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画像:合同会社 西友

注目企業インタビュー

合同会社 西友

最初にウォルマートが資本参入をしてから10年の月日が経過。子会社としてリスタートした西友は2009年度、2010年度ともに好業績を上げ、小売業界に新しい風をもたらしている。

「売上高世界一」であるウォルマートは、ともすればその規模にのみ目が行きがちだが、独自の価値観と戦略の徹底追求で、今なお成長意欲をたぎらせる企業グループ。そんなグループの中でも、日本の西友には熱い視線が集まっているのだという。

消費冷え込みの日本市場にくさびを打った同社は、次にどんなイノベーションを起こすのか?そこで活躍していく人材とは、どのような資質を求められるのか?新たな改革実現のため来日し就任したシニア・バイス・プレジデントのジョン・ウェリング氏と、人財面を一任されているバイス・プレジデントの潮﨑友紀子氏の二人に語ってもらった。

グローバルの圧倒的バックアップを得ながら、ローカルのお客様と向き合っていける喜び。それはここにしかない

お二人ともグローバル企業で活躍をされた経歴の持ち主ですが、なぜウォルマートへの転職を決意したのか教えてください。

【潮﨑】私は米国、日本GEでプラスチックス、生命保険、ヘルスケア、金融分野などの人事業務を10年経験。その後、日本マイクロソフトに入社して約4年間、アジアの人事担当者として、コンシューマー&オンラインビジネスに関わってきました。2つの企業に共通する魅力は、なんといってもグローバルな一貫性でした。非常に高度な学びも得ましたし、満足感をもって仕事と向き合っていたのですが、その一方で個々の事業分野や、グローバルな環境ではあっても、ローカルの各々の市場では苦戦している状況とその背景が気にかかるようになっていきました。

グローバルな視点で複合的事業を展開し、大きな目標を追求する以上、こうした状況が発生する可能性について理解はしていましたが、次第にローカルでダイナミックな役割を演じることに関心が高まっていきました。そして、このような発想でビジネスの世界を見た結果、小売業に魅力を覚えました。エンドユーザーであるコンシューマーがすぐそばにいる独自の産業ですから。

その中でもウォルマートへの転職を決意したポイントは、グローバルな実績で「売上高世界最大」という成果を上げ続けている点、そして面接の時にお会いしたサム・ダン氏(当時、CAO<最高管理責任者>)が素晴らしい人格者だった点です。少し話しただけで誰とでも良い関係を築いてしまいそうといいますか、人の琴線に触れる魅力の持ち主だったのです。

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【ウェリング】私は米国アクセンチュアで大手小売業のコンサルティングを担当する中、主要クライアントの1つとしてウォルマートと出会いました。当初からその印象はイノベーティブでエネルギッシュ。プロフェッショナルなビジネスマンとして自分が求めているもののすべてがここにはあると気づくまで、そんなに時間はかかりませんでした。

自分の活動が次々に結果につながっていく点や、常に新しい局面・新しい企業と出会える点など、コンサルタントならではのやりがいも感じていましたが、反面コンサルタントの立場では良いと思う提案をしても、「クライアントが実行してくれたことをいつも見届けられるわけではなく、自分のアイデアが実行される、実際のビジネスに結び付くという喜びはなかなか得られませんでした。見てきたいくつもの企業の中でも、特にビジネスを自由にドライブできるリソースと環境のあるウォルマートに魅力を感じました。ワークライフバランスを重視している価値観にも惹かれましたね。コンサルタント時代は、バランスなんてとれませんでしたから。

転職を意識するようになってから、あるいは入社をしてから感じたウォルマートの特徴とは何でしょう?

【潮﨑】私が面接で感じた人格の素晴らしさというものが個人のものという以上に、組織のカルチャーとしてすべての人に浸透していたことがわかり驚きました。我々はこれをサーバント・リーダーシップと呼んでいるのですが、これは創始者のサム・ウォルトンのお客様に尽くす、アソシエイト(西友では社員のほかパートタイマーやアルバイトも含めた従業員を、敬意をこめてこう呼ぶ)の皆さんに尽くすというシンプルではあっても、非常に深いコンセプトからきています。その大本がディスカウント・リテーラーとしての経営理念だったことを知ったときには驚きました。

【ウェリング】ウォルマートには経営の基本となる「すべての人を尊重する」「お客様のために尽くす」「常に最高をめざす」で構成される「3つの信条」というものがありますが、私も「その3つの信条」が、本当に徹底して浸透している事実を知ったときには驚きましたし、感動さえしました。「すべての人を尊重する」とか「お客さまのために尽くす」といった内容は、言葉で表現するだけなら珍しくないかもしれません。しかし、これほど大きな企業グループのメンバー皆に定着しているんです。

【潮﨑】ミッションとして提示している「Saving people money so they can live better」(お客様に低価格で、価値あるお買物の機会を提供し、より豊かな生活に寄与することを目指す)は、創始者であるサム・ウォルトンの言葉なのですが、3月の震災で私たちはこの言葉の意味の重さを実感もしました。

3つの信条
【1】 すべての人を尊重する
【2】 お客さまのために尽くす
【3】 常に最高を目指す

「3つの信条」が示す独自の企業カルチャー。その浸透度が他社との違い

震災の5日後には約5億円を寄付。いくつかの拠点で店舗販売を維持しながら、17日後には仙台地区の12店舗で通常営業を本格的に再開したそうですね?

【ウェリング】宮城・福島の被災地には、24の西友店舗と惣菜工場、配送センター、約2,000名のアソシエイトがいますが、彼らだけでなく、被災した多くの皆さんのため、一刻も早く必要なモノをお届けする態勢を整える。これも「can live better」の精神です。

【潮﨑】カナダ産ミネラルウォーターや電池の緊急輸入もその一環でした。先ほどもお話したように、小売業の魅力は普通の皆さんの普通の生活にダイレクトにリレートしていける部分。入社するときには「自分の生活者としての経験も活かせる」という考えだったりしたのですが、なにより今回学んだのは第2のライフラインを預かっているようなビジネスなんだ」ということです。

500mlの安全な水を、ケースで買えば1本40円を切る価格で提供できる。電力供給への不安が広がる中、電池を格安で提供できる。お客様にとって価値があるのは商品そのものですが、これら商品を確実に集め、運び、低価格でお手元に届けることができたなら、「お客さまのために尽くしていける」という、喜びをいただくことができる。間接的な存在とはいえ、お役に立つことができる。そんな、特別な喜びをこのビジネスは与えてくれます。

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【ウェリング】例えば東京と仙台、米国でいえばニューヨークとアーカンソーとでは、環境も違いますし、「今お客さまが必要だと感じているモノ」も違います。けれども、ウォルマートは、それでも必ず「モノと人とをつなぐ」ことをミッションにしているわけです。それがプロとしての義務だと提示していますし、実行しています。そこに誇りを感じますね。

共有している理念、姿勢という意味では、グローバル共通の経営戦略「EDLP」(エブリデーロープライス)が有名ですね。

【潮﨑】日本の西友だけでも3万7千人のアソシエイトがいます。この大部隊が一糸乱れず活動をしていくには、共通のカルチャーが不可欠ですし、共通の理念に基づいた戦略も必要です。ましてやそれを世界中で実現できているのがウォルマートの強みにつながっていると思います。戦略の共有については3つの形に分かれます。1つはローカルのホームオフィスがその国のマーケットをリードしていく形、2つめは米国本社がリードしていく形、3つめが本社のバックアップを受けながら、戦略の実行をローカルがコミットしていく形。

西友は3つめの形です。日本のお客さまを熟知している現場メンバーが日本に合うやり方で現場を動かし、本社は必要な資金やリソースを提供した上で、かつ本社としてビジネスの指針をしっかり示しながら達成していくわけです。

【ウェリング】コンサルティングをしていた私がウォルマートを面白いと思った点の1つは、この部分にありました。徹底的に低価格実現を押し進めるEDLPは世界共通の戦略ですが、その実現の仕方は例えばチームUSとチームUK、あるいはチームIndiaでそれぞれに異なります。チームJapanである西友はこの2年間で、日本独自のEDLP実現のための戦略として「KY」(カカクヤスク)を全面に打ち出し、大きな成果を上げましたが、その実行の背景で各国の実績やノウハウを存分に参考にし、活用できたのです。ローカルを尊重しながらグローバルで蓄積してきたノウハウやリソースを活用できる体制を持っている。これは他にはないストロング・ポイントです。

西友は「KY」戦略による低価格路線や、ワインなどのヒット商品によって2年続けて好業績を獲得しましたね。2011年からは、さらに価格の安さをアピールする「バスプラ」キャンペーン(「バスプラ」は、1回の買い物総額を指す「バスケット・プライス」の略。あらゆる商品カテゴリーでロープライスを実現している点をアピールしている)などの展開で、消費者にインパクトを与え続けていますね。

【潮﨑】例えば、今日私が着ている服はチームUK、つまりウォルマートグループの英国プレーヤーであるアズダプライベートブランド「George ジョージ」です。低価格で良質な衣料を提供するべく生まれた「George ジョージ」を日本にも展開し、成功を目指そうとしています。アズダの成功事例の導入としては、ワインの「エクストラ・スペシャル」シリーズがすでに日本でも売上を伸ばしていますし、今後ネットスーパーに注力していく西友では、やはり各国で成功してきたノウハウを十二分に活用していく構えです。日本のお客様にアピールする戦術を私たちが実現しようというとき、そこにはグローバルな成功ノウハウが多様に活用されているのです。

【ウェリング】私が日本に来たことも、一連の戦略とリンクするのだと自覚しています。ウォルマートのカルチャーや価値観、戦略を米国で感じ取ってきた私がここに来たことを、西友のメンバーにはある種の見本だと思って、うまく利用してほしいのです。そして同時に、私は日本の西友で経験したことを世界に発信し、ウォルマート全体としての躍進の材料を提供するミッションも背負っています。自分を通じて、ウォルマートと西友が相互に発信し合い、結束を強めていけるように奮闘しなければいけないと思っているところです。

プロフィール

写真:ジョン ウェリング 氏

ジョン ウェリング 氏
執行役員シニア・バイス・プレジデント サプライチェーン・マネジメント本部/情報システム本部

ブラッドリー大学生産工学部卒。シカゴ大学経営学大学院においてサプライチェーンおよびシックスシグマ等について理解を深め、MBAを取得後、米国アクセンチュアに入社。ウォルマートを始めとする米国の大手小売業のコンサルティングを担当後、2006年にウォルマートへ補充担当のバイス・プレジデントとして入社。2011年4月に日本へ着任し、現在では執行役員SVPとしてサプライチェーン・マネジメント本部および情報システム本部を統括しており小売関連ビジネスに関して、非常に幅広い知見と経験を持っている。

写真:潮﨑 有紀子 氏

潮﨑 有紀子 氏
執行役員シニア・バイス・プレジデント 人財部担当

コーネル大学ジョンソン経営大学院School of Industrial Labor Relations(MPS)/Asian Studies(MA)卒。米国のGEに入社後、米国および日本にてプラスチックス、生命保険、ヘルスケア、金融分野等における様々な人事業務を中心に経験、その後、日本マイクロソフトに入社。同社ではアジアの人事として、コンシューマー&オンラインビジネスを約4年に渡り、リードする。ウォルマートには2010年5月に人財部のバイス・プレジデントとして入社し 現在に至る。

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