Campus Report 2005

中谷 和世 to University of Michigan, Ross School of Business(全13回)

MBAホルダーへの道

Vol.8 MAP回想録 ~成功の秘訣は何だったのか?~

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1年生がMAPを開始する季節になりました。プロジェクトが発表になったり、希望のプロジェクトを選び提出したり、アサインされるプロジェクトが決定し発表になったり...なんとなくそわそわした空気が生まれます。ああ、1年前同じことを経験したな~と、それらを横目に見ながら、私もMAP中の成功・失敗、そして悩みなど思い返していました。

そんな最近のこと、MAPオフィスより、私たちのグループがThe most successful MAP teamに選ばれたとの朗報が入りました。もちろん、MAPオフィスと教授陣がスポンサー企業からのフィードバックを基に選出したとはいえ、明確な選考基準も明らかにされておらず主観的であいまいなものだと思うのですが、No.1と言われ悪い気はしません。

実際、他の同級生から聞くところによると、最初に仲間割れし最後までチームワークがまとまらなかったグループや、意見の相違からミーティングで大喧嘩となったグループもあったようですが、私たちのチームは途中険悪になることもあれど、それなりに最後まで一緒に努力していました。そして、MAPオフィスよりぜひ1年生のMAP Kick-off オリエンテーションで成功の秘訣と体験談をプレゼンテーションして欲しいとの依頼を受けました。

残念ながら私はGlobal Projectというこれまた学校のコンサル実習でアイルランドへ行く予定がありプレゼン自体には出席できなかったのですが、その準備過程でグループメンバーと共にMAP経験を振り返り、何が成功に結びついたのか意見を交わすこととなりました。

私たちのプロジェクト内容は、あるお菓子をオンライン販売する新規商品開発のGo/No-goのRecommendationをスポンサー企業に対し行うというものだったのですが、各消費者がWeb siteを通しオーダーメイドで誕生日プレゼント用にパッケージをデザインできるという商品・チャネル共にユニークな案でした。

NPV分析と消費者ニーズから採算がとれるかどうかを分析しGo/No-go RecommendationとMarketing Planを出し、それと並行して商品を一からデザインし、パイロットサイトを立ち上げ、消費者の反応を観察、また商品の注文から発送まで滞りなく進めることができるかどうかオペレーション/ロジスティック面をチェックしました。

また、商品をオーダーメイド化することによりスケールメリットが完全になくなってしまうため収益面では非常に苦しいのですが、この商品が他商品に与える相乗効果も定量化し、総合的な商品導入の判断をくだすというものです。これらを全て7週間で終えるというのですからスケジュールは本当にタイトでした。

MAP開始初日にプロジェクト内容を聞いた私たちの間に、これは忙しくなる...という緊張感が走り、その次の日から最後までまさに走り続けたという状態です。なぜそれが可能だったのか、語り合う中で私たちが成功の秘訣であったと思うのは以下の点です。

1.Team Resourcesの有効活用

MAPチームがプロジェクトを進めていく上で重要なキーとなるリソースがあります。まず指導教授が2名付き、毎週ミーティングがもたれます。そのミーティングを単なる報告会で終わらせず、実際に今直面している問題について深くディスカッションをし、その解決方法を専門とする教授を紹介してもらうことに使います。そうすることで私たちの思いつかないエキスパートの意見を迅速に取り入れることが出来ました。

また、こまめにLibrarianのサポートを依頼することで、自力では到底見つけられないマニアックなリサーチデータなど見つける足がかりとしました。学校側はRossで最も重要なカリキュラムであるMAPを教授陣・スタッフ総動員でサポートしています。それらをどこまで効率的に利用するかが7週間での成果に大きく影響します。

また、スポンサー企業からは内部の極秘情報までもオープンにされるので必要となるデータを常に先読みしリクエストすることも大きなリソース源となりました。このような入手可能なリソースをためらうことなく片っ端から積極的に活用していけたのはキャンパスを活動拠点とするUS国内でのMAPプロジェクトだったから可能だったのかもしれません。

2.Team Dynamicsの多様性

多様性に富んだチームメンバーの能力をお互いに最大限活かそうとしたことも成功の鍵でした。オンラインを通じた新規商品の売出しが果たしてペイするのかどうか、という課題を解くにあたり、ハイテク業界のマーケティング経験者であるWendyは実際にメール広告を配布した場合にどの程度のクリック率があがるのかという経験に裏打ちされた知識を持っていましたし、唯一のファイナンス専攻のWeiはNPVのSensitive Analysisを驚くようなスピードで仕上げ、最年少23歳のKarenは実務経験がないにも拘らずProject Managerをかってでてスケジュール管理はバッチリでした。それぞれのチームメンバーの得意分野が全く異なるということがプラスに働いていたように思います。

そんな中、私はというと、Creativityを活かし商品のパッケージ作成と最終プレゼン資料作りをリード、そして新規マーケットの調査・分析を行いました。お互いの強みを最大限に活かすため、MAP第1週目のオリエンテーションで私たちがしたことは、それぞれ自らの得意分野や弱点を率直に話し合うということ。自分のバックグラウンドや今までなかなか達成できなかったことなど理解しあった上で仕事を始めるというのは、各自がリーダーシップを発揮する上でも効果的でした。

3.保ち続けた緊張感

「長年MAPの指導教官を務めてきたが、後にも先にも常に当初立てた計画よりも先に進んでいるグループはここだけだ」そう言われたほど私たちのプロジェクトのタイムマネジメントはうまくいっていました。それを可能にしたのはチームで作り上げ常に保ち続けた緊張感だったと思います。それは、現実のビジネス現場にあって学校でのグループワークに欠けがちなもの。給与の支払いもなく上司もいない、成果が悪くとも首は飛ばない。そんな中で雰囲気がたるみがちになり、そこからの脱却ができないチームあったようです。

しかし、私たちのグループには常にものすごい緊張感がありました。授業などでも10分遅れは"Michigan Time"と呼ばれ許容されているこののんびりした土地柄にも拘らず、毎回のミーティングでは例外なく5分前には全員が席についているという状態でした。それぞれが分担する仕事の締め切りも絶対に破れない緊張感があります。私たちのチームには、常にプロフェッショナルな仕事を突き詰めようという勢いがありました。

MAPを経験してからは、インターン先などで仕事をする際「自分はあの時できたことができているか?」とよく自問自答します。入手可能なリソースを最大限活用しているか、自他の強み弱みを理解し仕事に向かっているか、そしてあの時と同じ緊張感を持っているか。その結果、ここまでは到達したいと目標にするレベルが自ずと上がることになりました。

思い返すと、MAPとその後の3社でのサマーインターンを通じ、合計約半年もの間、学生でありながら教室での勉学ではなく実際にプロジェクトをこなすという毎日でした。その中で理論だけではなく、その理論をいかに現場で応用するかという実践力をつけることができたと思います。

1年生の集大成としてコアで学んだことを応用する機会を与え、その後のインターンシップに備える力をつけさせる。まさに実践力重視のRossならではのカリキュラムです。卒業を間近にしこれから実社会に出て行くという今、改めてその重要性を感じています。今後、実践力のあるRoss卒業生として社会に貢献したいと思います。

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