金光隆志のコンサル転職Q&A

[第9回] 論理的思考力はどうすれば身につきますか?

転職のご相談・お問い合わせ

経験豊富な
エージェントに転職相談(無料)してみませんか?

1分で完了無料登録・転職相談

【質問】 
論理的思考力はどうすれば身につきますか?

みなさんこんにちわ。だいぶ涼しくなってきましたね。僕はまた何事もなくひと夏が過ぎてしまいました。いや、何事もなくってことはないですが。ふっふ。 はあ~。(笑)


さてさて、このコンサル就職Q&Aのコーナー。夏の終わりとともに思い出シリーズも終わり、今回からまたまじめな話題にひとつひとつお答えしていきます。よろしくです。

論理的思考力について、結構気にしている人が多いというか関心が高いというか、よくある質問ですね。ファームに入ってからも新人のうちは気にしている人が案外います。 なんでかな? なんで気にするのかな? そういうの考えたことありますか?論理的思考力の向上はそういうところから始まるかも、です。(笑)

気にしているということは、まあだいたい、
1. 自分には論理的思考力が足りないのでは?と思っている
2. 論理的思考力をどんどん極めたい、と思っている
ということだね。

1.の人は漠然とではあっても何か基準に対して不足だと思っている。2.の人は、論理的思考力が武器になると思っている。どちらもコンサルティングファームを意識しているが故にでしょう。じゃあコンサルファームを意識するとなぜ論理的思考力を強く意識するの? クリエイティブ系でなければ他の仕事だって論理的思考力は要求されるはずなのに。コンサルファームでは特に論理的思考力が強く要求されると思っているわけだよね? なんで?? コンサルの人たちがそういうから? じゃあコンサルの人はなんでそういうの? ・・おっとトートロジーちっくになっちゃった(苦笑)

いやあ、論理ってかったるいね(爆)。こんな当たり前な話をここまでもってくるのに一体何文字使ってるんだ。しかもこれでも相当に論理省略してるしね。論理的じゃないところもあるしね。実際問題、がちがちの論理なんて論文じゃあるまいし通常のコミュニケーションには不向きですよね。

さてではコンサルはなぜ論理的思考力が大事だというのか? この問いに答えるには、先ずもってコンサルという仕事の特性を知ってなきゃなりません。そして、コンサルの言う論理的思考力って何のことかがわからなきゃなりません。

コンサル目指していてかつ論理的思考力を気にする人。その大半が、これを知らない、解っていない。中途半端に解ってるってのは一番たちが悪いです。みーしーみーしー言うてる人。やばいやばい。コンサルでも一つ間違えるとどつぼです。日常会話にまでこれを持ち出す人が結構いますが、確実に異性から相手にされなくなりますよ~(笑)
なので僕はここからみーしーじゃない書き方しますんでよろしくです。ん?

コンサルって仕事。アドバイザーであったりトレーナーであったりするわけですが、本質的な立場として、第三者である、ってのがあるわけですよね。この第三者性ってのが重要なのです。クライアントが当事者である自分たちやお客様にではなく、第三者に意見を求める。なんで?客観的な意見が欲しいからですよね。客観的という立場には、情や思い込みではなく理によって公正に、という意味があり、さらに言えば、科学的な立場という意味が強く含まれているわけです。

コンサルタントに求められる論理的思考というのはここにおいて科学的思考と読み替えてもほぼ間違いではありません。ぴらみっどなんとか、とか、 いしゅーつりー、とかそれ自体は別に絶対的な方法論じゃありません。もちろ んコンサルなら使えなきゃいけないけど、必要に応じて使おうと思ったときに使うっていう程度のものだと思っておいたほうが健全です。うまく使わないと思考の効率性や創造性をかなり犠牲にします。今日は深堀りしませんが、最も重要なのはインサイトなのです。インサイトも、論理を突き詰めた末に出てくるものじゃないと単なる思い付きに過ぎないことは多い。でもインサイトとは論理を飛躍したヒラメキであることは間違いない。

話しを戻しましょう。コンサルタントに求められる論理的思考力向上の出発点。それは科学的な立場(=客観的な立場)に立つ、ということです。これなくして、手段としてのMECEなどなど方法論ばかり覚えていっても、砂上の楼閣。形だけの真似っこなんて、ちょっと話せば化けの皮はがれます。

でも、科学的な立場って何?客観的な立場ってそんなに難しいことなのか?まあ難しいともいえるし、慣れの問題とも言えますね。例えば、人の話を情抜きにデジタルな情報としてだけ聞き続けること、できます?これね、慣れてないと案外難しいよ。人間なんだから外部からの刺激を受ければ必ず主観の反応や感情の動きというのがあります。それを出来るだけ排除して聞くわけ。 ロボちっくに。なかなか出来るこっちゃありません。

だけど、意識するだけでも、人の話が随分と違って聞こえると思います。ちょっと自分がどっかへいっちゃった感覚を覚えると思う。慣れてくると、どっかいっちゃた別の自分が客観的にいて、主観の自分をコントロールするってとこまでいけるかもしれません。コンサルタントと話していて奇妙な冷静さを感じること、ありません?その正体はこれです。周囲からすると気持ち悪い人間になっちゃうけど、一流のコンサル目指すなら一度は通らなきゃならん道かな。

MECEってのも、この客観的立場と結びつけて考えれば少々見え方が変わります。人間誰しも、自分が、「こうじゃないか」と思ったことからなかなか離れられません。そして、自分の意見をサポートする都合のよい意見や情報にばかり反応するようになります。主観から離れられないのは宿命ですよね。それを意図的に突き放すならば、他の色んな可能性や検討すべきポイントが、先ずは等価になって現れるはず。

その意図的に突き放す手段として、MECEは有効な方法論の一つであるわけです。この理解なくして手段としてのMECEばっかり追いかけるとどつぼにはまる。乱暴に言いかえれば、自分の仮説(仮説は未だ主観の色を帯びた見解であり、インサイトに基づくことが多い)なくしていきなりMECEとかはじめちゃうとどつぼ。仮説があるからMECEを展開する切り口も定まるのです。切り口なきMECEや論点の展開など、無価値です。あてづっぽうと変わらない。

話のポイントがぼやけてきました。もう一度戻り整理しておきましょう。コンサルタントに求められる論理的思考力とは、先ずもって客観的・科学的な立場・態度を持つということです。科学の根本には、真実を明らかにしたい、という探究心があるはず。これがないと科学なんて始まらないよ、絶対。そして、真実を明らかにするにはCoolな目線が必要。情や思い込みを排除して情報を受け取ることが基本。これにはある程度の訓練を要します。自分を見ているもう一人の自分を感じることが出来たらある程度のレベルに達していると思ってよいでしょう。

しかし何もかもデジタルというわけにはいきません。人間にはひらめきという素晴らしい能力があります。思考を圧倒的に効果的効率的にしてくれます。ひらめきこそが本当の付加価値の源泉。だけど、ひらめきはいまだ検証を経ていない主観・仮説にすぎない。ひらめきの後、今一度それを突き放すこと。これも難しい。その時に色んな方法論が助けになってくれます。切り口があればそれらは強力な武器になります。

様々な検証を経て、一つの結論に達したなら、こんどはそれを相手に伝えていくことになります。客観的な言説がもとめられます。すなわち論理的に話すということ。紙面の都合上詳細は割愛しますが、分析していったときの論理をそのまま相手にぶつけても伝達効率は悪い。話す論理は話す論理として再構築が必要です。

論理構築の仕方は色々あるのですが、大事なのは、構築した論理を再び客観的な目で検証することです。所謂つっこみどころ。つっこみどころが見つからないなんてことは珍しいです。それこそ主観から離れられていないことの傍証。しっかり自分で自分に突っ込みいれなきゃなりません。これも訓練がいりますね。恐らくは論理構築してしまったあとの突き放しのほうが難しい。人に突っ込んでもらうなどしながら少しづつ突き放すことに慣れていきましょう。

さて。最後に。客観的な立場、冷めた目線、情を排して話を聞く。などなど。なんだか嫌なやつになりそうですよね。でも、絶対に必要。論理に情なんてないよ。
だけどね、情をなくしたら終わり。人間としてはもちろん(笑)コンサルとしても。受け取る側は論理だけで話を聞くわけじゃない。コンサルには論理を求めているのに、人間だからどうしても感情が反応するよ。そんな時。こっちに情があるから論理も通じるのさ。

うそ臭い情は止めましょう。余計嫌われます。心底の情です。 ちなみにCoolな態度の後にたっぷりな情を出してごらん。相手イチコロかも。 おっとっと。そういう指南はあからさまにしちゃいけないですね(笑) ではではまた。

プロフィール

金光 隆志 氏

京都大学法学部、ボストンコンサルティング グループ マネージャー、ドリームインキュベータ取締役を歴任後、現在音楽を中心に活動。 映画・ビデオなどへ楽曲をプロデュース・提供し、05年春にはアルバムリリース予定。NYにてライブハウス・クラブのプロデュースも手掛けている。
また、従来のキャリアの延長で経営人材育成・派遣や経営支援等も行っている。ASPIREAL代表。Directors代表。RAISEプロデューサー兼ボーカリスト、camino(ロックバンド)エグゼクティブプロデューサー

初めての方へ 私たちキャリアインキュベーションについて

転職のご相談・お問い合わせ 業界の専門分野で10年以上の
経験を持つエージェントに
転職相談(無料)
してみませんか?

あなたのキャリアに関する相談相手として、現在の状況に耳を傾け、これまでのご経験や今後のポテンシャル、
将来の展望を整理し、よりふさわしいキャリアをご提案します。

1分で完了 無料登録・転職相談

現在約6000人以上が登録中!
転職活動にすぐに役立つ
メールマガジン(無料)もございます。

メールマガジン登録(無料)