって決まっているという環境でした。この部分で、ローランド・ベルガー時代との違いをまず感じたのは事実です。

決められた方向性の上で、精一杯のパフォーマンスをして応えていくのがリクルートでの私の役割。一方、ローランド・ベルガー時代は、経営陣と一緒にグランドデザインや方向性を考える日々。進むべき道を考えるのか、決められた道の上でどのように上手く走るかを考えるのか、コンサルティングファームと事業会社では、求められるものが大きく違うこと理解しました。もっとコンサルタントとしての研鑽も積み、例えば30代後半とか40代で事業会社の経営を任されるような転職をした場合は、違った展開になっていた可能性もあっただろうとは思いますが。

ともあれ、現場で当事者となって働く機会は最上の勉強になりました。多忙で知られるリクルートとはいえ、余暇の時間も多かったと言えます。それでもやはり、先のような理由から「何か違うなあ」という違和感はありました。エネルギーのすべてを出し尽くしたぞ、と思えるような充足感は得られませんでした。

そんな折りに、福田から突然連絡が来たんです。「そろそろ戻ってこない?」と、普通の調子で(笑)。リクルートでの生活も充実していましたし、迷うところがなかったわけではないですが、数日後にはローランド・ベルガーに戻ろうという気になっていました。

3つの魅力的な企業で働く機会を得た私は恵まれていたと思っていますが、そのおかげではっきりしたんです。「大好きな仕事と会社があって、その会社のために働ける幸せ」というのが、人生でいかに大事かということです。私は理屈など抜きにしてコンサルティング、そしてローランド・ベルガーが大好きになっていた。一度離れたことで、それをはっきりと知ることができた。しかも、その会社の人が「帰ってこいよ」と言ってくれている。こんなに幸せな事ってありませんよね?

感覚的なものかもしれないので、難しいかもしれませんが、ローランド・ベルガーの何が「大好き」なんでしょうか? おそらく他のコンサルティングファームからもエージェントなどからオファーはあったと思うのですが。

【鈴木】リクルートでの仕事に不満があったわけでもないですし、仲間にも満足はしていたので「どうしても転職しないと」というような切迫した気持ちは持っていませんでした。ですからヘッドハンターのかたに会って、別のコンサルティングファームに転職しようとするような活動も一切しませんでした。オファーがあっても興味はわきませんでした。当時の私に選択肢があったとすれば、このまま残るかローランド・ベルガーに戻るか、の2つに1つ。

何が「大好き」の源なのかというと、1つは巨大なグローバルファームというよりも、グローバルからアントレプレナーシップ溢れる人材が集まった創造性とチャレンジ精神に満ちたカルチャーですね。とにかく新しいことに前向きで、なおかつ人を大切に思う人ばかりなので、驚くほどに皆仲が良いんです。実際に、経営人材も沢山輩出しています。

若造だった私が転職する、と言い出しても「頑張れ」と快く送り出してくれましたし、それでもなお「おまえが必要だから帰ってこないか」とも言ってくれる。実際、100名弱の組織の中に私と同じように再参画した人間が4〜5人います。受け容れる風土があって、なおかつ一度離れた人間に「帰りたい」と思わせる魅力があるところなど、そうそうないと思っています。

今では福田さんとともにクールジャパンのプロジェクトに参画されたり、PMI案件を担当されたり、幅広くご活躍とのことですが、今後、どんな風にキャリア形成をしていこうと考えていますか?

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【鈴木】まずは幅広い経験をもっともっと積んでいきたいと思っています。復帰してみて改めて実感したのですが、コンサルティングという仕事の面白味はもっと奥深くまで行かないとわからないように思えます。かつての2年半の経験と似通ったようなプロジェクトもあったりしますが、それでもかつては気づかなかったような学びがいくらでもある。そう気づいてしまった以上、今度はとことん追いかけてやろうと思っています。

コンサルタントが果たすべき責務や役割はどんどん変化していますが、だからこそ「やりとげてやる」と闘志をかきたてられているんです。若手にものびのびと自由にやらせる雰囲気は、新体制になって前にも増して強まっています。恵まれた環境を活かして、「コンサルタントとしてひとかどの人物になる」のが今の私の夢です。

新しい参画者を求めているローランド・ベルガーですが、鈴木さんはどんなかたと働きたいのか。最後に、それについて教えてください。

【鈴木】コンサルタントになるということ、あるいはローランド・ベルガーの一員になるということに何かエスタブリッシュなものを求めているのなら、それは違うよ、と言っておきたいですね。

素晴らしいお客さまに出会い、他では着手していないような新しい取り組みにもチャレンジでき、それを同じような志の人たちと上下の隔てなく追いかけていけるのがここの魅力であり、価値だと思っています。職業にエスタブリッシュとか、安定とかを求めるのであれば、世の中にはそれに適した企業がいくつもあります。創造性とアントレプレナーシップを発揮しつつ、充実した仲間とで日々成長したいという人であれば、私は大歓迎です。

プロフィール

写真:福田 稔 氏

福田 稔 氏
プリンシパル

慶應義塾大学卒業後、2002年に大手ITコンサルティング会社に入社。CRMコンサルティングから全社の経営企画まで多様なコンサルティング業務に従事。その後、2007年にローランド・ベルガー参画。消費財、流通・サービス、ラグジュアリーブランド、総合商社、製造業等の幅広い業種・業界において、グローバル成長戦略、ブランド戦略、事業再生戦略の立案・実行を担う。その後、社内の留学支援制度を活用し、欧州IESE経営大学院(MBA)、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院(International MBA Exchange Program)への留学を経て、プリンシパルに就任。消費財業界に軸足を置きながら、プライベートエクイティに対するデューデリジェンス支援や、投資後の企業再生支援にも携わり、さらには経済産業省主導のクールジャパン政策への支援も行っている。

写真:鈴木 慎吾 氏

鈴木 慎吾 氏
プロジェクトマネージャー

一橋大学商学部を卒業後、2006年にみずほ証券入社。M&A・資金調達に関わるアドバイザリー業務に従事したのち、2010年にローランド・ベルガー参画。その後リクルートライフスタイルに転じ、プロダクトマネージャーとしてECサイトの立上げ・運営に携わったが、その後ローランド・ベルガーに再参画。消費財、サービス、製造業等を中心とした幅広い業界において、グローバル成長戦略、M&A・PMI戦略、事業再生戦略等の立案・実行を担っている。

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