Final Exam 開始
今週から2週間にわたって1学期末の試験が続きます。US校では10月下旬にMid-Termがある学校が多いようですが、LBSは3学期制のため、学期末の今まで試験はありませんでした。このレポートを書いている11/23にFinanceのFinal Exam が行われ、無事切り抜けられてほっとしているところです。10月頃のレポートで簡単に科目紹介をしましたが、学期末に近づいてきましたので、今回と次回の2回に分けて科目紹介と私なりの総括をお届けしたいと思います。
各Courseを振り返って(まだ終っていませんが・・・)
<Finance>
企業のジェネラルマネージャーとして知るべき基本をカバーすると共に、ファイナンスの特定分野を学ぼうとする学生に基礎を叩き込むことを主眼にデザインされています。個人的には1学期の授業の中で最も面 白い授業でした。このコースは2学期の前半まで続く授業で、1学期では主に以下の範囲をカバーしています。
(1)投資評価:経営者が投資判断をする際の評価方法を学ぶことが主目的です。現在価値の概念やNPV・IRR等の投資指標の理解に始まり、ケーススタディーを通 じてプロジェクトの評価や企業価値のValuation等を学びました。
(2)債券市場:導入部として、債券価格の決定理論を学び、ケーススタディー等から過去の金融商品開発の経緯やArbitrage(裁定取引)の基本等にふれました。個人的には特定国の税制の歪み等を巧みに突き利益をあげる投資銀行のしたたかさをケーススタディーで感じたのを覚えています。
(3)資本市場:有名なCAPM理論を中心に『マーケットとは?』『リスクとは?』を考える授業が続きました。さらにリスクから派生してVaR(Value at Risk)の起源や計算方法を理解し、LTCM破綻の例も取り上げました。
(4)資本構成:MM理論を中心に会社の最適資本構成について学びます。
★ケーススタディー(一部):
[1] 投資評価:民間航空機新規プロジェクトのケース
論点:需要予測の妥当性・資本コスト算定・シナリオ分析
[2]Valuation:ポケベルサービス会社のケース
論点:企業価値評価の手法・資本コスト・Terminal Value
[3]債券市場:米国仕組み債のケース
論点:裁定取引・市場の効率性
<Understanding Financial Analysis>
企業の財務諸表を見て会社の状態を様々な観点から分析する力をつけるための授業です 会計のバックグラウンドが全く無い人にはかなり辛い授業のようです。(僕は幸い若干の 経験があるので助かっています)さらにUK-GAAPとUS-GAAPの相違の比較という問題点が 加わってくるので余計ややこしく感じる人も多かったと思います。授業の構成は概ね以下 のとおりでした。
(1)概観:財務諸表の意義・制度的背景・有用性・限界等の一般論。
(2) 分析ツール:キャッシュフロー表の作成方法及び読み方・Ratio Analysis を使っての企業比較分析等が主な内容でした。
(3) 個別論点:会計処理の方法の相違等が財務所要分析に大きく影響する主な論点をまなびました。収益認識・費用認識・固定資産・オフバランス取引の4点が対象で、会計方針・会計処理が財務諸表に及ぼす影響、会計処理の異なる複数の企業の財務諸表を比較可能にするための手順等がポイントでした。特にオフバランス取引は昨今の会計スキャンダルの実態に触れました。
★ケーススタディー(一部):
[1]収益認識:会員制リゾートクラブのケース
論点:新規会員の入会金一括収益計上(役務提供・回収可能性)
[2] 費用認識:サービス提供会社のケース
論点:新規顧客獲得費用の繰延資産計上
[3] 固定資産:ホテルチェーン
論点:減価償却・固定資産再評価の適正性
両科目とも前10回の授業のうち、5回がケース+講義、5回が講義のみという形式でした。また両科目とも数字系の科目とはいえ、いざケースステディーとなるとStrategyで習ったばかりのフレームワークを応用することが要求されることが頻繁にありました。
次回は残りに3科目 Strategy, Managing Organizational Behavior, Managerial Economics のCourse総括をお送りします。