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Wovn Technologies 注目企業インタビュー

注目企業インタビュー

Wovn Technologies 株式会社

Wovn Technologiesは、2014年設立、「世界中の人が、すべてのデータに、母国語でアクセスできるようにする」というミッションを持ち、企業のWebサイトやアプリに対して多言語化ソリューションを提供するスタートアップだ。高いクオリティの多言語Webサイトが構築できるサービスを、SaaSモデルで継続的に提供している。
グローバルに展開する大手企業を中心に18,000サイト以上への導入実績を持ち、さらにビジネスを拡大中だ。

次の成長ステージに備えて、同社に約1年前、ファイナンス・会計や企業価値向上に多彩な経験を持つ藤原健氏が入社し、CFOに就任した。藤原氏にキャリアの磨き方やCFOの仕事について、またWOVNに入社する魅力などを聞いた。

藤原氏は、大学在学中に公認会計士試験に合格、2004年にあずさ監査法人に入社、その後、M&AアドバイザリーのGCA、投資銀行のメリルリンチ証券、PEファンドのCITIC Capitalと多様な経験を積んでいる。2020年4月にWovn Technologiesにジョインし、取締役CFOに就任して同社の成長に貢献している。

まずは、藤原さんご自身のキャリアを振り返ってみていただけますか?

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【藤原】昔から何か武器になるスキルを身に着けて、将来的に経営に近いところでキャリアを築いていきたいと思っていました。そこで学生時代に会計士の勉強をし、資格を取り、監査法人からキャリアをスタートしました。

監査法人で4年ほど経験を積み、その後、テーブルの向こう側で数字をチェックする側ではなく、企業の数字を作り上げていく側で仕事をしたいと思い、投資銀行業界への転職を考えました。まずGCAに入り、M&Aアドバイザリーの仕事をした後にメリルリンチに転職しました。外資系を選んだのは、クロスボーダーの案件も経験してグローバルな目線と経験を積みたかったからです。まずはカバレッジ、次にM&Aアドバイザリーの部門に所属し、トータル8年間在籍していました。

投資銀行業務は非常にやりがいがあり知的好奇心も刺激される面白い仕事でしたが、アドバイザーの立場なので、勿論全力でやっているもののどこか自分事として感じられない部分がありました。その思いから、投資家・株主としてより経営に近い側でと考え、PEファンドに転職しました。PEファンドでまる2年、投資先企業のバリューアップやソーシング活動も行いました。この投資家や株主としての経験や見方を身に付けることで、投資銀行で経験したことからさらに幅を広げることができたのですが、それでもやはり、中に入り込んでいる感覚は完全には感じられず、事業に飛び込んでみたい気持ちが強かったので、事業会社、その中でもスタートアップにチャレンジしてみようと考えました。

PEファンドという株主としてマジョリティーを取って経営を行う立場でも、当事者としての感覚を完全に持つことは難しい。事業会社に所属して初めて得られる感覚である。

監査法人、投資銀行、PEファンドと、エージェント目線で言うときれいなキャリアです。計画通りでしたか?

【藤原】自分では、初めから具体的に思い描いていたわけではないです。大きな方向性としては経営に近いところでキャリアを積んでいく。次の3年、5年後を考えたときに、一番良い経験や面白いことができるところへ、と考えてキャリアを選んでいました。そうすれば、確実に自分の可能性を広げてくれると思っていたので。10年後、20年後のキャリアは考えてこなかったです。この会社に来て初めて10年単位のことも考えるようになりました。WOVNの成長を中長期で実現していきたいと思っています。

結果的に様々なことを経験して良かったと思っています。一生を振り返ったときに、あれもやってみたかったな、という感情は持ちたくないですから。
ファイナンスや会計の知識、投資家としての知識や目線などは自分のベースとなっており、今の仕事にも活きています。一番大きいのは、それぞれのステークホルダーの目線を多少なりとも理解したことかなと思います。それぞれの立場に立って話したり、相手の立場を考慮したうえで交渉したり、といったことがよくあります。

とは言っても、知識やスキルを完全に使いこなしているかというと、まだまだ模索中です。今が一番苦労しているようにも感じています。投資銀行でもファンドでも、見ている世界は基本的には成熟した市場で、スタートアップに比べると大企業中心でした。今は、スタートアップの中にいますし、Webサイトのプロダクトを扱うのも初めてのことです。市場が出来上がったものではなくて、我々がパイオニアとして作っている。他に無いプロダクトの意味合いを理解してもらい、市場に浸透させていく、あるいは、市場を作っていく。そういう意味での大変さ・チャレンジがあります。

明確なキャリアプランは無くても、「キャリアの停滞を避け、チャレンジしていく」。これは良いキャリアを築いている方に共通している考え方だ。

数あるスタートアップの中でWOVNを選んだ理由は何ですか?

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【藤原】WOVNは事業の成長可能性が非常に大きそうだなと思いました。市場のポテンシャルが高く、その中で独自の強固なポジションを築けている。出来上がった市場ではなく新しい市場を作っていくやりがいと面白さも感じました。あとは、人の雰囲気ですかね。フィット感がすごく大事だと思っていて、入社前、WOVN以外にもいろいろな会社の方にもお会いしましたが、その中で一緒にやっていけるイメージが湧いたというのが大きいです。特にベンチャーでは、山あり谷ありで苦しい時も多いですが、マネジメント層や一緒に働くメンバーと価値観が違ったりすると耐えられないこともあるかもしれないと思ったので、フィット感を一番重視しましたね。

人間関係でのミスマッチの話は多く、人の雰囲気が合うということは非常に重要である。
また、良いベンチャーに選んでもらえるだけの経験を積んでいるという事も忘れてはいけない点である。

PEからベンチャーだと、年収が下がることが多いです。そのあたりは気になりませんでしたか?

【藤原】気にならなかったと言えば嘘になります(笑)。とは言っても、生活できない範囲ではありません。転職したときに多少生活水準を下げる必要はありましたが、慣れの問題です。当社でも十分に暮らしていける水準です。
キャリア的な意味でも、長期的なリターンで考えるとこっちの方がいいと思って、報酬面は割り切りました。そうでないなら、プロフェッショナル・ファームでずっとやっていたほうが良いですよね。

目先のP/Lにこだわるのではなく、今後のキャリア全体のB/Sを豊かにしていく。これも重要な考え方だ。

WOVNで実際に働いてみて、印象はどうでしたか?

【藤原】もともと人のフィット感は良いと思っていたんですが、思った以上に働きやすいです。全体として、メンバーが謙虚で、良い雰囲気があります。特にエンジニア中心に外国人メンバーが多いのですが、色々なバックグラウンドの人を相互にリスクペクトする、ということをすごく大事にしている。多国籍ですが、良い意味で日本らしいというか、雰囲気が柔らかいです。

一緒に働く人の多様性というのは、ベンチャーに入った理由の一つでもあります。自分のコンフォート・ゾーンを離れて、チャレンジしていく。実際、いろいろなバックグラウンドのメンバーがいるので、自分が当たり前と思っているような前提が全然当たり前では無かったり、逆もまた然りです。それぞれの立場に立って、どう説明すれば分かりやすく、同じような目線を持って議論ができるかを考えています。

同質性の高い、優秀な人が集まるプロファームからスタートアップに行くと、これまで接したことが無いようなタイプの人がいたりする。その中でそれぞれの立場に立ってものごとを考える、というのは活躍する上で非常に大事な点だ。

WOVNに入社するまでのキャリアの間、CFOというタイトルは意識されていましたか?

【藤原】ずっと経営に関わっていきたいとは強く思いつつ、自分で起業するアイデアは特になかったので、自分の知識や経験を活かして2番手3番手としてサポートしながら一緒に会社を大きくしていくところで最大限貢献できると考えていました。そういう意味ではCFOが合っているとは思います。

CFOの役割の一つは、会社の魅力や成長性を投資家と資本市場に発信をして、きちんと評価してもらえるようにすること。そのために説明の仕方やロジックを深く考えていく。他にも勿論色々ありますが、それが対外的なところでは一番重要だと考えています。CFOは、対外的にも対内的にも、いろいろな場面で調整役になることが多いです。様々なステークホルダーが社内でも社外でもいます。それぞれの目線に立って、立場を理解しながら、説明したり、意見を合わせていったり、ということをしています。いろいろな人の目線が分かることが、今の仕事に生きていると思います。

ベンチャーのCFOというと投資銀行出身者が多いですが、最近PE出身者も増えてきています。PEの経験はあった方が良いと思いますか?

【藤原】どちらでも良いのかなと思います。自分にとっては、PEで事業側をよく見て自分事として投資の判断をしていたのが良い経験になって確実に活きています。ただ、投資銀行からCFOになる人は基本的に優秀な方が多く吸収できる素地も持っているので、PEの経験が無くてもそういったことはキャッチアップして活躍できると思います。

CFOが扱う数字は、現在の財務面の話だけでなく将来の話が多いですが、例えば計画を作っていく時、ブレークダウンした一個一個の要素を合理的な前提や想定に基づいて作っていくことが大事です。予算分析では、実績がずれてきた場合にどこがずれてきたから数字がずれてきているのかを追えるようにしておく。そうすれば、後で補正をきかせることができるし、どこに対して手を打っていけばいいかも見えてくる。また、ボトムアップで数字を作りつつ、トップダウンでもその数字がおかしくないかを見ることも大事です。といってもWOVNもまだまだ日々模索中ですが。

投資銀行でも財務モデルを同じようにブレークダウンして作ります。ただ、クライアント企業の事業部の方にインプットの妥当性を確認してもらい、最終的な判断は企業側になります。PEや投資家の立場だと、そこを自社の責任で判断しなければいけない部分があり、経営の立場に近いと思います。

PEの経験がプラスになる事は間違いない。ただ、その経験があってもなくても、投資家の目線を理解した上で妥当性のある事業計画を作る事ができ、実績とのズレが出た時にスピーディーな対応ができることが重要だ。

前職までの経験が生きていることは他にもありますか?

【藤原】WOVNでちょうど今、大型の資金調達をしており、海外の優良投資家から評価いただき、出資をしていただくことになりました。この一連の調達プロセスの中で、これまでの知識や経験が活かせる部分は大きかったです。

PEのバイアウト投資では、成長性も勿論大事ですが、キャッシュフローが安定していて、大崩れしないで成長していけるかどうかを重視します。スタートアップの投資では、どれだけ将来の成長を実現していけるかが重要で、そのためなら赤字を踏み込んでも投資していく。CFOとしては、投資するからこれだけ伸びると合理性を持って説明して、納得してもらえるかどうかが大事かなと思います。

WOVNでは、市場ポテンシャルの大きさと成長性を伝えるため、国内マーケットや企業の多言語化の予算などを試算しました。そのうえで独自のポジショニングを築いていることを伝える。特に大企業のウェブサイトの多言語化では、国内マーケットで競合プレーヤーがおらず、独占的なパイオニアになれる。この強みをご説明しています。

また、スタートアップの資金調達は、M&Aの交渉とは異なり、どちらかというと会社は相対的に交渉力が弱い立場に置かれることが多いと思います。勿論会社のステージや資金繰り状況等次第ですが、そのようなアンバランスは望ましくないので、調達タイミングも慎重に検討し、多くの投資家とお会いしてディスカッションを重ねて、しっかりと評価いただけるようには留意しました。結果として、事業・市場の可能性をご理解いただき、中長期で成長をご支援いただけるグローバルの優良投資家から良い資金調達が出来ました。この調達した資金を基にしっかり事業を伸ばしていく、これからが本番だと考えています。

それでは、WOVNの強みをもう少し説明していただけますか?

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【藤原】WOVNのサービスは、単なる翻訳ソフト提供ではなく、Webサイト全体の多言語化システムの開発を行っているところに強みがあります。代表の林鷹治がよく話す例ですが、レストランで店主がアルバイトの人に「メニューの英語版作って」と指示することを想像してください。単に日本語の部分を英語に置き換えようとしても出来ない。パソコンで翻訳して、プリントアウトして、文字の配列が崩れたら直して、ラミネート加工をして、ようやく完成です。これら全部のプロセスが重要です。Webサイト開発もそれと一緒です。単純に文字を置き換えるだけなら Google翻訳で出来ます。それだと、ページが崩れたり、例えば特定の国の人がアクセスできなかったり、適切な翻訳がなされなかったりと、問題が残る。WOVNなら、そういった問題を解消するところまで作り込みができる。細かい問題が大規模のサイトになればなるほど結構致命的です。そこのソリューションをSaaS型で提供する。

大企業のWebサイトではこれまで、システムインテグレーターに依頼するか自社開発でやっていて、開発期間もかかりコストも大きい。出来上がりも満足できないかもしれない。WOVNなら、低イニシャル・コスト+固定額で、管理も簡単で、サービス面でのサポートもある。

おかげさまで順調に伸びていますが、まだまだプロダクトの改良・強化は必要です。また、今はWebサイトとアプリ中心ですが、インターネット上の情報は、メール、チャット、動画までいろいろなフォーマットがあります。将来的には、どんどん機能・範囲を広げていき、幅広いWeb上の情報を多言語化していくことを考えています。

実はWOVNのサービスは細かな技術が積み重ねられてできており、そのおかげでユーザーはコストも手間も少なく、大企業も利用するほど質の高いWebサイトを作る事ができる。同じようなサービスを提供できる競合はまだ出てきていない。

スタートアップではハードシングスを経験すると言われます。WOVNの事業ではどんなことがありましたか?

【藤原】我々は元々中小企業をメインターゲットにしていたのですが、2017年末に大企業向けにシフトして、そこから急成長しています。それがちょうど軌道に乗ってきたのが2019年度(2020年2月期)だったんですが、その直後にコロナがありました。それがハードシングスと言えばそうかもしれません。幸いダメージは直撃では無いのですが、お客様の企業内での意思決定プロセスがスローになったり、進んでいた商談が一旦リセットされたりして、大変ではありました、ただ、どこも多かれ少なかれ一緒かなと思います。

逆に、グローバルに展開している大企業では、コロナの中で積極的な動きもあります。日本の本社からのメッセージをグローバル拠点に伝えたいということで、イントラネットの多言語化をお手伝いすることが増えました。日本国内に在留外国人が多いので、インターネット・バンキングなど消費者向けWebサービスの多言語化も活発です。その他にもメーカーでは、製品マニュアルや従業員マニュアルのウェブ化・多言語化も増えています。

また近年どんどん重要性が増してきているESGの観点でも、企業の多言語環境を整備することでダイバーシティ、インクルージョンの促進を支援することができるという点で、多言語化サービスのニーズは高まっています。

様々な用途があることでコロナによる影響を最小限に抑えられている。このあたりもWOVNの強みの一つだ。

最後に、これからWOVNへの転職を検討する人たちに向けてメッセージをいただけますか?

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【藤原】自分がスタートアップに入って一番感じるのは、日々考えていることが違うということです。今頭を悩ませていることを半年前にはまったく考えていなかった。1、2カ月の間でも全然違うことで頭を悩ませて、意思決定をしている。その繰り返しをずっとしてきて、経験の幅が広がっているなと感じます。まだ1年ですが、とても濃い1年です。この色んな場面に直面して打席に立ち続ける経験というのは、何物にも代えがたい。

WOVNは、IPO前の段階の、これから大きく成長させていくフェーズの会社です。このタイミングでジョインして、IPO前後のところをキーメンバーとして一緒に中心になって作っていく経験というのは、なかなかできることではないと思います。将来的にはその人のキャリアが広がるはずです。
どういう人に入ってほしいかというと、もちろんスキルと経験はあるに越したことはないわけですが、やるべきこと、解決すべきことがいっぱいある中で、プロアクティブに、かつ、オーナーシップを持って、仕事をやっていこうというマインドセットのある人です。自分の部署では、上司・部下ではなく、皆が議論相手やパートナーとしてやっていけるような環境作りを心掛けています。お互いに学んでいけたら良いですね。

WOVNは、日本が遅れているグローバル化を推進する価値のある事業を行っている。
プロダクトの優位性があり、また、今後アフターコロナに向けて日本社会が大きな変革を迎えるであろう中、一層成長していく可能性が高い。
同社は様々なポジションを募集している。コンサルティングファームや投資銀行、会計士等のプロファーム出身者も歓迎である。ぜひ同社でスタートアップの成長を実感してみてはいかがだろうか。

プロフィール

写真:藤原 健 氏

藤原 健 氏
取締役 CFO

東京大学法学部卒業後、監査法人、M&Aアドバイザリーを経て、メリルリンチ日本証券投資銀行部門にてM&Aや資金調達業務に関与し、アジア系PEファンドのCITIC Capitalにてバイアウト投資・バリューアップに従事。公認会計士。2020年Wovn Technologies参画、取締役CFOに就任。

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