画像:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

ビッグ4(世界四大会計事務所)の中でも突出した実績と規模を備える デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(DTTL)。そのプロフェッショナルネットワークの一員であり、なおかつ日本最大級の会計事務所トーマツのグループメンバーでもあるのが デロイト トーマツコンサルティング(DTC)だ。
世界150拠点で17万人の多才なエキスパートが従事するスケールと連携力は、他を圧倒する。反面、そのフィロソフィーの筆頭に「クライアントの協働者であること」を唱え、エグゼキューションに対するコミットメントの確かさが広く知られてもいる。
では、そのDTCが混迷する日本のビジネスと今後どう向き合っていくのか? 2010年に社長に就任し、「日本のビジネスに、新しい力を」の理念を掲げている近藤氏に聞く。もちろん、そのうえで、「どんな人材の参加を望み、どんな活躍を期待しているのか」についても、忌憚のないストレートな言葉で語ってもらった。

bnr_20170317_deloitted.jpg

急速に組織の成長を進めるDTC。
その背景にあるものとは?

日本におけるDTCは2009年時点ですでに500人以上のメンバーを擁していたが、この3年のうちにその数は1000人を超えた。つまり倍増。しかも今また大幅な採用拡大と組織の増強を目指しているという。多くのプロフェッショナルファームが成長鈍化に頭を悩ませているこの時期に、大胆な展開を見せるDTC。はたして、その背景には何があるのだろうか? 近藤氏の口からは、明快かつ具体的な答えが返ってきた。

「これまでのDTCにも存在しなかったほどのチャレンジングな世界戦略を、中期計画の一環として今まさに具体的に発進させようとしているのです。今、日本企業の多くがグローバル化の成功に命運を賭けて、戦いに臨もうとしています。クライアントの協働者となることで現在のポジションをいただいてきた私たちには、こうした動きを全力で支える責任があります。そして、このチャレンジは私たち自身が未来を生き抜いていくための新たな戦略でもあるのです」

その「具体的アクション」の一端でも教えてほしい、と尋ねると、静かな調子でありながら情熱がひしひしと伝わるような語り方で近藤氏は教えてくれた。

photo01.jpg「経営のグローバル化。これは非常に難易度の高い挑戦です。新興国が躍進を遂げている状況下、欧米のグローバル企業でさえも既存の成功事例が通用せず、日々新たなトライを模索している。そんな厳しいステージで、とりわけ日本企業が注力しているのはASEANを中心とするアジア地域です。そこで、私たちはここにある現地拠点との間でジョイントベンチャー的枠組みを設け、日本のビジネスがこのエリアで確実にクライアントを支援できる新しい体制を築くべく動き出します。まずはここでの成功に組織を挙げて力を注いでいく。ただし、これはより大きなチャレンジの始まりでしかありません。ASEAN地域での取り組みで成果を得たならば、同様の手法を中国や欧米など世界へ向けて展開したいと考えてもいるのです」

グローバル化という規模に難易度が伴ったチャレンジを進めるクライアントに心底満足してもらえるクオリティとバリューを出そうと思うならば、相応の規模感とクオリティがファーム側にもないと、うまくいくはずもない......長年DTCでコンサルティングの道一筋に歩んできた近藤氏は、ズバリとこう言い切る。この発言が揺るがぬ説得力を備えている背景には、これまでのDTCの歩みがあった。

「私は、この組織がどういう紆余曲折を経てきたかは、よく知っています。90年代の終わり頃、ちょうど私がパートナーになった当時は『300名を超える組織になりたい』という目標を掲げながら、なかなか達成できずにいたのです」
 
ここで近藤氏は、DTCのみならずDTTのグローバルネットワークの独自の性質を「連邦制」という言葉で説明してくれた。他のグローバルファーム同様、世界に広がるネットワークを活用したナレッジの共有や行動面での連携は、もちろんデロイトグループも高度に備えている。だが、組織の枠組み自体のフレキシビリティが高く、各拠点ごとの独立性を容認しながら連動する体制が伝統的に貫かれてきた。そうした背景もあったからこそ、近藤氏をはじめ当時のメンバーたちは「この日本のDTCをどう成長させるか」について、主体的に考え、悩み、方策を導き出したというわけだ。

「その頃、DTTの各国拠点を見渡すと、イタリアのデロイトコンサルティングが日本の我々よりも一段上の人員規模と売上規模とを得ていました。『ならば、そのイタリアを目標にしよう』と私たちは決めたのです。『300人編成の組織になる』という目標をなかなか実現できていなかったにもかかわらず、それよりもさらに高いハードルを自らに課したわけです(笑)。でも本気でしたよ」

当時の事業の柱は2つ。ストラテジー&オペレーションとヒューマンキャピタル。前者の取り組みにおけるパートナーだった近藤氏らは、しゃにむに案件を獲得して成果を上げていった。そして、実績が規模の拡大を後押しする形で、とうとう目標達成が見えてきた。

「この時点で、再度目標を設定し直しました。それは一言でいえばさらなる質の向上です。あくまでも規模拡大はクオリティやバリューの向上をもたらすものでなければいけない。それならば、トップティアの企業をクライアントにした高水準の案件でも実績を見せていかなければいけません」

高い目標を達成することで確立された「DTCらしさ」
実績を通した強みの形成。

「言うのは簡単だけど、まあこんなに難しいこともないわけです」と笑いをはさみながらも、熱く真剣な目で語る近藤氏。

「当時はアメリカのデロイトコンサルティングでさえ、組織が大きく変わり、必死で質の向上を目指していた。そして彼らが決行したティアワンプラン(中期計画の呼称)というものが、着実に効果を示し始めていたんです。競合のトップファームにも負けないような競争力を手にしていった彼らのプランを学びながら、私たちもコンピートできる力を得るためのプランを実行していったのです」

インダストリーを従来以上に細分化し、そこで行われる業務を高密度で追求。「クライアントの協働者」たるDNAの持ち主たちが、持てる知見をフルに活用し、「絵」すなわち戦略を細密画のように描きながら、エグゼキューションにいたるまでサポートする体制。これが実を結んでいった。

photo02.jpg「これがどうにかクライアントの皆さんにも浸透して、『これから』という矢先、リーマンショック発生です」

やれやれ、という表情で苦笑いする近藤氏。「どうなったかといえば、グローバルに関わる案件しかない、というぐらいの状況に一変したわけです」と振り返る。しかしこう語った瞬間、近藤氏は目を輝かせた。そして言った。「それがチャンスになったんです」と。

「我々が評価を得て成長を実現できた要因、すなわち強みの源泉は何か? いうまでもなく『実行段階にまでつながるきめの細かさ』、つまりエグゼキューション能力の高さです。日本のビジネスをグローバルに持って行こうとする時代がやってきた今こそ、ほとんどのお客さまが、このきめ細かな対応、DTCが誇る力を渇望してくださるようになったのです」

「連邦制」ゆえのフレキシビリティの強み、デロイトのグローバルネットワークを活用できる強み、そして細やかな実行局面への対応で実績を上げていた強み。それらがすべて「日本のビジネスのグローバル化」における「期待値」へとつながっていった。

「ある部品メーカーがヨーロッパでの利益を最大化したい、という意向を示してきました。すでにこの会社は工場や販売拠点を欧州各地に保有していましたが、グローバル事業強化のため、その中心となる欧州本社を現地に設けることになった。もちろんコンサルタントたちは、たとえばどんなサプライチェーンを再構築すべきか考え、物流面も踏まえて欧州本社の最適地を導こうとします。一方で欧州の域内には複雑な法律や税制が多様に存在している。『利益最大化』のテーマを真に実現するには、これらに精通した税理士との協働も不可欠になる。デロイトの一員である我々は、そのすべてを提供できるんです。しかも、すぐに」

包括的にグローバル化を支援する力がデロイトにはある。会計・税務のエキスパートが世界中にいる強みだ。この実例のみならず、その強みはM&Aなどの局面でも、欧州以外の地域でも同じ事。総合力とスピードを提供できるのがDTC。しかも「連邦制」で自由度も高く、「細やか」であり成果の具現性が高いのだ。

「一般的なグローバルファームならば、一定段階までは日本のメンバーが関わるけれども、いざ実行段階となれば現地のコンサルタントによって事が運ばれる。しかし、日本企業はとりわけ細かなオペレーション部分で、自分たちの流儀を生かしたいと考えます。必要なのはこうした日本的感覚を重々理解しつつ、世界の流儀も心得て調和の取れた最適化をもたらすことのできる存在。独立性を認められた我々日本のDTCのメンバーは、このミッションに最後までダイレクトに携わり、コミットしていくことができるのです」

こうして今、DTCは多くの日本企業から期待をかけられている。それに応えるだけの体制作りとして、規模の拡大を迫られてもいるというわけだ。もちろん、過去の経験談でも言っていたように「質の向上」を伴った組織拡大でなければ意味がない。では、今どんな人材を求め、今後組織をどう成長させようとしているのかを聞いていこう。

プロフィール

近藤 聡 氏
代表執行役社長

早稲田大学卒業後、等松・トウシュロスコンサルティング~トーマツ コンサルティング(現DTC)。企業戦略、オペレーション改革、海外展開戦略の策定・実行支援などのコンサルティングを、自動車業界を中心に展開。クロスボーダーを含む多数のプロジェクトを手掛けてきた。2010年、代表取締役社長に就任。「日本のビジネスに、新しい力を」の理念のもと、世界と伍していくための力を内外に注入しようとしている。

無料登録・転職相談

メールマガジン登録