金光隆志のコンサル転職Q&A

[第42回] サブプライム問題が日本及び日本のコンサル業界に及ぼす影響

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【質問】 
サブプライム問題でアメリカの景気は相当冷え込んでますね。これが日本及び日本のコンサル業界に及ぼす影響についてどのようにお考えでしょうか。ご意見お聞かせください。(通信業界 28歳 コンサル志望)

こんにちは。だいぶ暑くなってきましたね。

さて。今回のご質問。質問する相手が間違っていますね。経済の専門家が日本経済への影響をどう考えているかとか現役コンサルの方の実感とか、聞いてみたり調べられるのがいいと思います。本当に。経済専門家でも現役コンサルでもない私に聞かれても、答えようが。。

メルマガのコラムといえど、キャリアインキュベーションさんの信用を傷つける訳にはいかないので、余りいい加減な事は書けない。しかし、この質問を選んだキャリアインキュベーションさんにも責任の一端は負ってもらうという前提で、何かは言いましょう。

先ず、サブプライム問題。これは、本来そんな大騒ぎするような性質の問題なのでしょうか。先ずもって、米国における金融プチバブルの崩壊でしかない、と勝手に思っています。金融システム全体を揺るがすような、引いては世界経済を不況に巻き込むような大問題だとは思えません。一応、「本来は」ということわりと逃げを入れておきますが。

信用力の低い人、もっと言えば、普通なら返せない・返さないだろう人に対して、不動産価格の上昇見込みを背景に貸し付けていたものが、不動産価格上昇も上昇期待も止まったことで、回収不能になった。本来はそれだけのこと。それって米国住宅ローン全体の何割くらいの話しなんでしょうか。更に言えば、米国総投融資額の何割くらいの話しなんでしょう?

金融不安や信用不安の直接原因どころか、引き金にすらならないはずのレベルだと思います。

小口債券化されたサブプライム関連の商品を多くのヘッジファンドが組み入れ、その損失規模は未だ見えない、といった見解もあるようですが、大規模な破綻が起こるなら、既に起こっているはずだと思われます。

ヘッジファンドを始め多くの機関投資家が、高利回り商品としてサブプライム関連商品を組み入れていたことは事実だと思いますし、想定リスク以上の損失が発生し、しかも追加融資緊縮が起こったたために、特にヘッジファンドが資金ぐりの為に保有株を売却して株安を誘発したのも事実でしょう。

しかし、それだけのことといえばそれだけのこと。資金繰りがどうしようもなくなり続々とヘッジファンドが破綻、という事実は存在しません。乱暴に言えば、確かに痛かったがまあなんとかなっている、と考えるのが合理的推定というものではないかと思われます。

株が売られたことにより、株安が起こりました。日本の株式市場でも、外国人を中心に相当売られたのだと思います。でも、これ以上大幅に下落していくということは、合理的推論の範囲においては無いと考えてよいのではないかと思います。市況とは別の理由で外国人が売りに出る時は、本当に一気に売り浴びせます。彼らにとって短期の今を乗り切ることが最優先で、今売ると損、とか関係ありませんから。

全くの私見ですし、検証の仕様もありませんが、既に十分売られたと思います。もちろんまだ、例えば今後より一層の不動産価格下落により、更なる株の投げ売りも起こるかも知れませんが、ドタカン的に言って、サブプライム関連での売りは、既に8割以上終わっているのではと思います。

私がファンドマネージャーなら、少し先まで見越した対応を余力のあるうちに行いますし、私でなくとも、皆そうでしょう。今年の4月以降は株価は緩やかに上昇しています。下げ止まっている、と見るべきかな。いずれにせよ落ち着いています。

さて、この日本の株安。景気や日本企業の収益や、それに伴う企業行動に、どう影響を及ぼし、それがコンサル業界にどう影響するのか。端的に言えば、今後はサブプライム問題に端を発する株安自体からは、そんなに大きな影響は無いでしょう。企業による保有株の決算上の損切りは、既に前期でほぼ出し尽くしていると思います。もちろんまだ評価損は出るでしょうが、既に相当な株安ですから今後出る損は小さいはずです。自社の株価にしても、既に相当下がっていることは同様です。

もちろん、今期の収益回復は皆が目指すところで、短期的なボトムラインインパクトを考慮して、コンサル費を抑える、という動きもあるでしょう。でもそれは本当に一時的なものであるはずです。

景気懸念ということで言えば、サブプライム問題よりもむしろ個人的にはインフレ懸念の方が気になるところです。インフレこそ、個人の消費はもちろんのこと、ほぼ全ての企業に影響を及ぼします。売り上げに対し数%の利益しか無い大半の企業にとって、数%のインフレのインパクトを想像してみて下さい。景気停滞局面におけるインフレは、国の金融・経済政策を難しくさせる以上に、企業の経営舵取りを難しくするものなのです。

BCGの創業者、ブルース・ヘンダーソンは、こうしたインフレ局面における企業のとるべき戦略行動について、かなり独創的で鋭い考察を行っています。インフレ時こそ、積極的に投資せよ、競争的価格政策によってシェア増を目指せ、と言いました。何故このようなインプリケーションになるのか、すぐに解る人は相当戦略センスが良い人です。興味のある方はBCGの初期の頃の展望を読まれることをお薦めします。(廃版になっていなければですが)
インフレ時こそ投資せよ、というヘンダーソンのシンプルな論理展開は、若かった頃(笑)の私にとっては衝撃でした。

横道にそれてしまいましたね。今回は私の専門外・勉強不足で、余り多くを語ることが出来ませんでした。

プロフィール

金光 隆志 氏

京都大学法学部、ボストンコンサルティング グループ マネージャー、ドリームインキュベータ取締役を歴任後、現在音楽を中心に活動。 映画・ビデオなどへ楽曲をプロデュース・提供し、05年春にはアルバムリリース予定。NYにてライブハウス・クラブのプロデュースも手掛けている。
また、従来のキャリアの延長で経営人材育成・派遣や経営支援等も行っている。ASPIREAL代表。Directors代表。RAISEプロデューサー兼ボーカリスト、camino(ロックバンド)エグゼクティブプロデューサー

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