最初に、山下さんがトランスコスモスへ入社するまでの経緯を教えてください
【山下】私はもともとソニーにいました。10年の間に多数のプロジェクトに関わりましたが、その中で「事業を作って動かしていく」ことの醍醐味を知り、MBAを取得。その後は経営企画の役割をやらせてもらい、さらなる成長を目指してアクセンチュアの戦略部隊に入ったんです。当初は3年ほど経験を積んだら、それを活かすためにまた事業会社に戻ろうと考えていたものの、気がつけば5年が経過して40歳という区切りの年齢が目前に迫っていました。
そのころ私の関心事は、1つはデジタルマーケティングやECの領域、もう1つは地域としてのASEANという2軸に絞られていたので、どこかでこれらに関われないかと可能性を探っていたところ、トランスコスモスと出会ったんです。緒方や神谷から話があったように、トランスコスモスが起こそうとしている変革が、私の関心事とまさにマッチしていたので、迷うことなく入社を決めました。
入社から約1年ほどだとお聞きしましたが、具体的にはどのようなお仕事をしているのでしょう?
【山下】昨年の後半以降は、神谷がてがけていた中期経営計画の策定に時間を費やしました。現在は、まさにこの計画で描いた新しいチャレンジの実行者として動いています。特にASEANをはじめとする海外での仕事にはもともと強い関心がありましたので、グローバルEC事業の確立という部分に今後は力を注いでいきたいと考えています。
いわゆる事業会社と戦略ファームのコンサルタントの両方を経験された山下さんですが、現在の役割というのはどちら寄りなのでしょうか?
【山下】どちら寄りでもなく、これまで経験したものとはまったく違う役割だと思っています。特にコンサルタント時代と最も違うのは、社内のコミュニケーションが鍵を握っている点です。私や中尾は、外から入ってきて日も浅いですし、トランスコスモスの事業は非常に幅広い裾野を持っていますので、「新しい変革を考え実行する役割」といっても、現場を知らないことには前に進みません。
コンサルタントならば、クライアントの経営陣を相手に提案する際にも、ロジックでものを語ることができれば納得してもらえましたが、日々ビジネスを動かしている現場は理屈だけでは通りません。時にはコンサルタントのように考え、時には事業会社の一員として現場の中にある可能性に触れる。そういう両面が、私としてはむしろ面白く感じていますし、ビジネスを実際に作る醍醐味にもつながっています。
コンサルタント出身者にとっては働きやすい環境と言えるのでしょうか?
【山下】IT業界には専門性のみならず、アントレプレナーシップをもっている人材が多数おり、プロフェッショナルとしてプロジェクトに参画しているケースが多くあります。トランスコスモスにもそうした人たちが集まり、チームを編成して議論を重ねながら結果を出していますので、組織そのものに外から参入した人間を受け容れる柔軟性が整っています。ですから私のような者もすんなり入っていくことができました。
また、各分野のマネジメント・レイヤーとともに合宿を行ったりもしています。交流を重ねながら、ともに思うところをぶつけ合うこともできています。戦略コンサルティング業界には「戦略の絵描きだけでなく事業の実行も担いたい」と望む人間が少なからずいるわけですが、そういう志向の人にはうってつけの環境だと言えます。
では最後に、これから変革実行チームに参画する人材として、どんな資質の持ち主が適しているとお考えですか?
【山下】先ほども言いましたが、戦略の絵描きだけでなく事業の実行も担いたい人間が多数いますけれども、そういう人たちは恐らくトランスコスモスにこれほど大きなチャンスがあるとは思っていないのではないでしょうか。しかし、LINE社をはじめ複数の外部企業とのアライアンスやジョイントベンチャーが動いていますし、グローバルECなどでも、私をはじめ、計画を立てた者が自分で最前線に立ち、行動を起こしています。
一方、テクノロジーに関心を持つ層の間ではデジタル領域に興味を抱き、その事業化に携わりたい人が多数います。トランスコスモスはこの領域でも先端を行こうとしています。GoogleやFacebookなど、すでに世界をリードしているプレイヤーとも密な関係を築いて新しい可能性について意見交換している状況。
ですから、インプリメント、グローバル、デジタルといったものに直接関わり、新しい価値を作り出したいと心から願っている人にぜひ参画してほしいと思っています。ちょっとでも興味を持って今のトランスコスモスを知ってくれれば、きっと気づくはず。今ここには驚くくらいのチャンスがあることに。
プロフィール
山下 信昭 氏
デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 コンサルティング本部 エグゼクティブマネジャー
大学を卒業後、ソニーマーケティング(株)に入社。約10年在籍したが、その後半で任されたVAIO部門での新規事業立ち上げに刺激を受け、ビジネススクールへ留学。帰国後は経営企画部門で経営戦略に携わる醍醐味を知り、アクセンチュアの戦略チームへ転職した。コンサルタントとして5年間従事した後、2016年にトランスコスモスへ入社。「グローバル」「デジタル」等をキーワードに据えて展開する変革に携わる。
プロフィール
緒方 賢太郎 氏
上席常務執行役員 デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括副責任者
大学を卒業後、JCBに入社。債権回収、海外部門等で従事した後、コロンビア大学ビジネススクール(CBS)でMBAを取得。帰国後は経営企画のミッションを担った。約10年在籍したJCBからボストン コンサルティング グループへ転じると、金融、テクノロジー/メディア/テレコム領域を主としながら、幅広い業種の変革案件、とりわけ新規事業開拓やアライアンス戦略の策定で成果を上げた。約10年の在籍期間の後半ではビジネスのデジタル化案件に注力していたが、2014年、トランスコスモスのグループ社長である奥田昌孝氏から直々の要請を受けて入社。同社のイノベーション領域の開拓をリードしている。
神谷 健志 氏
上席常務執行役員 経営戦略本部長
大学院修了後、NTTコミュニケーションズに入社。約7年間の在籍期間の内、大部分をエンジニアとして働いたが、海外でのマーケティング業務の経験などがきっかけとなり、技術職以外の分野で再出発するべくペンシルバニア大学ウォートン校へ留学。MBA取得後はベイン・アンド・カンパニーへ入社し、戦略コンサルタントとして幅広い業界の変革案件に携わった。約10年在籍し、自らのNext Stepを真剣に考え始めたタイミングで奥田昌孝氏と出会い、直々の要請を受けてトランスコスモスへの入社を決めた。入社後は経営戦略本部長として活躍している。
中尾 英樹 氏
デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 コンサルティング本部 エグゼクティブマネジャー
大学院修了後、ボストン コンサルティング グループに入社。約5年に渡りコンサルタントとして活動した後、ファッションECサイト「ロコンド」の運営会社立ち上げに参画。執行役員オペレーションズディレクターとして従事し、同社のオペレーション拠点の立ち上げ・拡大・安定化を行った後、回転寿司の「あきんどスシロー」へ転じ、2015年よりトランスコスモス。緒方氏が率いる戦略策定・実行部隊の一員として活動。2016年に大きな話題となったLINE社との合弁会社設立でも中心的役割を担い、同社とトランスコスモスによる合弁会社「transcosmos online communications」では営業戦略責任者として活動している。
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