8月5日LBS主催の English Program が始まりました。ビジネススクールが自ら英語プログラムを準備することは稀だと思います。LBSも昨年までは英語力の強化が必要な学生には事前に指定の語学学校で一定時間の授業を受けることを入学条件としていました。今年からの試みとしてMBAの授業やすぐに始まるサマーのリクルーティングで必要な英語スキルをひととおり教えるプログラムを用意してくれました。約300人のMBA学生の内、21名が参加しており、内訳は日本6名・中国5名・韓国3名・南米諸国4名・スペイン2名・フランス1名です。
1週目はMeetingの進め方、Presentation の技術、Letter の書き方等を学び、2週目には Interview の方法、Resume の作り方やCross Cultural(異文化) Communication の授業がありました。
Cross Cultural Communication の授業は特に印象的で、世界の国々を一定の方法で分類した研究等について講義を受けた後に国別 に分かれて外から見た自分の国のイメージと実際の体験を共有するディスカッションの時間がありました。
授業中一貫して感じたのは日本人・韓国人・中国人の思考回路が非常に似ていることです。仏教と儒教と各々の神教が微妙なバランスを保っている文化・宗教的な背景を強く感じました。韓国では接待でホステスさん付きのカラオケにお得意先を連れて行くそうですし、(ちなみに『接待』という漢字もおなじです。)中国では得意先の偉いさんにプレゼントを送ると商談が上手くいくようです。(『御中元』・『御歳暮』というかどうかは不明です。たぶん言わないでしょう・・。)
また非アジア系の国々の学生からは日本企業の意思決定プロセスの不透明さを指摘する声が多くありました。個人的には欧米の大企業と比べてそれほど非効率な非合理的な意思決定をしているとは思っていません。会議・打ち合わせであまり強い批判・不満を表明しない態度等が彼らにそのような誤解を与えるのかもしれません。今まで外国人とビジネスをしたことのない私にはとても新鮮な授業でした。
私がもう1つ驚いているのが、ヨーロッパ出身の学生の国際色豊かなキャリアです。共通 の言語のルーツ、充実した英語教育、地理的接近性等が外国での就職に際してのハードルを低くしているのでしょう。様々な事情が異なる日本や韓国から見ると若干うらやましくもあります。他のどの地域よりもヨーロッパの若者が『他社との相対の中で自分を見つめる目を持っているな。』、と学生最後のオールトラリア旅行で感じたのを6年ぶりに思い出しました。日本からではなかなか見えにくいヨーロッパの奥深さをこの2年間でたっぷり味わいたいと思います。