金光隆志のコンサル転職Q&A

[第4回] コンサル卒業後のキャリアを教えて下さい

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【質問】 
コンサル卒業後のキャリアを教えて下さい

最近は「昔コンサルファームにいました」って人が随分増えましたね。でもって今なにやってるのかはそれこそ千差万別です。卒業後のキャリアは本人の力 と意思次第ってところでしょうか。なんて答えではコラムが終わってしまうので、もうちょい膨らまして話していきましょう。


卒業後のキャリアの話の前にそもそもコンサルになるとき、コンサルをキャリア上どう位置づけてファームに入ってきてるのか。これは大きく分けると4タイプありそうです。

先ず一番多いのは、じっくり腰を据えてファームでパートナーになっていこうと考えて入るタイプ。ファーム側も「最低7年、まあ10年くらいやれば一人前になれるかな」みたいな事言いますからね。このタイプの人を正統派タイプと呼びましょう。

近年急増しているのが、エリートが目指すべき場所として最難関だから入ろう、あるいは、途中でやめたってコンサル出身なら箔が付いて企業でも厚遇されるし前途洋洋、みたいなタイプ。コンサル業が日本で産業として認知されてきた証ともいえます(笑)このタイプの人を偏差値エリートタイプと呼びましょう。

次に多いのは、数年コンサルやって勉強した後に自分で事業を始めよう、あるいは家業を継ごうと考えて入るタイプ。このタイプの人を独立志向タイプと呼びましょう。

一番少ないけど確実に存在するのが、将来のことはまだ漠然としてるけどとりあえず面白そうだしやってみるか、みたいなタイプ。昔はこういう人が多かった、というかこんな変な人(笑)ばっかりだったけど最近はめっきり減りました。このタイプの人をバンカラタイプと呼びましょう。

さて。この4タイプ。コンサルになるのにどれがいいとか悪いとかは全くありません(笑)動機なんて何だって構わないのです。コンサルになった以上その場所でどう頑張りお客さんに価値を提供出来るかだけで評価されるべきだし、実際ファーム内はそうやって運営されてます。志が素晴らしいからって年俸が上がるわけじゃないし動機不純だからってクビになるわけじゃない。プロなんだから結果です。

ところがですね、この入社時の動機というのは案外コンサルをやめた後の人生というかキャリアに大きく影響してくるわけです。赤裸々な現実をお話ししていきましょう。

正統派タイプの人が辞めるときってどういうときか。これはですね、必然的に結構悲しいことが多いなあ。コンサルって自分が思い描いてたものと違う、もしくは自分はコンサルとして通用しない、みたいなパターンが多い。失望感や挫折感をもってやめていくわけです。きついよねこれは。キャリア目標を見失いなんとなく次の仕事に移っていく。もちろんそれなりの企業でそれなりのポジションってのは確保できるんです。そこそこ偉くなっていったりもしてるみたいです。

でもね、輝きを失っている。コンサル会社に入社したときあんなにキラキラしていたのになんで、って思うくらい。無情です。このタイプはまじめにコンサルに取り組む人が一番多いのに、その後の人生がはっきりいって一番冴えない。

もちろんそんな人ばっかりじゃないよ。見事復活し、その後ビジネスマンとして大成功を収めている人もいます。もっと言えばコンサルとして一番成功しやすいのもこのタイプです。コンサル会社をいくつか転々とする人もいますね、結構。昔は業界ゴロとかって揶揄されたりしてましたが僕はそれが悪いこととは全く思わないです。移った先でブレイクする人も多いですし、コンサルを続けたいという思いは尊いですから。

次。偏差値エリートタイプがやめる時ってどういうときか。これは二種類あります。新たにもてはやされる業界とかが出てくるとそっちにどっと流れます。ネットバブルのときの人材流出はすごかった。ドットコムがコンサルでどっと混むって言われてましたから(古っ)

でもう一つのパターンは、自分がちょっとパフォーマンスやばいかなと思うとすぐヘッドハンターや人材紹介会社とかに接触していいポストの話が舞い込んでくるとあっさりやめていきます。どっちのパターンにしろ逃げ足速いってことですが(笑)意外といいんです、この逃げ足は。本人は至ってポジティブにやめていきますし、やめた後もコンサル出身という肩書きをフルに生かして普通の企業人との差別化に成功しています。外資系企業の日本法人トップとかに瞬く間に駆け上がっていく人なんかも結構いるんですよ。

次に独立志向タイプ。このタイプは不思議な人が多いです。将来何か事業を始めたい。けど今はまだ勉強しなきゃ、ってことでコンサルやめたあとも事業会社などに社員として入っていき、そこもまたやめて次の会社へ、みたいな。本人的にはほんとに勉強のつもりみたいです。でもいったいいつまで勉強してるんだろうという人が結構います。なかにはコンサルに復業していく人もいます。事業家として独立していく人は意外と少数派です。ほんと不思議。まあ根っからの事業家志向なら勉強目的でコンサル会社なんぞにこないのかもね。

ドリームインキュベータ(DI)は例外で、設立当初にはストリート系(笑)のやんちゃな若者がじゃんじゃん集まってきてじゃんじゃん採用してましたから、DI出身で会社始めたり会社任されたりしてる人が結構います。どこかに再就職する場合も殆どがベンチャービジネスです。

バンカラタイプははちゃめちゃです。コンサル後のキャリアの多様性を真の意味で生んでいるのはこの人たちかもしれません。どっこい生きていく、みたいな生命力があるのが特徴かな。事業家として成功し会社を上場させた人がいます。自分でコンサル会社始めたりする人がいます。NPO始めた人がいます。物書きになった人もいます。突然音楽業界に入っていく意味不明なやつもいます。もちろんまっとうな企業人になっていく人もいますがそれは少数派。はっきり言って消息不明の怪しい(?)キャリアの人も多いです。

さて。コンサル卒業後のキャリア、ということでとりとめない話をしてまいりました。ところで「卒業」って何でしょうね?コンサル業界では時折使われる言葉なのですが、実は私はあまり好きじゃないんですよ。コンサルファームは学校じゃないですから。クライアントに怒られますよ、お金頂いて「勉強してます」だなんて言ったら。

それに、はっきり言ってそんな大勢の人が「卒業」出来るほど簡単な仕事じゃない。もちろん、自分の長いビジネスキャリアの中でコンサルを通過点として位置づけるのはありだと思う。コンサル経験者の肩書きが今の人材市場でそれなりの価値をもっているのも認めます。でも、腰掛け程度の心積もりやお勉強の気分で取り組んで「卒業」出来ると考えるのは甘すぎますよ。

逆に本当に卒業と言えるほどの取り組みを出来たなら、その後のキャリアにはたくさんの可能性が開かれているはずです。個人的な期待を言わせてもらうならせめて自分にお客さんがつくくらいまではがんばって欲しい。新しい自分に出会えると思います。「卒業後のキャリア」はその後から考え始めても全然遅くないですから。

プロフィール

金光 隆志 氏

京都大学法学部、ボストンコンサルティング グループ マネージャー、ドリームインキュベータ取締役を歴任後、現在音楽を中心に活動。 映画・ビデオなどへ楽曲をプロデュース・提供し、05年春にはアルバムリリース予定。NYにてライブハウス・クラブのプロデュースも手掛けている。
また、従来のキャリアの延長で経営人材育成・派遣や経営支援等も行っている。ASPIREAL代表。Directors代表。RAISEプロデューサー兼ボーカリスト、camino(ロックバンド)エグゼクティブプロデューサー

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