金光隆志のコンサル転職Q&A

[第12回] MBA留学かコンサル就職か迷っているのですが...

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【質問】 
MBA留学かコンサル就職か迷っているのですが...

もう年末ですね。はやいはやい。街はすっかりクリスマスになってきて、街路を歩くのがとっても楽しい季節。財布の紐がつい緩んでしまいます(笑)


さてさて。MBA留学かコンサル就職か。何が目的か、によって変わってきそうですね。

コンサルの中にはMBAもnon MBAもどっちもいますがMBAホルダーの方が人数は多いと思います。入社後にどっちが活躍してる確率が高いかっていうと多分non MBAかな。先入観なくコンサルのノウハウを身につけていくからかもしれませんし、素材だけで採用されているわけですから、何かもともと光るものを持っている可能性が若干高いのかもしれません。

ま、それはともかくですね、私の個人的見解ではMBAで学ぶことってコンサルやる上で別に不可欠ではないと思います。コンサルになる準備としてMBAで学ぶことを考えるのなら、僕の答えはNoです。資格としての意味合いを抜きにすれば。ま、それも大したことないけど。その論点についてはちょっとだけ後述しましょう。

では、MBAで学ぶ内容って何なのか。どの程度留学費用に見合う価値があるのか。うーん。正直よくわからないです。もっと正直にぶっちゃけてしまうと、あれだけのことを学習するのだけが目的なら2年かからんだろうとは思います。いやほんと、寝る暇ないほど勉強させられるみたいだけどちょっと信じがたいよ。

学問として考えるならMBAよりも日本の進学高校で学ぶ3年間の内容のほうがはるかに難しいし。先生も結論を言わず色んな観点で議論させていくケーススタディに価値があるらしいけど、まゆつばだね(笑)。MBA卒業生達とは採用面接や入社後のプロジェクトミーティングで散々議論してきたけど、もうちっとまともなことは言えんのか!!って思う事ばっかりだったし(爆)。

じゃあMBA留学には価値が無いのか? 僕は大いにあると思っています。あれ?っていや、ほんとうにです。

先ず、MBA留学すれば殆どの人は飛躍的に英語能力が格段に上がりますよね。これは日本にいても中々難しいこと。留学しなくても住んじゃえば、みたいなことを言う人もいますが、じゃああんた住めんのか?? 恋人を英米人にすれば、みたいなこと言う人もいますが、じゃああんたそれ目的だけで付き合えんのか?? いや、相手だって選ぶ権利あるし、特に男にとっては至難の業だぜ。(笑)

ふざけていってますけど、大真面目に、日本人にとって英語を習得することは大変に困難なことだと思うのです。大人になってからならなおさら。そんな中で、MBA留学というのは、一般的なビジネスパーソンにとって、英語能力向上の数少ない絶好の機会の一つであることは間違いありません。

BCGでマネージャーやってた頃、MBA卒業生達は日本語の議論の時にはバカにしか見えないこともしばしばでしたが、外人と英語で議論するときなど、とたんに頼りになりました。っていうか、そのときは逆に僕がバカにしか見えなくなってましたから(笑)英語能力をバカにしないで下さい。甘く見ないで下さい。英語でビジネス会話ができるかどうかは、あなたのビジネスキャリアや人としての可能性を大きく左右するよ。ほんとうです。

長い人生における2年間をもう一度学生として、しかも異国文化の中で過ごす、ということもMBA留学の魅力だと思います。遊んでる暇なんてないってよく聞きますけど、遊べばいいじゃん。せっかく行くなら色んなものを見て感じて、色んな人と触れて、感受性を豊かにして帰ってくるほうがいいと思う。ケーススタディの議論なんかよりよっぽど異質な価値観やものの見方感じ方を吸収できるんじゃないかな。日常の中で異国文化にどっぷり浸る。これも旅行なんかじゃ絶対手に入らない経験だと思います。個人的にはパリが大好きなので、留学するなら僕だったらフランスがいいな。他のヨーロッパの国々にも電車で行けるし。いいな。人生における贅沢だな。インシアード留学ってあこがれます。

沢山の友人が出来ること。これもMBA留学ならではだと思う。卒業後もマメに連絡をとりあう労を厭わなければ、これこそ留学における最大の財産なんじゃないですか。先生ともぜひとも仲良くなっておきたいものですよね。欧米の大学の先生の人脈や影響力は半端じゃないから。あなた自身が先生に恩返ししていく気持ちを持たなきゃ駄目だけど、その気持ちがあれば、先生はきっといつなんどきでもあなたが必要とするときにあなたの力になってくれるはず。言ってはなんですが、平均的な日本の大学の先生よりはるかに人間として美しくて器の大きい人が多いからね。

学習内容だけが興味の対象ならわざわざ留学しなくても日本でMBAとったらいい。日本語で勉強するほうがきっと効率的です。でも、MBA留学には、日本では絶対に手に入らない色んな魅力的なオプションが付いている。それが留学の価値だと思います。

さて、もしあなたが、上述のような目的ではなく、肩書きとして・制度としてのMBAという資格に魅力を感じているのなら。僕はそんなに魅力的だとは思わない。それだったら一流ファームにいたってことのほうが、ましてやそこでマネージャーやオフィサーをやっていたってことのほうが、差別化された肩書きになります。少なくともビッグビジネスの世界においてはね。ベンチャーやりまーっすとか全く違う世界、例えば政治とか、って場合は少し話しが変わってくるのだろうけれど。留学なんてしないで早くコンサルファームに入って早く出世したほうがいいんじゃないかな。

実際、留学しないでファームに入ったほうが出世は早いよ。留学準備期間まで含めて考えれば、3年から4年は違ってくる。この時間差はコンサルファームでは大きい。さっき申し上げたとおり、MBAで学んだからといってファームでのスタートが高い位置から始まるとか仕事力においてアドバンテージがあるとかってことは皆無に等しいです。もしかするとスターティングサラリーに少し差をつけられちゃうかもだけど、大した金じゃないよ。そんなのすぐ取り返せるし。目先の金の差より、早くコンサルとしてのキャリアをスタートさせることのほうが現在価値は圧倒的に大きいから。それに30代半ばまでにオフィサーになれればあなたはファーム内のスターです(笑)

さて。とりとめもなく話を続けてきたけれど、僕自身が今のあなたならどんな選択をするか、最後に話しておきましょうか。あくまで個人的な見解です。

僕だったら留学を選びます。実際の僕自身は留学せず、学卒でコンサルになって以来ずっとコンサルのキャリアを積んでいったわけで、ひょっとすると隣の芝生が青く見えてるだけかもしれないけど。青いんだもん、しょーがないじゃん(苦笑)

コンサルとしてとても濃密な時間を過ごしたって自負はあります。相当頑張ったし。苦労したし。すげえ成長できたし。傲慢だけど、今だって職人芸として戦略立案だけをとりあげれば日本で10ッポンの指に入ってるとマジで思ってますよ。現役やめちゃったけどさ(笑)でも長い人生で若い頃の2年だかを留学に費やしたからって全然無駄じゃなかった。それどころか、きっと違う自分になってたかと思うとワクワクする。ま、このへんになってくるとビジネスだけに留まらない価値観みたいなものに拠るから人によって答えは様々であるべきだと思います。

あー。またパリ行きたくなってきた。冬休みとっていこっかなぁ。でも寒いし。一人じゃちょいと寂しいしな。(苦笑)

プロフィール

金光 隆志 氏

京都大学法学部、ボストンコンサルティング グループ マネージャー、ドリームインキュベータ取締役を歴任後、現在音楽を中心に活動。 映画・ビデオなどへ楽曲をプロデュース・提供し、05年春にはアルバムリリース予定。NYにてライブハウス・クラブのプロデュースも手掛けている。
また、従来のキャリアの延長で経営人材育成・派遣や経営支援等も行っている。ASPIREAL代表。Directors代表。RAISEプロデューサー兼ボーカリスト、camino(ロックバンド)エグゼクティブプロデューサー

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