■ ピッツバーグへ無事(?)到着
家を出てから20時間たった。長すぎである。長時間渡航に足がむくみ、靴が履けないほどだった。飛行機代をケチって一番安い便を選んだのが失敗だった。ピッツバーグへ行くのになぜかアトランタ経由。ピッツバーグ国際空港に着いたときには疲労困憊、迎えにきてくれていた大学時代の友人の家にひとまず招待してもらって救われた。そのときに頂いたIron City(ピッツバーグの地ビール)と友人の自作カレーが美味かった。
しかし、おちおち休んでもいられない。3・4日もすれば、Pre-MBAプログラムがスタートしてしまう。それまでの間になるべく生活環境を整える必要がある。銀行口座の開設、運転免許の取得、電話線の開通 、健康保険への加入(日本で加入した保険でカバーされないもの)、CATVのセットアップ(電波が弱いため有線が必要)、家具・電化製品・食材・車の購入等・・・。日本を発つときにも相当バタついたが、どうやらそれ以上の作業が待ち構えていそうである。
■ カーネギーメロン大学のPre-MBAプログラム
MBAの本講義は8月26日、すなわち1ヶ月後からスタートである。が、それまでの期間が別 に休暇というわけではなく、各種のPre-MBAプログラムやオリエンテーションといったスケジュールがギッチリ組み込まれている。CMUのビジネススクール(GSIA)では「数量 分析」や「IT」に関するスキルが重要視されており、また、生徒の英語コミュニケーション能力も当然必須要件とされている。そこで夏の間、これらの分野の基礎固めとして次の4つのPre-MBAプログラムが用意されている:
(1)Summer Institute for International Students in Business: いわゆる「サマースクール」と呼ばれる外国人のための英語学校で、6週間のプログラム。全米でも有名なプログラムで、他校のMBAの生徒も多数参加する。6月から7月中旬に実施される。
(2)QSRP (Quantitative Skills Review Program): 数量分析を網羅的に復習する3週間のプログラム。"Introductory Mathematical Analysis"という約1,000ページの教材を使用。(4)と比較するとソフトなプログラムで、課題も試験もない自発性が求められるプログラム。最初からバリバリやりたくない人にはお勧めである。7月後半から8月中旬に実施。
(3) ISW (Information Systems Workshop): CMUのネットワーク環境を前提としたPCスキル、ネットワークスキル等の向上を目的とした3週間のトレーニング。(2)と同じ時期に実施されるが、午前・午後で時間帯が異なるため、同時に履修することが可能。GSIAの名物であるモManagement Gameモと呼ばれる意思決定数値シミュレーションのプチ・バージョンも体験できる。
(4)Calculus for Business: 微分積分を網羅的に復習する3週間のプログラム。毎日課題が出されるほか、試験も実施されるかなりハードなプログラム。このプログラムを履修した同期生はたびたび「合宿」を強いられたとのこと。ハードだけあって、後々役立つとの評判。(1)と期間が重複しているため、同時受講はやや難しいらしい。
■ QSRPスタートへ
私の場合、カーネギーメロン大学での生活は7月29日から開講されるQSRPから始まる。実は私は文系の学部(総合政策学部)卒業であったため、当初Admission Officeより「(2) QSRPと(4)Calculusの受講」が合格の条件とされた。しかし、時間的・金銭的余裕がなかったため、Calculusは「そのくらい分かる」とAdmission Officeと強気でネゴり、免除してもらったのである。(後で内容を聞いたところ、Calculusはやっておく価値があったかも・・・とも正直感じている。)
ところで、よく「MBAのサマーはとる必要ない、金の無駄」といった評判を聞く。しかし、必要あるかないかは完全に本人の努力とニーズ次第であると思う。受講有無の決定にあたっては、サマープログラムの内容を学校のWebsiteや在校生からよくよく入手しておくのがよい。「一応受講しておこう」程度の心意気であると心もとないが、それなりのガッツをもって挑めば、ネットワークも広がるし学校周辺の土地鑑も深まる。MBA生活にも潤いが出るだろう。また、生活環境が準備期間としても使用できる。(生活環境が落ち着くまでに、通 常2~3週間は最低かかるらしい。)
次回はQSRPの具体的内容や学校周辺の様子等についてご報告します。