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画像:加藤 智治 氏

プロ経営者インタビュー

加藤 智治 氏

競争の激しい外食産業において、特に熾烈な戦いが繰り広げられる回転寿司業界。
その中で売上高日本一の座を奪い獲り、今なお飛躍を目指して成長中なのが「あきんどスシロー」だ。
味とクオリティへのこだわりで知られていた同社は、00年代に資本政策などで難しい時期を迎えたことがある。
この時、ファンド派遣の経営陣として参入したのが加藤智治氏。
寿司職人からのたたき上げで、あきんどスシローを牽引してきた豊﨑賢一社長とマッキンゼー出身の加藤氏という、ハイコントラストなタッグによる経営ぶりは『カンブリア宮殿』『ガイアの夜明け』といったテレビの経済番組でもしばしば取り上げられてきた。
ロジックだけでは勝利できない外食産業に、あえて挑んだ加藤氏の想いとは?
20の質問への回答を通じて、その本音と情熱を聞かせてくれた。

加藤 智治 氏
株式会社あきんどスシロー  取締役COO 専務執行役員 営業本部長
http://www.akindo-sushiro.co.jp

1974年生まれ。東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻修了後、ドイツ銀行グループのドイチェ証券を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。ターン・アラウンド系案件を中心に多様なプロジェクトに関わり、当時の最短記録でEM(エンゲージメント・マネージャー)に昇格した。その後、フィールズにて社長室長等を務めた後、2007年に投資ファンドのユニゾン・キャピタルへ。入社と同時にあきんどスシローを担当して出向、社長室長に就任した。翌2008年にはユニゾン・キャピタルを退職してあきんどスシローへ正式入社。専務取締役企画本部長として同社の回転ずし業界売上高日本一獲得などに貢献。変革が第2の創業第2フェイズへと移行した2012年より、現在のCOOおよび営業本部長となり、さらなる収益力強化を進めている。

※現在は退任されています。

[1]自己紹介をお願いします。

「日本の大企業に入っても、緩やかな成長しか実現できない。それならば外資系企業へ行って自分を急成長させよう」。

私がドイチェ証券への入社を決めた理由はこの一点です。在籍したのはわずか1年でしたが、その間に2つのことに気づきました。1つは、日本の経済やビジネスがまったくもってインデペンデントではないということ。とりわけ金融の世界における日本のプレゼンスは非常に低かった。自分の中に急速に愛国心が膨らみました。「なんとかして日本に貢献したい」と考えるようになったんです。

もう1つ気づいたのは、世の中にはカネの経済とモノの経済があるということ。そして、ドイチェ証券で経験したカネの経済よりも、自分はモノの経済に強く惹かれているということ。「モノを通じた事業を担い、いずれは経営者となって日本に貢献できるようになろう」と心に決め、転職へと動いたわけです。

もちろん当時の自分の非力さは理解していました。学校を出て、証券マンを1年間経験しただけの私がいきなり大きなことを成し遂げられるわけがない。厳しい道場へ行って自らを鍛え上げなければいけない。そう考え、マッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)に第2新卒枠で入社したんです。

コンサルタントとしての仕事には早くから大きなやりがいを感じました。当時パートナーだった小森哲郎さんからも大いに刺激と影響を受けました。数々のプロジェクトを担当する内に、ターン・アラウンド系の案件に強い思い入れを抱くようにもなって、これを中心に任せてもらうようになっていきました。

ほんの数ヵ月でデータを分析し、問題抽出と解決提案をしていくようなコンサルティングよりも、半年であったり1年以上であったり、じっくりと現場に腰を据え、そこで行われている会社経営のダイナミズムを肌で感じ取りながら経営の建て直しにお客様とともに挑んでいく。そんなアプローチにこそ真実があると感じたのです。

無我夢中で突っ走る内に3年数ヵ月ほどでEM(マッキンゼーではパートナーの1つ手前のタイトル)に昇格もしましたが、その頃には「支援する側ではなく、実行者として自分が経営に携わってみたい」という気持ちが強くなっていました。フィールズへの転職話もそのタイミングでいただいたものでした。

フィールズはご存じのかたも多いと思いますが、パチンコなどの遊戯機器の提供や遊技場関連の企画開発をメインとする企業。私が転職した00年代初頭にはスポーツジムのトータル・ワークアウトを手がける一方、当時大人気だった総合格闘技などにも関わっていました。

マッキンゼーでの経験を通じて、私は小売・外食、教育、スポーツ&エンターテインメントの3領域に強い関心を抱くようになっていましたから、フィールズにはすぐに魅力を感じました。もちろん、どんな会社に入ろうと「マッキンゼーだか何だか知らないが、28歳の若造に何ができる?」という風に見られることは覚悟していたのですが、フィールズの会長に気に入っていただくことができ、入社を決めたんです。

社長室長の肩書きをいただき、スポーツ・マネージメント系のベンチャー子会社2社の実務も任せてもらいましたから、高いモチベーションで挑んでいきましたが、実際には挫折や失敗の連続の中で苦闘した、というのが本当のところです。覚悟をしていたとはいえ、例えるならば日経新聞やニューヨークタイムズにいた人間が日刊スポーツやデイリースポーツに転職したようなものです。価値観やカルチャーはまるで違いますし、出会う人たちもまったく違うタイプ。しかし、この経験こそ私にとっては宝物になっていったんです。

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会長からは常に薫陶を受けました。スポーツ・ビジネス界の超大物のかたの会社との統合もあって、このかたからも大いに影響を受けました。それぞれの世界で頂点を極めた人たちが備えている豪快なパワーや、醸し出す緊張感の中で、コンサルティングファームやビジネススクールでは絶対に学べない生身の経営術というものを身体で覚えることができたのです。

こうしてマッキンゼーで4年、フィールズでも4年という月日を過ごし、それぞれ質は違えども、得難い学びを獲得しました。私にとってはどちらも最高の道場でした。フィールズではこのままずっとスポーツ・ビジネスに携わりたいという気持ちも強かったのですが、1つの魅力的なお話しが気持ちを揺さぶりました。あきんどスシロー(以下、スシロー)の経営に関わることができる、という話です。私のプロフィール上の肩書きとしては、この後、ファンド企業のユニゾン・キャピタル(以下、ユニゾン)の一員になるわけですけれども、「そもそもスシローの話ありき」で私はユニゾンに入ったのです。

外食産業は先に申し上げた通り、私が強く惹かれていた3業種の1つです。しかも、社会に出てすぐ日本への愛国心に目覚めた私にとって、寿司は特別な存在。日本という国を表現する代名詞の1つ、とりわけ回転寿司という業態は国内のみならず、グローバルな成長産業でもある。ユニゾンがこの回転寿司業界のビッグ3であるスシローに投資することになり、経営陣の派遣を検討していると聞いたことから、私はフィールズを離れて、この話に名乗りを上げることにしたのです。

いまだ33歳の若造で、なおかつ外食産業未経験。そんな私を送り込むのですから、ユニゾンも勇気のいる決断だったと思いますが、この時、マッキンゼー時代に師と仰いだ小森さんがユニゾンと関わっていて、後押しをしてくれました。

こうして私はスシローの人間になりました。当時副社長で後に社長となる豊﨑はたたき上げの寿司職人です。スシローの理念である「安くてうまい」に誇りとこだわりを人一倍強く持ち、ネタの仕入れにまでプロの目利きを行き届かせていたこの人と、若造の私とがぶつかり合いながらスシローの経営に向かっていった様子はテレビ番組などでも取り上げられましたが、とにかく本来の「安さ」と「うまさ」をしっかり担保しつつ、タッチパネルなどの設備投資も行って競合企業を打ち破り、日本一の売上高を獲得することができました。2012年からは、いよいよ「第2の創業の第2フェイズ」を迎えているところです。

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