Campus Report 2003

小川 美弓 to The Wharton School, University of Pennsylvania(全25回)

MBAホルダーへの道

Vol.2 The Wharton Pre-Term!!!

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同級生との"Wharton入学記念写真"

8月4日からついに4 週間のPre-Termが始まりました。WhartonのPre-Termは、9月3日から始まるCoreの授業に備えた基礎科目の必須の授業、その他盛りだくさんな選択科目の授業、オリエンテーション等々で構成されており、ほぼ全員が参加します。

"少しでも早くWhartonの環境やクラスに慣れておくためのPre-Term"と称されていたのでのんびり構えていたのですが、Deanの挨拶やオリエンテーションの後、いきなり初日からかなり内容の濃い数学の授業が始まって驚きました。

さらに、2日目以降は月曜日~土曜日の朝8時~夕方5時までがほとんどビッシリ授業でうまっているというハードさでした(なんと、さらに12時~1時のお昼の休憩時間にはオリエンテーションが開催されたりします)。本当に"あっ"という間に過ぎ去ってしまった4週間のPre-Termを振り返って、今回のレポートを書かせて頂きます。

<Pre-Term: 必須の授業>

Pre-Termで必須となっている授業は、ファイナンス・経済学・統計学等で今後必要となる数学、会計学、ミクロ経済学、統計学の4科目です。

数学の授業は"Math Camp"と称され、最初の1週間に集中して毎日4時間の授業が行われた後、2週目の月曜日に試験が行われます。この試験に合格しないとWhartonに入学できないという(さすがにこの数学の試験にパスできなくてWhartonに入学できなくなった生徒はいないとのことですが、合格するまでreview sessionと追試を受け続けなければならないそうです)厳しいものでした。

すぐに試験が行われるというプレッシャーの下、すっかり忘れてしまっている対数や微分・積分を必死で思い出しながらファイナンスや経済学の問題に当てはめて解いていくというのは、文系出身の私にとってはかなり大変なことでしたが、試験に無事合格した後の今になってみると、久しぶりに頭の体操をして楽しかった?ことのようにも思えます。

会計学、ミクロ経済学、統計学は、各人のバック・グラウンド(大学時代の専攻や職歴等)に応じて、初心者向けのコースとwaiver examを受ける人向けのレビュー・コースから選べるようになっています。私は、会計学とミクロ経済学はレビュー・コースを、統計学は初心者コースを受講しました。

レビュー・コースでは、waiver examの準備として、Coreの授業内容をCoreの授業回数よりも少ない時間に凝縮した授業が行われます。初心者コースでは、基本的な理論をほぼ一通 りカバーしてしまい、9月から始まるcoreの授業ではさらにその続きに進んでいくことになります。いずれの授業も想像以上の内容とスピードで、おまけに教授の早口の英語でガンガン進められ、成績がつかないとはいえ、Assignmentやがあったりもしてなかなかハードでした。

幸いにして私は早くPhiladelphia入りをして生活の立ち上げをすっかり終えていましたが、Pre-Term開始直前にPhiladelphiaに到着したばかりで生活の立ち上げをしながら授業を受けているクラスメイトはかなり辛そうでした。

<Pre-Term: 選択科目の授業>

WhartonのPre-Termでは、必須科目の他に選択科目の授業も行われます。本学期のElectiveの授業をAuction方式でとっていく(与えられたポイントをとりたい授業にBidし、Askされたポイントや他にBidされたポイントとの比較でとれるかとれないかが決まります)ための練習も兼ねて、選択科目はAuction方式で好きな授業にBidしてとることになっています。

授業をAuction方式でとっていくということも出願準備中に知ってかなり驚いていましたが、実際にPre-Termが始まってみて何より驚いたことは、提供される選択科目の種類と量 の多さでした。

Native向け・Non-native向けのCommunicationクラス、コンピューターのクラス、様々なテーマでの教授による1回もののレクチャー、トレーディング・シュミレーションのクラス、その他就職活動に活かせるセミナーやレクリエーションもののイベント等々盛りだくさんの選択科目が提供されています。

一学年250名くらいという規模の国立大学出身の私にとって、一学年約800人という規模の大きさは、ビジネス・スクールの出願先選考時から想像もつかず、"果 たしてそれがいいことなのかどうなのか?"と考えることが多かったのですが、ここにきて初めて、"規模の大きさによるメリット"を実感することができました。

Pre-Term中に限らずMBAプログラムの正規の授業においても、"膨大な種類と量 のElectiveの授業が提供されている中から、最も関心のある自分に合った授業を選ぶことができる"ということが、大規模校であるWhartonの魅力の1つです、と今なら断言できます。

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NYSEの巨大Tシャツ

選択科目の中で一番おもしろかったのは、トレーディング・シュミレーションの授業でした。証券会社や銀行のディーラーが使っているような、リアル・タイムで市況を表示し証券取引ができる特殊なプログラムの入ったコンピューターを使い、一クラス約40名で、Wharton株やHarvard株・・・といった仮想の株式を、配当予想として与えられる情報をもとにリアル・タイムで取引し、得られる利益を競い合う、という授業です。


"株価は、株式の将来キャッシュ・イン・フローの割引現在価値に収束していくはずである"という前提の下、本番さながらに各銘柄を売買していきます。みんな最初はなかなか要領がつかめず、ものすごい高値や安値で取引されることがあって大儲けのチャンスがありましたが(もちろん同時に大損の危険も潜んでいます)、授業が進むにつれ、みんなが要領を得て株価が割引現価にほぼ収束していく様子がみてとれるという、とても興味深い授業でした。

"3回の授業で行った取引成績を累計して上位3名にニューヨーク証券取引所から特別 に寄贈された帽子やTシャツを贈呈します!"と教授がおっしゃっていたのですが、思いもかけず、最終日、名前を呼ばれた私は3位 に入賞し、NYSE (New York Stock Exchange)の巨大なTシャツを頂くことができました!!・・・現実にはかなり?の含み損を抱える私がなぜ入賞できたのか???勝因は未だに不明です。

<MBA Convocation>

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Whartonの入学式(Convocation)の様子

Pre-Termも終盤を迎えた授業最終日の夕方から、入学式にあたるMBA ConvocationとReceptionがあり、大学内の講堂にClass of 2005の学年全員が集まりました。久しぶりのビジネス・フォーマルに身をかため、ペンシルバニア大学の歴史と伝統を感じさせる荘厳なIrvine Auditoriumで、WhartonのDeanから"Congratulation!! You become a member of Wharton, class of 2005!!"と言われた時に、改めて"あー、本当にここまで、Whartonまで来たんだなぁ・・・"としみじみと改まった気持ちになり、思わず感激しました。

入学式でのUniversity of Pennsylvaniaの学長やWhartonのDean等のお話は、どれも、"学ぶことが目的なのではなく、学んだことを社会に貢献するため活かしていくことが大切である"という趣旨の感慨深いものでした。

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Convocation後のReception

Convocation後は、Irvine Auditoriumの隣のHouston Hallに移動して、Receptionがありました。800人に比して少し(かなり?)狭い部屋でところ狭しとひしめき合い、ワインやデザートを楽しみながらの立食パーティーでした。

食べ物と飲み物を自分で持って移動しつつ、色々な人と話してはまた次の人との会話を楽しむ・・・という欧米式のパーティーにはまだ慣れていない私ですが、ちょっと緊張しながらも、つたない英語を大声で話し続けました(何しろ想像以上に部屋が騒々しかったのです)。パーティー終了後、友人と共に大学近くの"Beijing"というChinese Restaurantで食べたワンタンメンのおいしい味と共に、とても思い出深い入学式となりました。

<Wharton Learning Retreat>

Convocation & Receptionの翌日からは、一泊二日でNew York州北部へ"Wharton Learning Retreat"と呼ばれるキャンプに行きました。一学年全員(約800名)が一斉にキャンプへ行くことはさすがに不可能なようで、日程を1日ずらし、半分ずつに分かれて片道4時間のバスの旅に出かけました。

このキャンプの一番の目的は、これから一年間コアのクラスの様々なプロジェクトを通 して苦楽を共にすることとなるLearning Teamの発表と、そのチーム・メートとの交流を深めることにあります。

到着後すぐにクラスごとに分かれ、自己紹介を兼ねたようなゲームをしながらついにLearning Teamが発表されました。国籍・性別・バックグラウンドを参考にチーム分けが行われ、各チーム5~6名(そのうち女性は1~2名)となります。

私は、チーム"11"の一員となりました。私のチームは、アメリカ人3人・台湾系アメリカ人1人・スペイン人1人・日本人1人(うち女性はアメリカ人1人と私の合計2名)という構成です。

これまでの職歴は、私を除く全員が投資銀行やプライベート・エクイティ等のファイナンス・バックグラウンド、私だけがアカウンティング・バックグラウンドです。若干メンバー構成に偏りがあるような気もしますが、これからの1年間を一緒に頑張っていくチーム・メイトとついに出逢え、とてもうれしいキャンプとなりました。ちなみに、チーム名はその後それぞれに考えて決め、私のチームは、チーム"11"改め、チーム"Working on It"となりました。

キャンプの内容は大きく分けると、体力や知力を使いチームで協力して楽しむゲーム、チームメイト間の理解を深めるための話し合い、夕食後のお楽しみ、の3つに分かれます。体力勝負のゲームはかなりハードなものでしたが、みんな本気で他のチームに勝とうと、楽しみながらも真剣に頑張りました。こんなに本気で走り回って"遊ぶ"のは何年ぶりだろう?と思いつつ、若干の負傷者を出しつつも?、チームメイトと楽しい時間を過ごすことができました。

夕食後は、色々なイベントが行われていて、各人自由にスポーツをしたり、ゲームをしたり、ダンスをしたり、キャンプ・ファイヤーを楽しんだりできるようになっていました。私は、サルサ・ダンス教室で基本ステップを習いながらみんなと踊ったり、美しくオレンジ色に輝く火星を観ながら、フィラデルフィア名物の一つ(?)キャンプファイヤーの火で焼いたマシュマロと板チョコをクラッカーに挟んだお菓子を食べてその甘さに驚いたり・・・して楽しい夜を過ごしました。

何よりこのキャンプ一番の成果は、お互いが何を大切にしているのか、自分の価値観の形成に大きな影響を与えてきているものは何か、といったことを真剣にチームメイトと話し合ってお互いの理解を深められたことです。また、これからチームとして行動を共にしていく上での優先順位 付けやルール作りもしました。

"抽象的な価値観と具体的なルールー作りの両方についてチームで話し合う場を改めて設ける"ということ自体がとてもアメリカ的?だな、と驚いた私ですが、実際に色々と話し合いをしてみて、"改めて話し合いの場を持つこと"や"互いの考えを予め話し合っておくこと"が、お互いを理解しチームで円滑な活動を行っていく上でとても大切なことだ、とこの二日間で実感することができました。

そしてついに9月! MBAプログラムの正規の授業が始まります!!

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