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画像:栗原 一博 氏

プロ経営者インタビュー

栗原 一博 氏

自動車、鉄鋼、電力、航空機……等々の重工プラント領域では多種多様な機器・設備が日々稼働している。そこでの品質保証で必要不可欠となっているのが非破壊検査及び印字・マーキングだ。
マークテックは、この非破壊検査やマーキング・印字での装置/消耗品製造で国内最大手。トヨタ、新日鉄住金等の超一流企業がこぞって同社の製品を長年使用。国内最大シェア(4割)を有する。そのマークテックに2010年、営業・マーケティング担当の取締役として入社、2014年には30年ぶりに新社長に就任したのが栗原一博氏だ。
住友商事やアストラゼネカPLCなど、異業種でキャリアを形成してきた栗原氏は専門性の際立つマークテックで、いかなる経営手腕をふるっているのだろう?そして、どのような発想・理念をもって経営者としての仕事を進めているのだろうか?
いつもの20の質問を通じて語ってもらった。

栗原 一博 氏
マークテック株式会社
代表取締役社長
http://www.marktec.co.jp/

1967年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部を卒業後、住友商事に入社。約10年間の在籍期間中、一貫してパイプ事業に軸足を置きながら欧米、中国、ロシアなど、世界各国で活躍。住友商事傘下の海外事業会社では経営者としての仕事も経験した。その後、退職と同時に米国ペンシルベニア大学ウォートン校へ入学し、2002年にMBAを取得。グローバル・ヘルスケア企業であるアストラゼネカPLCの英国本社に入社した。その後、同社ジャパン・オフィスへと移り、セールスおよびマーケティング領域で腕をふるっていたが、縁あって国内ファンド企業キャス・キャピタルと出会い、同社を通じてプロ経営者となる道を選択。2008年、最初の派遣先であるエグゼクティブ向け教育事業のフェニックスアソシエイツでは取締役副社長に就任。同社のイグジット成功にも立ち会った後、マークテックの経営に参画。TOB成立直後の2010年8月、正式に営業・マーケティング担当役員として入社。2014年、前社長より経営のバトンを直接引き継ぐ形で社長に就任した。

※現在は退任され(株)361°/代表に就任されています。

[1]自己紹介をお願いします

後々の質問への回答で詳しくお話をしますが、大学を卒業する頃の私は、とにかく世界を股に掛けて活躍する商人に憧れておりました。所謂「グローバル商人(あきんど)」でしょうか。世界を股にかけて自分を成長させるには、総合商社は最適な場だと考え、住友商事への就職を決めました。嬉しいことに、多様な事業を展開する住友商事の中でも、特に輝かしい実績、陣容を築いているパイプ(鋼管)を扱う事業部門に早くから配属され、ロシア・東欧・中国担当を皮切りに、世界各地でパイプのセールスおよびマーケティングの仕事を経験することができました。

「グローバル商人」という言葉の意味には、商売人=「経営者」という意味合いも含まれています。商店主であった父より「商いによりお客様を幸せに出来、幸せに出来るからこそ経営が成り立つ」ことの大変さや醍醐味を学び、自らも商う事で経営を実践してみたいと思う様になりました。

それもあって、商社入社後、色々な国でのセールスやマーケティングの仕事だけでなく、より高次な視点で経営する仕事にあこがれていきました。住友商事では本当に成長の機会に恵まれ、在籍期間の終わりのほうでは、海外法人子会社にて、外国人に囲まれて経営のナンバー2として経営経験を積むことができました。

しかし現場での経験が進むにつれ、正しい経営にはしかるべき経営セオリーに対する理解が不可欠と感じ始めました。そこで、ビジネススクールへの入学を志願したのですが、当時の社内事情により社費留学は断念し、会社を辞めて私費で留学することを決断しました。そして、ペンシルベニア大学ウォートン校(以下、ウォートン)に入学しました。

世界各国から来た優秀な学生達との競争に明け暮れた2年間の学びは厳しいながらも私を大いに成長させてくれました。
卒業にあたり私は3つの選択肢を検討しました。1つ目は自ら起業すること、2つ目は戦略コンサルタントとなり、経営者の片腕となること、3つ目はグローバール・カンパニー等で経営戦略を担当し、将来的に海外子会社を経営する道です。ずっと憧れていた「経営の仕事」を、今度こそ自分の力で引き寄せられるチャンスでしたのでやるならば自分のフンドシで相撲を取ることを望みました。

自ら起業するチャンスには恵まれず、縁あって3つ目の選択肢であった英国企業のアストラゼネカPLC本社(以下、アストラゼネカ)に入社したのです。First trackというグローバル幹部候補生のプログラムがあり、ゆくゆくアジアなり世界のどこかで、カントリー・マネージャーになる事がイメージされていることが魅力でした。

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入社早々から、私はこの会社の生産性向上プログラムを欧州各地に広めていくプロジェクトにアサインされましたが、1年たったところで、日本にいる父が病に倒れたことより、急遽日本に戻る事が余儀なくされました。当時の本社幹部の粋な計らいでアストラゼネカのジャパン・オフィスへと一時的に移る事にしました。

以来、国内でマーケティング関連の戦略実行等を担う立場に就き、そこで落ち着いたような形になっていきました。なかなか日本から抜けられない日々を過ごすうち、規模が小さくとも直接経営そのものを引き受ける仕事がしたい、そう思う様になりました。

当時、投資先企業で経営陣となってくれる人材を探していたキャス・キャピタルと出会い、強い会社を創りたいという思いに共感し、自らの経営者としての手腕を試してみたいと強く思いました。ファンド会社は色々ありますが、その特色は大きく異なります。

キャス・キャピタル投資指針である『しっかりした事業基盤を持ち、成長余地の大きい「ダイヤの原石」企業を見つけ投資し、経営陣を派遣しハンズオンにて企業成長を加速させていく」というこだわりに共感出来たのも参画した理由です。

2008年にキャス・キャピタルの一員となり、同時にフェニックスアソシエイツの副社長、EVP兼COOという立場に就きました。フェニックスアソシエイツは、マッキンゼー、ゴールドマンサックスをはじめとする外資、内資一流企業の幹部、幹部候補生を中心に、語学やコミュニケーションスキルを提供する教育会社です。従業員数は100名程度でしたが、優秀な講師陣と独自開発の高品質プログラムによって高く評価されるようになりました。

リーマンショックで大きく経済が凹む中で、社長と共に実質的に経営のすべてを任せてもらい、得難い経験をたくさんしました。最終的にこの会社を大きく成長させることが出来、ベルリッツに譲渡される格好でイグジットに成功したのですが、「イグジット後も是非残って経営の仕事をしてほしい」と言われた際にはやや困りました。過分なお言葉を頂けた事に大いに感謝しながら、キャス・キャピタルへ戻るまでのしばらくの間、同社で経営の仕事を継続していました。

一方、時を同じくしてキャス・キャピタルで進行していたのがマークテックへの投資案件でした。ある時期を境にして私はこちらのビジネス・デューデリジェンス等に関わり始め、当時のマークテックのオーナー社長とも、経営について話し合うようになりました。

そして2010年7月にTOBが成立すると、翌8月に私はマークテックに入社し、全世界の営業・マーケティング領域を統括する取締役に就任しました。マークテックは非破壊検査、印字マーキング領域では、日本TOPシェアを有していましたが、MBOの趣旨でもある「グローバル化の加速による企業成長」を目指して、全精力を傾けて取り組むことになりました。

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