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画像:小出 斉 氏

プロ経営者インタビュー

小出 斉 氏

2000年の創業以来、日本における電子書籍配信サービスのパイオニアとして成長を続けているのがイーブックイニシアティブジャパン。
累計3,800万冊以上を販売した実績面のみならず、2007年に電子書籍データのクラウドサービス「トランクルーム」をいち早くスタートさせるなど、イノベーションの面でも国内外の業界をリードしてきた。
2010年に同社の2代目社長に就任した小出斉氏は、自社の東証一部上場などを果たし、さらなる成長を目指すばかりでなく、電子書籍業界全体の成長に貢献し、書籍・マンガなど出版文化の新しい未来を追求しようとしている。
では、プロ経営者のあり方についてはどのような信念や考えを持っているのだろうか?

小出 斉 氏
株式会社イーブックイニシアティブジャパン
代表取締役社長
http://corp.ebookjapan.jp/

1969年、東京都生まれ。東京大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格し、パートタイムながら会計士としての仕事に携わった。東大卒業後は新卒で三菱重工業に入社。営業職として船舶用エンジンや石油化学プラントの受注などに従事した後、カリフォルニア大学バークレー校へ留学。在学中に退職を決意し、最終的には私費でMBAを取得。帰国後はA.T.カーニーの東京オフィスに入社。経営効率化案件などを手がけた後、2004年にボストン コンサルティング グループへ転じ、多様な業種の経営改革案件に携わった。そして2009年、副社長としてイーブックイニシアティブジャパンに入社。2010年には創業社長・鈴木雄介氏(現取締役会長)の後を継ぐ形で社長に就任した。日本における電子書籍市場の確立へ向け、リーディングカンパニーとして業界を牽引するとともに、2011年にはマザーズへ、2013年には東証一部への上場を果たしている。

[1]自己紹介をお願いします。

私は、大学に入る頃には経営というものに対して魅力を感じるようになっていました。そうした背景もあって、公認会計士試験を受け、資格取得後は会計士として仕事をするようにもなったんです。おかげで実在する会社のリアルな数字と向き合うことができ、学校での勉強では得られない多くのことを学ぶことができました。

ただし、当時の私が思い至ったのは「会計とは、経営という行動の結果を扱う仕事だ」という認識です。こうなると、「結果であるところの数字」と向き合うのではなく、「数字を作っていく行動、つまり経営そのもの」に携わりたい気持ちが膨らんでいきます。

あのまま会計士として生きていく道もあったでしょうけれど、俄然、就職について積極的になったのです。もちろん目的は、実体験を通じて経営について学ぶこと。その視点で、入社したい企業を考えていき、モノ作りの会社が自分にとって相応しいと思うようになったのです。

入社したのは三菱重工業(以下、三菱重工)でした。おおかたのイメージでは、「いわゆる大企業」という印象が強いと思いますが、この会社の製品群は、市場構造や競合状況などがいちいち異なっているため、一人ひとりの社員が主体性を持って事業の全体像を見渡しながら仕事をしていける環境がありました。「大企業ゆえに社員はパーツの1つでしかない」という性質ではなかったところに魅力を感じたんです。

入社後の最初の3年間は受注した船舶用エンジンを納入まで顧客の要望と社内の業務を調整する職務。次の3年間は石油化学プラントの受注獲得のために動く職務を担いました。自分が望んでいた通りの姿勢で働き、様々なことを学ぶことができて、大いに満足はしていたのですが、社会人となって6〜7年も経過すれば、次のステップに進みたくなります。

当時、石油化学プラントの仕事でサウジアラビアに駐在していた私は、ビジネススクールで経営のことを学ぶ道を選択し、その希望が通って、カリフォルニア大学のバークレー校へ留学することになりました。

しかし、留学して間もなく、私は会社に退職願を提出しました。「社費留学制度を活用してMBAを取得し、その後、自分の力を試してみたくて転職する」というパターンならばよくあると思うのですが、そうはしたくなかったんです。

「三菱重工で経営の仕事に就くチャンスはごく限られているし、自分がそのチャンスを得られるか否か、わかるのは数十年先になる」という気持ちに突き動かされての退職希望でしたが、実に多様な経験をさせてくれた会社に恩を感じて迷ってもいました。プライベートでは、今の妻に求婚し、承諾を得るため必死に口説き続けているという忙しさもありました(笑)。

人生の転機といえるいくつもの大きな変化が、束になって襲いかかってきたような、そういう時期に、私が出した結論は「馬鹿正直かもしれないけれど、いずれ辞めるつもりの会社のお金で学校に通い続けるわけにはいかない」でした。いったん帰国して方々に頭を下げながら退職手続を終えると、再び渡米してバークレー校でMBAを取得したんです。

次の就職先にコンサルティングファームを選んだのも、ある意味、学びの延長線という捉え方からでした。2003年当時のA.T.カーニーの東京オフィスでは、時代背景もあって経営効率化案件の連続でした。コストカットを通じて経営を身軽にし、次なる成長に備えるアプローチ。これを幾度か経験した後は、さらなる学びを求めてボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)に入り、製薬企業、消費財企業、ネットビジネス企業、電機メーカーなどなどの経営変革プロジェクトに参画していきました。

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どちらのファームでも、実に多くの収穫を得ましたが、やはり私にとっては学びの場であり、修行の場。このままずっとコンサルタントとして腕を磨いていくのではなく、再び事業会社に入って、自ら経営の仕事に携わりたいと思っていました。

すでに30代後半に突入していた私としては、BCGでの修行と並行しながら、次のステップを考えた転職活動も開始していたんです。ただし「必ず社長になりたい」という意味合いの願望ではありませんでした。

自分自身の能力を考えてみても、いきなり経営者になれるような気はしませんでしたし、そもそも興味があったのは「自分の手で会社の経営に直接タッチしていくこと」ですから、たとえば「事業部長」というような肩書きでいいから、思う存分に腕をふるいながら、新たな学びを得ていきたいと思っていたんです。そして、そういう姿勢で転職活動をしていった結果めぐりあった会社の1つがイーブックイニシアティブジャパン(以下、イーブック)でした。

転職のために動き始めた当初、私は自分の経歴も考えた上で「やはりモノ作りの会社に一番可能性があるだろう」と捉え、ヘッドハンターにもそうした意向を伝えていたのですが、「いわゆるモノ作り企業ではないけれども魅力的な会社がある」と紹介されたのがイーブック。実を言えば、かつての私は秋葉原に通い詰めるような電脳工作少年でしたし、コンサルティング会社でもインターネット関連の仕事には大いに気合いが入っている自分を認識していました。

そこで「会ってみるだけ会ってみて、それから考えよう」くらいの気持ちで、前社長であり創業者である鈴木(雄介氏。現取締役会長)と対面しました。結果、理屈抜きで楽しい時間を過ごしました。事業にかける情熱の強烈さや、様々な物事に対する認識や価値観、経営に対する考え方などなどに共感していくと、鈴木も私を気に入ってくれて、入社することが決まりました。

入社時の肩書きは副社長です。当然のことながら「次期社長」の可能性もあり得る地位です。しかし、それもこれも私が期待を超えるほどのパフォーマンスを示せたら、の話でしかないことは理解していました。もともと社長というポストに強い執着を持っていませんでしたし、当時のイーブックは急成長のただ中にあり、株式上場を目指して多忙を極めていました。

電子書籍というまったく新しいビジネス市場において、開拓者としての責務を当時から担っていたのがイーブックですから、単に忙しいだけでなく、一つひとつの仕事に手応えとやりがいを感じることができました。そうして気づいてみると、実績が認められて鈴木から社長のバトンを譲り受けることとなり、今に至っています。

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