■ 3倍いる体力、物事は3分の1しか進まない
予想はしていたが、生活のセットアップには本当に骨が折れる。日本にいるときより体力が3倍必要だと感じる。そのくせ物事は3分の1しか進まない。米国の勝手が分かっていないことに原因の7割はあると思うが、「ちょっと待ってよ・・」と苦笑するしかないミスが先方にあるのも事実だ。
例えば、銀行口座を開いてもCheck Cardがまったく送られてこなかったり、催促してやっときたと思ったらなぜか2枚同じものが送られてくる・・。家具屋の配送先住所は要注意で、すでにミスを2度目撃しているため、店のPCに自分で入力させてもらう。実際の配送が朝6時台にきたときは驚いた。CATVの線をひくにも技師がアポイントをすっぽかすこともザラで、私の場合は2時間遅れでマシな方だった(これも来ないので催促電話をいれた結果 )。割合まともなアパートに住んでいるが、先週末には風呂から下の階に水が漏れたらしく大騒ぎに-どうも水周りが弱いようで、今も我が家には水道管修理の大穴が開いたまま・・・。
【やっとまともになってきた我が家 - 中古ソファがほしい】
今となっては笑い話だが、日本では「考えられん!」ということ続きで、辛いときもしばしば。否応なしに体力がつき、フットワークが軽くなる。また、自分ですべて管理しようという意識が強烈になる。日本のサービスのクオリティの高さと、それに甘んじてきた自分に気づく。
聞いたところによると、(日本人なら)誰でも米国で初めて生活をセットアップするときには、多かれ少なかれ似たような体験をするらしい。銀行での書類紛失等、笑うに笑えないような話もしばしばある。郷に入っては郷に従え-こちらがそれに対応すべく行動規範を身につけるしかない。ストレスがたまったら、ジムにでもいって、ストレス発散と溜まり気味のカロリーを消費すればいい。
■ QSRPスタートへ
CMUのビジネススクール(GSIA, Graduate School of Industrial Administration)は、CMUの一番奥にある。例年、GSIAは一学年220人程度の少人数制をとっているが、そのうち約150人がQSRP(Quantitative Skills Review Program、3週間の数学講義)に参加する。GSIAは数量分析や科学的手法を重要視するモSharp Generalistモの育成を目指しているため、多くの生徒は合格の附帯条件としてQSRPの受講を課されるが、一部のEngineeringや数学に強いバックグラウンドをもった学生は免除される。
講義内容は、方程式の基礎から微分、積分、指数関数、対数関数、確率統計、行列等まで、日本でいうと大学受験レベルの数学を広く浅く行うといったイメージ。約1,000ページの分厚い教科書を使用。教師はGeorgia Institute of Technologyの数学の教授で、Pureな数学ではなく「ビジネスや経済学に使える数学」を重視、途中でファイナンスや投資の話、マクロ・ミクロ経済学の話が織り交ざる。私は当初、「数学のスクールなんて面 白そうだ」とワクワクして受講していたが、やがて「数学に偏重しすぎてないか?実学への応用は?」と疑問を抱きながら授業を受けていた。まあ、本学期に入ればビジネス中心になることは疑いないため、今は「基礎」と思って数学に集中。
【GSIAの建物 Posner Hall】
QSRPの期間中から、GSIA特有の「B**rs!!」というビールの飲み会が開催されるようになった。(アルコールはご法度なのか、なぜかBeers!!とは書かず、B**rs!!と書く。)本学期以降もときどき金曜日の16:00から開催されるものらしく、ビール(飲み放題)とちょっとしたお摘まみの振る舞いがあり、勉学のストレスを発散するという趣旨(?)。学校内は飲酒禁止であるため、GSIAビルの中庭で開催(中庭も学校内だと思うのですが・・)、ビールの持ち出しは禁止だ。他の学生と話すいい機会で、学生以外にも教授やAdmission Office、Financial Aid Officeの担当者が参加するため、情報交換の場としても機能している。
【8月13日(金)のB**rs!!の模様 - 中庭なのでやや日当たり悪し】
■ 本学期スタートへ
8月16日でQSRPも無事終了し、26日スタートの本学期に向けて、来週から(日曜日!から)1週間、毎日のように朝から晩までオリエンテーション尽くめだ。この間に全ての生活セットアップを終えておかないと、本学期スタート以降、忙しくて大変なことになるらしい。気を引き締めてとりかかる。
■ 友達インタビュー(1):
ラメズ・キュベイン「ヨルダン経済復興に一躍担いたい」
(※今回からCMUのビジネス・スクールで出会った友人を不定期に紹介します。)
● 名 前: ラメズ・キュベイン(Ramez Qubain)、26歳
● 出身国: ヨルダン
● 前 職: アクセンチュア(シャルロット事務所、NC州)
業務内容はITコンサルティング、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント・コンサルティング
● 留学後の夢:
「卒業後はグローバルな戦略系コンサルティング・ファームへの就職を希望している。ここ数年間でヨルダンはWTOに加盟し、米国とも自由貿易協定を締結した。この先、ヨルダン経済は世界的な競争に巻き込まれていくだろう。ヨルダン企業にとっては、ピンチでもありチャンスでもある。私の最終的なゴールはそのようなヨルダン企業に戦略志向の経営手法を伝達していくこと。戦略系コンサルティング・ファームで経験を積んだ後、ヨルダンに帰国して、その経済復興に一躍担いたい。
● その他:
ヨルダンからGSIAへ留学してきた歴史上初めての学生。