お二人は、どういう経緯でGEのプログラムを知ったのでしょうか?
【志田】私は大学在学中の就職活動の中で、FMP(Financial Management Program)を大学の先輩から聞きました。他の企業に就職していた多くの先輩から「毎日同じことの繰り返し」といったネガティブな話も聞いていた時期だったので、「グローバルな現場で、リーダーシップを学びながら成長できる」という話が、とてもキラキラしたもののように感じられたんです。
【李】私は技術関連のフィールドを学ぶため日本に留学し、そのまま日本で就職活動を開始しました。当然のようにエンジニアになることを前提とした就職活動となったわけですが、私としてはグローバルな仕事に関わっていきたかったので、志望先は絞られていき、最終的にGEの製造本部に就職することが決まりました。実は、OMLP(Operations Management Leadership Program)の存在を知ったのはその後だったんです。もちろんGEにはいくつものリーダーシップ・プログラムがあることを知っていましたが、まだ日本ではOMLPの前例がなく、入社が決まった後で「グローバルのGEではOMLPというものがある」ということを知り、興味を持ったんです。
プログラムの特徴を、お二人の体験で教えてください。
【志田】FMPに限らず、リーダーシップ・プログラムに参加する社員は皆、(1)現場の仕事に携わり、そこで成果を出していく、(2)専門性を高めるための学習も並行していく、という内容です。特にFMPの場合、求められる専門性は会計や財務について。
私の場合、(1)だけ、あるいは(2)だけ、という日々ではなく、(1)と(2)の両方を進めていく日々だったため、成長を実感できました。もちろん、このほうがきついんですけれど(笑)、それ以上に充実感がありました。(2)の中身もいわゆる勉強だけでなく、アサインメントリーダーと呼ぶ現場の上司からフィードバックを受けながら学習したり、FMP卒業生やファイナンス部門のリーダーをプログラム生で囲むラウンドテーブル・ミーティングなどで意見交換をしながら学んだり、という内容でしたから、知識やスキル、ノウハウが理屈だけで終わらず、着実に身に付いていく感覚でした。
【李】私がいま経験しているOMLPも、FMPの志田さん同様、仕事を通じた学びと、専門性アップのための学習の二本立てですが、違うのは実際の仕事を通じて成長していく部分がかなり大きいということ。それと、日本で前例がなかったため、同期や先輩のプログラム生が身近にいない点ですね。ただし、わからないことや相談したいことがあれば、中国やインドにいるプログラムの先輩が話を聞いてくれます。それが非常に心強い存在になっています。
具体的には、どんな内容のメニューを経験したのでしょうか?
【志田】原則的に2年間で4つのアサインメント(ローテーション)をこなすのがFMPのプログラムですが、1stローテーションではGEリアルエステート・アジアで経理業務とともにコンプライアンス・プロジェクトを、2ndローテーションではGE三洋クレジット(当時)で財務企画のプロジェクトを、3rdローテーションではGEキャピタル・アジアでHQ(本社)のコスト管理を、そして最後のローテーションではGE Moneyで商品別の財務企画を担当しました。
【李】私の場合、入社は2009年で、日野にあるGEヘルスケアの生産本部でエンジニアとしてラインの仕事に従事していましたが、2010年1月にOMLPがスタートすると、同じ日野でも生産ラインの改善リーダーとして活動することがミッションになりました。そして7月から現在は、2ndローテーションとして日本開発の新製品(CT)をグローバル・サプライチェーンに乗せ、アメリカの製造ラインに導入していくトランスファー・リーダーを務めています。
GEはリーダーシップ・プログラムに限らず、「目に見える成果を厳しく問われる企業」というイメージがあります。プログラム生の場合は、なおのこと成果がダイレクトにプログラムでの評価につながるのだと思うのですが、FMPの場合、成果が数値化されにくい領域という印象もあります。
【志田】そんなことはありませんよ。例えば「業務プロセスを改善したことで、ルーティンオペレーションのリードタイムが○時間短縮できた」というのも成果です。さらに、財務フィールドのコンプライアンス関連では「正しさ」が1つの評価軸になります。どれだけの「正しさ」を導入できたか、というのも「目に見える成果」となってきます。
プロフィール
志田 氏
日本GE株式会社 FMP
07年慶應大学総合政策学部卒業後、08年4月より日本GE株式会社に入社。Financial Management Programの2年間を通じて、GE Real Estate・Asiaにて経理及びコンプライアンス・プロジェクト、GE三洋クレジットにて財務企画、GE Capital AsiaにてHQ(本社)のコスト管理、GE Money(韓国 ヒュンダイ・キャピタル/カード)にて商品別の財務企画等を経験。
李 氏
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 OMLP
韓国出身。03年より国費奨学生として来日。神戸大学機械工学科卒業後、神戸大学大学院機械工学科にて修士課程修了。09年よりGEヘルスケア・ジャパン入社。入社直後は生産技術のエンジニアとして配属。同年OMLPの社内募集に応募、10年1月よりOMLPとしてローテーション開始。1stローテーションは、改善リーダーとして生産ラインの改善を担当。7月からは2ndローテーションとして日本が開発した新製品をアメリカの製造ラインに導入するトランスファー・リーダーの役割を担っている。
この企業へのインタビュー一覧
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