金光隆志のコンサル転職Q&A

[第27回] コンサル会社でケースリーダーを1年ほど経験しました...

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【質問】 
現在コンサルティング会社でケースリーダーを1年ほど経験しました。自分でも向いていると思っていますが、そのままパートナーをめざしていいのか、事業会社に出るべきか迷っています。出ることと残ること、そのメリット、デメリットのアドバイスをいただけますか。
(32歳/男性 戦略コンサルタント)

皆さん、こんにちは。最近また寒くなりましたね。しかも花粉がかなり飛んでる感じで。私は、風邪やらアレルギーやらで結構きつい日々が続いております。

さて。パートナーを目指すか、事業会社に出るか。
出ることと残ることのメリットとデメリットを、一般論として論じることは難しいです。

ケースリーダーを1年経験されたのであれば、クライアントデベロップメント(要はセールス)の手伝いなども含め、コンサルティングビジネスについて最低限の一通りは経験された・あるいは垣間見られたのであろうと想像します。ですが、恐らくは最低限の経験です。

ご質問に真正面からお答えする前に、個人的には、コンサルティングをあと一年か二年は続けておくことをお勧めします。コンサルティングを続けるか、事業会社に出るか、はたまた違う道を歩むか。その判断は、ケースリーダー経験をもう少し積んでからでも全然遅くはないのでは、と思います。

コンサルタントとしての仕事の醍醐味は、まさにこれから。いや、まさにこれから1?2年くらいが一番面白い時期なのではないでしょうか。私自身はそうでしたし、私の周囲でも多くの人が、ケースリーダー2年目から3年目の時期が一番エキサイティングだったと感じていたようです。今からの2年間、あなたのコンサルタントとしての能力は飛躍的に向上し開花していくはずです。

料理に喩えてみましょう(料理に詳しいわけでもなんでもありませんが。。)。あなたはこれまでの数年間、つらく厳しい下積みを経験してこられました。そして、この間に基礎的な技術のベースは身につけてきました。料理道具の基本的な使い方や一通りの調理法などです。まだ一人前とは呼べません。あなたの実際の料理の経験の幅は、あまりに狭い。ですが、基礎はある。

これから経験を積んでいくことで、めきめきとあなたの料理の腕は磨かれていくはずです。同じようなメニューであっても、わずかに素材が違うだけで料理法は変わってくるでしょうし、焼き加減や煮加減等から味付けや盛り付けまで、経験を積むことでこれからあなたは様々なノウハウを身につけていくはずです。基礎があるからこそ、これから経験していくこは全て血肉となって身についていくはずです。あなた自身が自分で驚くほど、急速に料理の腕が上がっていくことでしょう。

現場を任されるようになって最初のころは決まった献立を決まった料理法でこなすのが精一杯だったでしょう。ですが今やあなたは、どんなメニューでも、メニューにないものでも、自在に調理することができる。十分な材料や道具がない状況でも、ありものだけからでも、十分店で出せるような独創的な料理を作ってしまえる。

いずれあなた自身の、誰にも負けない得意料理や個性なども生まれてくるでしょう。そうなった時には、あなたの料理のファンがきっと出てくるでしょう。そして、たとえ一人でも、舌の肥えたお客様や評論家から認められ、ひいきにしてもらえるようになれば。あなたは一人前です。

料理のたとえ話のように、ケースリーダー経験1年のあなたは今ようやく基礎的技術を一通り学んだ段階なのです。様々なプロジェクトのマネジメントをこれから積んでいくことで、どんどん問題解決における自在性を身につけていくはずです。1番楽しくて一番成長できる時期。つまりコンサルタントのキャリアにおいて、一番おいしい時期。

ですので、今ここで、コンサルタントを辞めるのはとてももったいない気がします。ここで辞めるくらいならもっと早く辞めておくべきだったとすら思います。

ケースリーダーとして伸び盛りの時期を経て、ついにあなたはパートナー候補の一人になりました。ここにきて、初めてあなたは岐路に立つのかもしれません。立つというか立てるというか。

パートナーになるのか、この段階で事業会社等他のキャリアへと進むのかは、一般論的なメリット・デメリットで比較できるものではないでしょう。各人それぞれの状況や目標、周囲の環境、運や偶然、などなどが重なって、各人固有の判断になってくるのだと思います。

例えば、パートナーになることのメリット・デメリットといっても人によって状況によって全然違ってきます。パートナーになればまあまあお給料はいいから、金銭的な部分にメリットを感じる人はいるでしょう。お給料があがることで生活水準は間違いなく上がります。その結果、仕事に魅力を感じなくなっても中々パートナーを辞められない、家族がいるとなおさら、みたいなのがデメリットになってくるかもしれません(笑)。

あるいは、パートナーになれば、有力企業のトップ層から直接相談を受ける立場になります。そういった立場で仕事を出来ることに満足感やメリットを感じる人もいるでしょう。逆に、シニアになればなるほど、コンサルティングの現場からは必然的に離れざるを得ません。いくつものプロジェクトを抱えるわけですから、一つ一つのプロジェクトに十分な時間的コミットを行うことは出来なくなります。問題解決に深く関与していく醍醐味みたいなのは薄れていくでしょう。そのことにデメリットを感じる人もいるかもしれません。

どんなことにもコインのように表と裏がある。表裏一体です。同じ事柄でも表から見るか裏から見るか各人によって違うでしょう。その結果、同じある事柄に対しある人にはメリットを大きく感じ、別の人はデメリットを大きく感じる。だから、単純にメリット・デメリットを比較することは難しいし、あまり意味のあることではない気がします。

むしろ僕としては、そういうことを真剣に考える意味が出てくるところまで、先ずはコンサルとして頑張って一人前になってほしいな、という風に思います。もちろんそれとて、個別具体的な状況や各人によるわけですけれどもね。

プロフィール

金光 隆志 氏

京都大学法学部、ボストンコンサルティング グループ マネージャー、ドリームインキュベータ取締役を歴任後、現在音楽を中心に活動。 映画・ビデオなどへ楽曲をプロデュース・提供し、05年春にはアルバムリリース予定。NYにてライブハウス・クラブのプロデュースも手掛けている。
また、従来のキャリアの延長で経営人材育成・派遣や経営支援等も行っている。ASPIREAL代表。Directors代表。RAISEプロデューサー兼ボーカリスト、camino(ロックバンド)エグゼクティブプロデューサー

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