前回に続き、今回もベンチャーキャピタルに関するレポートです。今期、私が受講している「Venture Capital & Private Equity」のクラスの課題の1つに、ベンチャーキャピタリストにインタビューを行い、レポートをまとめるというものがあります。オフィス訪問、または電話会議にあたり、4人1グループで、訪問先を自分たちで探すことになります。
Venture Capital選定
まず、訪問するVCの選定から始まるのですが、我々の場合、4人ともVCへのつてがありました。1社はCorporate Venture、1社はロサンゼルスにあるVCでしたが、もう2社はシリコンバレーにオフィスを構えています。ただ、せっかくBerkeleyのMBAプログラムの一環という名目でVCに自由に(?)コンタクトできるので、知り合い以外を先にあたることにしました。
まず、VCのリストアップの前に我々が立てた大枠の選定基準は(1)外部からファンドを集め、運用している(2)インタビュー相手がPartnerレベルであること(3)(MBAに関わらず)Berkeley卒業生、またはBerkeleyに何らかの関りがある方としました。
その理由は我々として、VCインタビュー時に、Fundraising Strategy, Investment Strategy, Exit Strategyの3つの方針を中心に聞くとともに、それらの意思決定に深く関っている人から直接聞きたいということ、またBerkeley関係者に話すことにより、本音ベースで事情が聞ける可能性が高いと思ったからです。特に、報酬やLimited Partnerとの関係、契約について聞くとなると、赤の他人だと非常に難しいのです。
これらを踏まえて、我々は卒業生データベースからVCのリストアップを行いました。 VC自体を調べるには企業ホームページのみにとどまらず、授業受講者にアクセス権があるVentureSourceというVC業界の有料データベースも利用しました。
訪問
訪問の許可を得るのに、かなり苦労すると思いきや、すんなりインタビューに応じてくれることとなりました。アメリカ社会がいかにネットワークを重視する会社であるかとともに、母校を想うBerkeley卒業生の多さに驚きました。
データベースから最初の基準を満たすVCがあまりにも多かったので、我々は新たに細かい基準を作り、最終的に2社選定し、訪問することにしました。1社はEarly Stageで投資を行い、Hands-onでスタートアップ企業を支援していくVC,もう1社はLate Stageで投資を行い、巨額のファンドを持ち、海外からも資金を得ていて、Limited Partner企業とのパイプラインが太く、Intermediaryとして活躍しているVC。
残念ながら、このレポートで詳細にVCのファンディング方針、投資戦略、エグジット戦略に関する情報を公開することはできませんが、VCは他社と差別 化しようと、思っていた以上に自分達のポジショニングに相当気を使っていました。
訪問したVCのインタビュー相手は、二人とも起業経験者で、その過程でVCとの関係もあったとのことです。VCの求人応募など全く目にしないのは、採用は全てが知り合いまたはそのつて、またはディール関係者(VC、弁護士、会計士、投資銀行など)からの紹介となるからです。能力があるかだけではなく、大金の運用を安心して任せることができるかという信用面 が相当重視されるからです。
Berkeley関係者にインタビューを申し込んだのは大正解で、二人ともかなり深い話までしてくれ、二社とも30分のインタビューで申しこんだのにも拘らず、1.5-2時間も時間を割いてくれました。Berkeley MBAでは授業以外にも、Entrepreneur Club主催でVenture Capital Round Tableというイベントが毎年催され、多くのTop Tier VCとのネットワーキング可能となっています。