Campus Report 2003

関 伸彦 to Sloan School of Management, Massachusett Institute of Technology(全28回)

MBAホルダーへの道

Vol.25 最高の思い出、Japan Trek!(前半)

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1月の体験記で触れたJapan Trekですが、先週の日曜日に全日程を終了し、無事にボストンに戻ってきました。アメリカ人主体の旅行らしく、「最後に1日空けて身体を休める」という考えはないようで、日曜日の午後5時に空港に到着し、次の日の朝からは授業が始まるというなかなか激しい日程です。このため、私もまだ時差ボケが残っており、今も朝7時に目が覚めたのでこの体験記を書いている、という状況です。

それにしても、本当に楽しかった!当初は「どうせ日本にすぐ戻るのだから春休みは別 のところに行きたい」とか「自分で旅費を負担して幹事をやるなんて馬鹿馬鹿しい」などとも考えていたのですが、ふたを開けてみると途中からイメージしていた以上に「海外の自分の友人に日本を自分で紹介する」ということが楽しく、充足感が得られるものであることが分かりました。

特にビジネススクールに行く前は英語が得意でなく、海外の友人も殆どいなかった私にとっては、山手線を10人ぐらいの友人を連れて移動しているだけでも、ビジネススクールに行く前との違いが実感でき、最後の方では「こういう活動こそが、留学を通 じて私ができるようになりたかったものの1つだったのかもしれない」と思うようになりました。

MIT Sloanでは、他にも色々な旅行があるのですが、参加者からは「これまで参加した中で最高のトレックだ」といった素晴らしい評価ももらえ、幹事冥利につきる旅行となりました。しかし、実は参加者以上に楽しんだのは私を含めた4名の日本人幹事であり、特に私にとっては、2年間のMIT Sloanでの経験の中で最も楽しかったイベントだったと言えます。ただ、あまりにも楽しすぎたため、既に燃え尽きてしまった感があり、現在は残り2ヶ月ほどの授業へのモチベーションが見出せずに苦しんでいます(笑)。

また旅行中も、当然いいことばかりではなく、足を切って救急車を呼んだり、お金が無くなって交番に駆け込んだりと色々と事件があったのも事実です。以降では、その辺りの話を含めてJapan Trekでの体験を、実際の旅行日程に沿った形で2回に分けて書いていこうと思います。

日程
前回も紹介しましたが、細かい調整が入って、最終的には下記のような日程になりました。

日にちイベント
3/18(金)・ 大阪到着、京都へ移動
19(土)・ 京都観光

・ キックオフディナー(with 芸者さん)
20(日)・ 大阪観光&相撲観戦(オプション
21(月)・ 豊田市へ移動

・ 企業訪問:トヨタ自動車

・ 修善寺の温泉旅館へ移動

・ 温泉旅館で温泉&お座敷宴会
22(火)・ 東京へ移動

・ 東京観光
23(水)・ 企業訪問:セブン-イレブン・ジャパン

・ 日本のMIT Sloan OBとの交流会
24(木)・ 早朝築地寿司ツアー(オプション)

・ お台場(大江戸温泉&Toyota Mega Web等)ツアー(オプション)

・ 箱根温泉ツアー(オプション)

・ 日光ツアー(オプション)

・ カラオケパーティー@六本木(オプション)
25(金)・ 企業訪問:スクエア・エニックス

・ 企業訪問:NTTドコモ

・ 企業訪問:ソフトバンク

・ 第9回 MIT Sloan パブクロール
26(土)・ 夕方までフリータイム

・ 屋形船で打ち上げ
27(日)・ 東京出発
初日:3/18(金)

ボストンでは前日の3/17(木)の午前7時に空港に集合することからTrekは始まりました。ただ、全員がきっちりと集まるかは結構不安でした。というのも、外国人は概して時間にルーズですし、前日の夜に幹事が行うことになっていた集合時間と場所をリマインドをすっかりと忘れてしまっていたためです。しかし、さすがはいい年をした大人の集団、予想以上に集まりがよく、1名が30分遅刻したのを除けば、全く問題のない集合っぷりでした。

さらに、VISAやI-20の裏書サインなどのとり忘れなどもひょっとしたら発生するかもしれないと考えていたのですが、こういった問題も全く起こりませんでした。普段は結構みんなルーズなのですが、自己責任ということにすると、きっちりと押さえるべきところは押さえてくるという感じなのでしょうか。これを始めとして、以降では集合に関しては殆ど問題がなく進めることができ、「ビジネススクールはやっぱりそれなりに優秀な大人の集まりだったんだなぁ」と改めて実感しました(笑)。

さて、機中では私の近くにいたのはJuan(スペイン人)とDaniel(ベネズエラ人)という1年生で、私とは初対面 だったのですが、2人ともコンサル出身ながら(笑)ラテン気質で陽気ないい奴らで、あっという間に意気投合しました。以降は行動を共にすることが多くなるのですが、彼らと早いタイミングで出会えたこともトレックを楽しく過ごせた理由の1つかもしれません。

その後、デトロイトでの乗換えを挟み、14時間のフライトで関空に午後5時ごろに到着しました。どうやらここまでの長時間のフライトを体験したことがある人も意外と少なかったようで、「ボストンからフランスに帰るフライトも相当長いと思ってたけど、世の中には上があることが分かった」などと言っているメンバーが沢山いました。とてもぐったりとしながらも、ここでハワイオプショナルツアー組や自分でフライトを手配したメンバーと合流し、バスで京都へと向いました。

2日目:3/19(土)

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この日は一日ベタな京都観光をします。最初は保津川の川下りだったのですが、天気は快晴で温かく、そして私自身も一度も経験した事が無かったため、非常に楽しいものとなりました。写 真に写っているのは、この体験記にも何回か登場しているSimonと、これまた学校で仲良くしているギリシャ人のDimosです。

当初Simonは中国でやることがあったために参加しない予定だったのですが、ムリをして前半の京都・修善寺パートだけ参加してくれることになったのです。彼は日本が好きで、既に何回も日本を旅行しているために、あまり目新しさは無かったと思うのですが、私的には仲良くしている彼と日本を旅行できたというのは非常に嬉しいことでした。

保津川を下った終点である嵐山の周辺を散歩し、ランチを採った後は、金閣寺、銀閣寺、清水寺の順番で京都観光をしました。銀閣寺はインパクトが弱いので「どうかな?」と思っていたのですが、Simonによると庭の美しさなどが素晴らしいと思えるらしく、これもなかなか、とのことでした。

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その後は御茶屋さんで舞子さん・芸子さんを招いての座敷宴会形式でのキックオフパーティーです。私自身も舞子さんが同席するような宴会には出席したことがなかったため、楽しみにしていたのですが、実際に会ってみて、舞子さんがとてもカワイイのには驚きました。舞を踊る前には、舞子さん・芸子さんが皆の席を回って話す時間を取ってくれたため、メンバーも皆満足しているようでした。

私はといえば、メンバーからの「どうして舞子になろうと思ったのですか?」といった素朴な質問を訳して回答をさらに訳す、という完全通 訳状態でした。それでも、「髪型は1週間崩さず、寝るときも髪型を保つために時代劇のような高い枕で寝る」というように知らなかったことばかりで、非常に勉強になりました。

この旅行全般でそうだったのですが、自分の日本の知識の無さは呆れ返るほどです。特に名前の由来などを聞かれると、非常に厳しかったですね。自分でも日本のガイドブックを購入して持っていた方が良かったかもしれません。

ところで、この宴会では、懐石料理に加えて、飲み放題のコースにしてありました。そこで大人気だったのはビールよりも断然お酒でした。以降の飲み会でも、皆最初からお酒を飲みたがり、ビールは飲めないけどお酒なら大丈夫、という日本人とは逆の展開が多くて、その点では意外でした。

宴会の終盤には皆酔っ払って大盛り上がりとなり、皆で一気飲みを連発していました。私はといえば、皆が「かんぱーい」とやっているところに行って、「乾杯の本当の意味は知っているか?」と更にあおっていました...。ちなみに、毎回本当の乾杯をやっていては身が持たない、ということで、この「本当の乾杯」に対して「Pseudo-Kanpai(インチキ乾杯?)」という言葉が旅行中にでき、以降で多用されていました。

さて、この飲み放題の宴会が終わっても我々の勢いは止まりません。有志で京都のクラブに出かけ、時差ボケにも負けず、午前2時ぐらいまで沢山のメンバーが踊っていました。ボストンのクラブが概してイマイチなためか、日本のクラブの質や盛り上がりにもなかなか感銘を受けていたようです。帰宅間際になって、皆が色々とジャケットなどのモノを無くしてしまっていたことが分かったので、その捜索に時間がかかりましたが、なんとか皆で無事に京都のホテルに帰り着くことができました。

3日目:3/20(日)

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この日は基本的にはフリーの日で、京都観光を自分でしてもいいし、大阪城ツアーや相撲観戦ツアーに参加しても良いということになっていました。私は午前中と午後はSimonと一緒に別 行動をして、そのあと相撲観戦ツアーから参加しました。私自身は小学生のころに名古屋場所を観戦したことがあるので、さすがに今回は初体験ではなかったのですが、メンバーの中には相撲のルールを知らない人や、ボクシングやプロレスのように1日に2-3試合しかないと思っている人もいて、なかなか新鮮な経験だったようです。

但し、座席は当初予定していた椅子席が急遽升席に変更になってしまったために、なかなか窮屈で大変そうでした。うちは4名ともそんなに身体の大きなほうではなかったのですが、それでもきつく、また値段の割には取組みも見づらかったため、私個人としてはちょっと残念でした。それでも、以降のトレックの最中に時間が合うと夕方の相撲中継を見て、朝青龍の動向をチェックしている人もいて、メンバーには概ね好評だったようです。

相撲観戦後は、近くの道頓堀に移動して、そこでフリータイムを過ごしました。私は同行したメンバーとゲームセンターに寄ってプリクラを撮ったり、太鼓の達人をやらせ、そしてたこ焼きを食べさせ、最後には人気ラーメン屋の神座(かむくら)に連れて行ったりしました。次の日は朝早く(6時ごろ)トヨタに出発しなければならなかったので、この日はさすがにこの辺りで切り上げることにしました。

道頓堀から自分達で京都駅まで帰ったメンバーもいたようなのですが、特に問題なく辿り着けたようで、この辺りから、彼らは別 に日本の地下鉄やJRを問題なく乗りこなせることが分かってきました。かなり心配していたのですが、東京でも皆自由に動き回っていたことを考えると、意外と日本の交通 システムも分かりやすくできている(もしくは駅名への番号付与などで分かりやすくなってきている)のかもしれません。

4日目:3/21(日)

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さて、これまで遊びまくってきたJapan Trekですが、この日からようやく真面 目な企業訪問が始まります。まずはトヨタ自動車からです。トヨタ自動車には今年で13回目の訪問となり、MIT Sloanとしては非常に長い間お世話になっています。このトヨタへの訪問は朝の9時30分から始まるのですが、前日は京都にステイしていたため、この日は朝7時の新幹線に確実に乗る必要がありました。このため、毎日あった朝食もこの日は車中で自由に取る形式とし、必ず6時半にロビーに集合するように、と念を押していました。

私はトヨタへの企業訪問の担当でもあったので、やきもきしていたのですが、さすがは大人の集まり、全く問題なく全員新幹線に乗ることができました。この後、名古屋で新幹線を降りてバスに乗り換えトヨタに向ったのですが、余りにもスムーズで、結局時間よりも1時間ほど早く着きそうだったので、途中で時間を潰さなければならないほどでした。

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トヨタに到着してからは、2班に分かれて溶接工場→組立工場→トヨタ会館(ミュージアム)→プレゼン・Q&Aというように進んでいったのですが、進行は全て先方にお任せでした。工場の入口に着くやいなや、専任のガイドさんがそれぞれのバスに乗り込んできて、あとはバスの誘導から工場内の解説まで全てを英語も含めて完璧にこなされていました。一連の見学ツアーのオーガナイズされっぷりは、さすがトヨタと言うより他はなく、ただ感服するばかりでした。

プレゼン・Q&Aセッションでは、6月より副社長となられる、初代プリウスのチーフエンジニアも勤められた方が出席して下さり、初代プリウス開発時のエピソードなどを聞かせて頂くことができました。メンバーもツアーの内容はもちろん、そのオーガナイズのされ具合にも非常に感銘を受けていたようでした。

さて、トヨタを離れたあとは、この日の宿である修善寺までバスで移動しました。時間は5時間ほどあったので、「何か盛り上げた方がいいかな?」と幹事で心配していたのですが、さすがに皆ぐったりとしていて、殆どの人が寝ていました。しかし、修善寺に近づいてきたところで、富士山が見えるサービスエリアで休憩したのですが、その後はどうやら体力が回復して来たらしく早速「カラオケやろう」という声が挙がってきました。

バスのカラオケには英語の曲が20曲ほど(Beetlesすら3曲)しかなかったので、なかなか苦しかったのですが、CKO(Chief Karaoke Officer)として事前に調べておいた有名なカバー曲を歌うことでなんとかつなぐことにしました。予想通 りHERO、ヤングマン(YMCA)、郷ひろみのGOLDEN FINGERなどを歌うと、皆着いてきて盛り上がってくれました。そんなこんなでちょうど歌が尽きてきたころに温泉旅館に到着したのです。

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温泉旅館では、とりあえずさっと温泉に入らせた後、すぐさま広間で日本式の宴会を始めました。もちろん服装は全員浴衣です。ここも飲み放題だったのですが、相変わらず最初からお酒が大人気で、ご飯そっちのけでお酒に夢中になっていました。食事の方では、実はあわびをその場で焼いたあわびステーキのようなものを出してもらったのですが、見かけが受け付けられなかったらしく、残念ながら殆どの人が残していました・・・。

そうこうしているうちに、たまに誰かが立ち上がって、全員での乾杯をあおったりするようになっていたので、私の大学のテニスサークルでよくやっていた「他の人に飲ませるコール」を適当に訳して教えたところ、かなり盛り上がってくれ、その後はこれをきっかけに壮絶な飲ませ合いへと発展してきました。私の周辺でもSimonやDimosなどがPseudo-Kanpaiではない本物の乾杯を仕掛けてくるため、私もあっという間に酔っ払ってしまいました。

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しかし、これで終わりではありません。すぐ隣の部屋はカラオケ部屋となっていて、カラオケをしたいメンバーはそちらへ移ってカラオケパーティーを解しすることになっていたのです。この宿のカラオケはさすがにバスのものよりは英語の曲数が多く、お酒が入っていたこともあってかなりの大盛り上がりになりました。ここまでくると、もう私が歌って盛り上げる必要も全く無く、逆に私が歌う隙がないほど皆がカラオケ好きになっていました。

次の日は企業訪問もなく、朝の出発も遅めに設定しておいたため、皆心行くまで温泉旅館を楽しんだようでした。ここでお別 れとなるSimon用の翌朝のタクシーを手配した後は、私も午前2時という比較的早めのタイミングで就寝しました。

さて、この次の日からは東京へと舞台を移すのですが、ここまで上手く行っていたトレックも色々と問題が出始めるようになります。その辺りの話はまた後編で・・・。

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