Campus Report 2003

菊澤 桂 to NYU Stern School of Business(全22回)

MBAホルダーへの道

Vol.2 StudentID、NYのガンジー、ファイナンス

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■ StudentID

また、忘れてしまった....StudentIDである。しかも昨夜に引き続いての2度目。まだもらって3週間余り、おっちょこちょいの私でも、ちょっとひどすぎる。でもこれにはちゃんと(?)わけがあるのだ。何しろ、IDを必要とするところが多すぎるのである。学校の各校舎の入り口、寮の入り口、自分の部屋のカードキーも兼ねているし、あらかじめお金をチャージして、学校内や付近のレストランでお金の代わりに、各授業の出欠管理にと、本当にこのカードがないと始まらないのだ。

それだけに、このカードを忘れたときが非常に、非常に面倒なのだ。唯一学校での存在を証明するものを忘れたわけだから....昨夜酔っぱらって帰って寮の入り口でカードを部屋に忘れてきたことに気付いたときなど、パスポートや、自分宛に届いた手紙、クレジットカードまで見せて本人であることを必死に証明すること20分、やっとスペアカードを借りて部屋に入ることが出来た。本人に間違いはありません、という書類および以後気をつけます、という書類にサインをさせられたことは言うまでもない。

これほど使用頻度が高いと、肌身離さず携帯するしかないのだが、ポケットに入れていると落としてしまいそうだし、カバンだとちょっと部屋から出るときなどに忘れてしまうし、肩こりだから首には下げれないし、まったくやっかいものなのである。

言い換えればこんなに便利なものはないのである。学校の周辺半径1キロくらいにいる限り、お金も、鍵も何もなくても生活できるのだ。お買い物も出来るし、お酒も飲めちゃうのである。

とても合理的でアメリカのビジネススクールっぽいと感動する。無駄 なものをどんどん排除して、必要な情報や機能だけを一枚の薄っぺらいカードに集めてしまう。ビジネスには不可欠な合理性だ、と思う。ここで(アメリカ+NY+NYUStern)勉強することにしてよかったな、と思う一方、アナログでウェットなものを大事にする一日本人として、またそういったものが生み出すパワーの中で育ってきた製造業出身者としては、この環境に染まりきるのではなくて、合理性の"いいとこどり"だけしなくちゃな、とも思うのである。

■ NYのガンジー

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私の家の目の前にはUnionSquareという公園があるのだけれど、そこにはガンジーさんがいらっしゃるのである。公園の南西の角、すみっこにいらっしゃるのであまり気づいている人はいないとおもうのだが、インド独立の父の銅像が杖をついて歩いているのだ。

もともとはこの公園の歴史的背景(1861年市民革命時にはアメリカで最大の50,000人が終結した民衆のための広場)を記念してここに設置されているらしいのだが、それとは関係なくここを通 るたび、嫌でも思い出す言葉があって私をどきどきさせる。"Live as if you were to die tomorrow, Learn as if you were to live forever(明日死ぬ つもりで生きなさい、永遠に生きるつもりで勉強しなさい)"という彼の言葉である(どこで聞いたかは忘れた)。

たいてい彼の前を通るのは、平日勉強で疲れていらいらしているときか、週末へろへろに酔っ払って帰るみちすがらなのだが、お顔を拝見すると、何のために誰のために今ここにいるのか思い出して心が引き締まってしまうのだ。そこまで大げさじゃないけれど、ここに来るために長~い間どきどきしていた気持ちを思い出すことが出来る。さあ今日も頑張って勉強しなければ。

■ ファイナンス

ファイナンスが強いNYUには二人の世界的に有名な名物教授が存在する。一人はコーポレートファイナンスを教えているDamodaran教授。先週の新入生オリエンテーションに教授代表で現れた彼はビジネスカジュアルやスーツで居並ぶ新入生やほかの教授たちの中、ショッキングピンクのTシャツとジーンズで現れ、まず私たちを唖然とさせた。

私たちと同じくらいの歳に見えるのに4人の子持ちで家族の話を楽しそうにする彼は、たくさんの興味深い例と大きな身振りでショートレクチャーを繰り広げ、400人の新入生をたちまちのうちにとりこにしてしまった。大人気の彼の授業だが、なんとしても来期とるつもりなので、そのときにまた詳しく紹介したい。

今回紹介するのは、もう一人のクセモノ、Silber教授と彼の教えるFoundations Of Financeである。もう10年この必修授業を担当している彼は、テストが難解なこととなかなかAをくれないことで有名である。痩せて背が高く、見た目はちょっと頑固なおじいさんといった感じ。彼のホームページには笑顔の写 真が載っているが、あれはフェイクである。

授業はとても熱心で、異常に早口な上、80分間一度も止まらず話続ける。ときどき大事(らしい)なことを書き留めるホワイトボードの字はひどい悪筆で、ABC慣れしていない私にはもちろん、アメリカ人にさえ、読み取るのは至難の業であるらしい(一度きれいに書いてくれるようにお願いし、聞いてもくれたのだが、その日の授業が終わるころには元に戻っていた)。

早口を聞き取るのも至難の業で、一瞬でも集中力を欠くと、もう何を話しているのかわからなくなってしまう。皆、同じと見え、彼の授業は全てビデオに撮られており、授業が終わったとたんにホームページ上にアップデートされる。学生はそのビデオを見て、復習を行うわけである。

その一回目の授業のビデオを5回みて判明したことは、彼の授業は付け入る隙の無いほど上手く構成されていて、彼がカバーしたい内容を全部教えるためにはあの早口で話すしかすべがないということ。早く英語力をつけて、授業の途中で迷子にならないようにしたいものである。

投資家の気持ちでの企業分析と魅力的な企業作りができるようになるため、ファイナンスを専攻のひとつに、と考えてはいるが、道のりはまだまだ遠そうである。何しろ授業を聞き取れていないのだから。

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