三井物産株式会社
基礎化学品本部事業開発部 投資推進第一室
福田 映美 氏
基礎化学品本部事業開発部 投資推進第一室
福田 映美 氏
前職のドイツ証券から三井物産へと転職した経緯について教えてください
【福田】前職の投資銀行に在籍した約3年の間には、本邦金融機関による海外金融機関のアセットマネジメント事業へのマイノリティー出資や、日本の小売大手による仏リテーラーのマレーシア事業買収といった、クロスボーダーのM&A案件に多く携わりました。高度な課題を次々に乗り越えていくことが求められる環境下での仕事に無我夢中でしたが、今でも非常に素晴らしい経験ができたと思っていますし、厳しい環境の中で社会人生活を始められたことを感謝しています。
やりがいのある充実した業務でしたが、三井物産への転職を考え始めたのは、実は前職時代に三井物産のエネルギー本部と仕事をしたことがきっかけでした。1年程続いたプロジェクト期間を通じて当社との仕事に携わっていく間に、「投資実行した案件の、その先のステージにもっと深く関わっていきたい」という思いが芽生えてきました。
投資銀行のアドバイザリー業務はクライアントが投資判断を行うまでで役目を終えるので、その先にある事業の創造・運営にまで関わっていきたいと思うようになりました。そういった気持ちが高まる中、三井物産がキャリア採用の人材募集をしているということでトライしてみようと決めました。
面接では、「もし入社したら、あなたのこれまでのバックグラウンドを踏まえて、化学品の事業投資案件全般を扱う事業開発部というところでまずは経験を積みながら、業界の知見を深めていくのがよいでしょう」というような具体的な助言まで頂き、面接時から入社後のキャリアパスをイメージすることができました。その後、縁あって入社も決まり、希望した基礎化学品本部に入ることができました。
化学品分野における事業投資業務が現在のご担当だと聞いていますが、
具体的にはどのような商品に携わり、どういう役割を担っているのでしょうか?
【福田】化学品というのは、石油化学製品から始まり、合成樹脂、農薬に至るまで、実に多種多様な業界・商品が対象となります。たとえば近年、世界的に注目を集めているシェールガス由来の化学品原料に関連する事業なども増えています。そして、私の所属する事業開発部では、これらの化学品関連事業への投資実行支援を行っています。
前職のようなアドバイザー的なポジションではなく、三井物産自身が主体者となって事業投資を実行していくというわけです。リスクやリターンを考慮しながら投資について分析を重ねていくような仕事は前職でも関わってきましたが、今は奥の深い化学品分野に自ら投資する立場で関わっていくわけですから、学ばなければいけないことは無数にあります。しかし、三井物産には長いスパンで人を育てていく文化が根づいていますので、私としても案件の数を重ねていきながら成長していきたいと考えています。
海外へ赴くことも多いのでしょうか?
入社時に希望していた途上国などにも行く機会はありますか?
【福田】事業の案件の当事者として、発展途上国はもちろんのこと、世界中のパートナー企業や売主・買主との交渉、現地でのデューデリジェンス等で海外にいく機会は非常に多いと思います。私自身も入社した翌月には早速、担当案件の交渉のためインドネシアへ出張しました。
投資を終えた後の展開にも携わりたい、という希望についてはどうでしょうか?
【福田】現在の仕事は、まさに投資の当事者として事業投資案件を実現していくことです。そういう意味では前職で経験できなかったことを実現できていると言えます。それでも、将来的にはもっとダイレクトに「ビジネスを創っていく」フィールドに関わり、そこで貢献していけるような存在になりたいと思っています。そのためにも、まずは今の役割の中で自身を高めていくことに集中しています。
福田さんが肌で感じている「三井物産の特徴」というようなものがあれば、教えてください
【福田】先ほども少し触れましたが、個人の成長について、長いスパンで考える文化が定着しているように感じます。たとえば私の所属している事業開発部という部署は、投資業務の経験を積み、成長した社員が今度は営業部門に移って、その成果を発揮していく、というようなキャリアパターンを想定しています。
一人ひとりの社員が先々の可能性の広がりも含めて考え、成長していくことができますし、携わっている事業の裾野がとても広いので、キャリアを考えていく上での選択肢も本当に幅広くて豊かです。時間軸の面でもサステイナブルであることをベースにして考えていくのが当たり前になっています。そういう懐の深さというか、人材への投資を惜しまない思想が根付いているように思います。
もう一つ、間違いなく三井物産の特徴だと感じているのが「熱意」です。会議などで激論を交わすことは前職でもありましたが、大部分はテクニカルな事柄をロジカルに議論していくような雰囲気でした。当社でも当然そういう場面はありますが、テクニカルな事柄だけではなくもっと根源的で抽象的な事業の「意義」や「意味」をめぐって「想い」をぶつけあうような激論になります。
しかも、入社して間もない私にも意見を求めてくれるのです。「どう思う?」と当たり前のように聞かれ、はじめのうちは戸惑ったりもしました。若手の間は作業をしながら覚えればいい、というような発想はなくて、皆で考えよう、思いの丈をぶつけ合おうという熱さが当社の特徴だと思いますし、私自身もそれを嬉しく感じています。
女性が働く環境としてはどうでしょうか?
また、中途入社したかたたちにとっての環境についても教えてください。
【福田】女性が働く上で、頼りになるような制度はしっかり行き渡っています。例えば出産後に復職して、再び活躍されている女性も数多くいらっしゃいますし、性別に関わらず、皆が気持ちよく働く、という当たり前のことが当たり前になっています。
ワーク・ライフ・バランスについては、担当する仕事や案件によって変化しますし、忙しい時期にはハードワークが続くケースもありますが、原則として個々の意識次第できちんとバランスをとっていけると思います。
中途入社についてのご質問は、おそらく新卒入社組と違って社内ネットワーク作りに苦労したりするのではないか、という視点からかと思いますが、心配ご無用です。日々の仕事を通じても社内人脈を構築することができますし、社内に蓄積した知見を共有してもらうべく、面識のない部署に突然連絡しても、皆さん親切に受け入れてくれますので、人の結び付きについては何も心配はないと考えます。
福田さんの考える「三井物産で活躍する人、成長する人」とは、どういう人でしょう?
【福田】『Make a Difference=社会に良い影響をもたらす』ということを心底志している人が当社では活躍していけると思います。
実はこの言葉は、私が大学院を卒業する時に学長が卒業生に投げかけた言葉です。当時、学生から社会人となるにあたり、学長からの訓示に感銘を受けたものの、あまりにも壮大なテーマであり、前職では目の前の仕事についていくことで必死になっているうちに、自身の仕事と特段に結び付けて考える機会もなく、毎日仕事をしていました。それが三井物産へ来て1年ほど経った今、改めてこの言葉を実感しました。
私を含めごく普通の一般人には、なかなか社会に影響をもたらすといっても、何か目に見えて社会にインパクトを与えると呼べる仕事をしていくのは、難しいかもしれません。しかし当社で仕事をするにあたり、最近強く思うのは、我々は一企業の社員にすぎないけれども、強い志があれば、三井物産の財産である人・ネットワーク・資金力を後ろ盾に、恵まれた環境を存分に活かしていける ― 当社が世界各地で行っている事業の一端を担うことで、『Make a Difference』と呼べる仕事ができるのではないだろうか、ということです。
社会に良い影響を与えるというと少し大げさに感じますが、そう感じさせてくれるほど、懐のある会社だと思うことが多々あります。ですから、三井物産という力強い基盤を後ろ盾にして、社会に意義を生み出す仕事を志す人が存分に活躍できる場だと考えます。
プロフィール
福田 映美 氏
基礎化学品本部事業開発部 投資推進第一室
慶應義塾大学経済学部を卒業後、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の大学院にて国際関係学を専攻。修了後、ドイツ銀行グループのドイツ証券へ入社。投資銀行統括本部に所属し、主にM&Aアドバイザリーや資金調達業務に携わる。そして2013年2月、三井物産へ転職。現在は化学品セグメントが推進する事業投資案件の案件形成、実行支援を担当。
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