Campus Report 2002

高橋 邦比呂 to Tepper School of Business, Carnegie Mellon University(全46回)

MBAホルダーへの道

Vol.4 本学期の下準備 - Orientation Week !!

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■ CMU旅行記(1) - ピッツバーグ - 「鉄鋼の街」からの転身

(※今回からCMUやCMU周辺にまつわる歴史や小話を不定期に紹介いたします)

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ピッツバーグは、米国のペンシルバニア州の西部に位 置する都市で、かつて大量に産出された石炭や天然ガスを利用した鉄鋼業が栄えた背景から「鉄鋼の街」と呼ばれている。しかし、1980年頃には鉄鋼業は衰退し、現在ではコンピュータソフトウェア産業、バイオテクノロジー、ロボティックスといったハイテク産業への移行が目覚しい。現在、ソフトウェア企業だけで450社以上あるという。ちなみに、Fortune500の企業のうち、Alcoa、Heinz、PNC Financial Services Groupなど10社弱がピッツバーグに拠点を置いている。

私は「ピッツバーグ」とはじめ聞いたとき、「煙」と思った。かつて「煤煙の街」とか「自殺が正当化される街」とも呼ばれるくらい空気汚染・水質汚染の進行した都市で、当時の昼間の写 真を見ても煤煙で真っ暗だ。が、「ルネッサンス計画」という環境改善計画が1950年頃から実施されて以来、ピッツバーグは大きく変わった。今では「全米の住みよい街ランキング」でもTop10入りするようになっている。(1985年には全米No.1にランキングされている)自然環境は勿論、犯罪率の低さ、物価の安さ、都市部と田舎部のバランスのよさ、美術館や博物館の数、教育環境の整備等から、「仕事とプライベートを両立できる街」としても名高い。

■ しばし息抜き? Orientation Week!

前号まででご紹介したQSRPも無事終了し、本学期開始までの一週間、毎日朝から晩までオリエンテーションのスケジュールがビッチリ組み込まれている。今年のカリキュラムの変更点、就職活動のスケジュール、Business Ethic、Student Club、PCのセットアップ、Dinner Party、ピクニックその他イベントがメインだが、そのなかで面 白かったものを幾つか。

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1つ目は、いかにもOperationが得意なCMUらしい「SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の体験ゲーム」。8人でチームを組んで、各2人ずつで(1)工場、(2)一次卸、(3)二次卸、(4)小売の役割を分担し、どれだけ在庫負担・在庫不足を無くせるかを競う。要は、「カスタマーの需要のタイミング」と、「業者が製品を製造・販売するまでのリードタイム」のズレがSCMの難しさ、という単純なメッセージを伝えるのが目的。当たり前の話だが、その「じれったさ」を疑似体験できるのが面 白い。注文しても商品が来ない。リードタイムが長い。在庫不足。その「イライラ感」を何百倍にもしたのが実際の現場なんだろう、と想像できる。
【スゴロクのようなSCM体験ゲーム】

もう一つ面白かったのが、「戦略論セミナー」。ロビン・フッド(中世の英国で貴族層から金品を略奪して貧困層に分け与えたという英雄)が題材で、"仲間が増えすぎてTeam Managementに窮したロビン・フッドの抱える組織問題を解決しつつ、組織の究極的目的を達成するには如何なる戦略が必要か"というケース・スタディ。組織のVision、Missionを明確化し、実行戦略を立案するというプロセスを10人程度のグループで議論して発表。HR(ヒューマン・リソース)に着目した意見から、貴族層との政治的提携関係の構築、新課税システムの導入等、ユニークな戦略が続出。

オリエンテーションと言えども、朝から晩まで英語のシャワーを浴びていると、かなり疲れる。また、いちいちグループで作業することを要求されるため、英語の壁に幾度もぶつかる。相手が日本人だから、なんて気を使う相手は当然一人もいない。「お前はどう思う?」等と振ってくれる人もいないから、少しでも気後れがあれば一言も発言せずに作業はあっという間に終了してしまう。純ジャパニーズの一人として、この英語の壁を突破することが留学成功の最初のキーになりそうだ。

■ Orientationを終えて - ビジネス・スクール一考

オリエンテーションに参加してみて率直に思ったのは、(1)「刺激的!」、(2)「就職学校?」、の2点。

(1)は当然のことで、新しい環境に入って新しい仲間と知り合うのはこの上なく刺激的である。摩擦もカルチャー・ショックもないことはないが、それを上回る楽しさがある。コミュニケーション一つとっても、学ぶことは果 てしない。自分の世界の狭さを何度も感じ、思考回路を洗いなおす。特に学校側が各種のセミナーや、外部スピーカーの招聘、夕食会、毎週のBeer Party等を用意してくれているから、コミュニケーションの場がふんだんにあるし、本学期に向けての「勢い」もつく。刺激的なこと、このうえない。

次に(2)だが、オリエンテーションでは常に、ビジネス・スクールの究極的な目的は「Good Jobを得ること」と繰り返される。生徒は学校の商品で、それをカスタマー(企業)に売るのが学校のMissionだと。「Good Job」の「Good」の定義は説明されないが、話を聞いていると、どうやら「サラリーの高低」と「会社のネームバリュー」あたりがメイン・ファクターらしい。そのような職を得るための「就職作戦」もよく練られている。「ああ、ビジネス・スクールというのは就職準備学校なのか」と、考えてみれば当たり前のことを感慨深く再認識する。

ただ、せっかくビジネスを学ぶスタート地点に立っているのだから、短期的な就職よりも、まずは企業のモラルや長期的・哲学的なMissionに関する問題意識を高めたうえで、自分たちがいかなる国際的ビジネス・プロフェッショナルとしての道を歩んでいくのか、よくよく議論しておくべきだと考えるが、Orientationではこの手の話はまったくと言っていいほどなかった。(これが「目に見える結果 」(生徒の就職)を常に問われる米国ビジネス・スクールの現実と言えるだろう)この点は本学期以降に期待するところである。

1週間のOrientation Weekを終え、ビジネス・スクールは「視野を広める素晴らしい素地」とともに、「視野を狭め兼ねない素地」も同時に兼ね備えているかもしれない、と感じた。特に刺激的なイベントが盛りだくさんのビジネス・スクール - 見た目の艶やかさに目を奪われず、本質的に何を聞いて、何を見てるのか、「何のためにビジネス・スクールに来たのか」、常にシビアに見つめていたいと改めて感じるようになった。

■ 友達インタビュー(2):

ヨセフ・ベンボーヒア「一極集中型、自分の分野を極めたい」

● 名 前: ヨセフ・ベンボーヒア(Youssef Benbouhia)、25歳
● 出身国: モロッコ王国

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● 前 職: Microsoft Sales Engineerとして社内外の専門的トレーニング、プレゼンテーション等を実施して1.5年、ロジスティックの担当者として0.5年、最後にChannel Managerとしてセールス、マーケティングを担当して1年、合計で3年間勤務。社内に2年間の休職制度がなかったため、退職してCMUに留学。なお、就職前は某米国大学のモロッコ校にて、コンピュータ・サイエンスとファイナンスのDual Degreeを取得している。

● CMUでの専攻: 
ファイナンス、ITの予定

● 留学後の夢:
「僕は色々なことを広くGeneralにやるというより、誰にも負けない一つの分野に徹底的に打ち込んで、その頂点を極めたいと思っています。CMUでは、大学時代から研鑚を続けているファイナンスとITを専攻し、さらにスキルを向上させ、卒業後はIBMやMicrosoftのような会社か、AccentureのようなITコンサルティングの会社に就職したい。その後の目標は自分の中でも少し不透明ですが、多分、モロッコに戻って新会社を立ち上げるとか、そんなことを考えています。」

● その他:
前回のラメズに続き、今回はモロッコからの歴史上初のCMU留学生。フルブライト奨学金を取得して留学。

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