■CMU旅行記 (2) - Wireless時代への対応
ピッツバーグが元「鉄鋼の街」であったことは前回ご紹介しましたが、今回は「IT都市」としての片鱗を少々。 ビジネススクールとしての側面には直接関係ないが、CMUに来て感心したことの一つは、「無線LAN」の環境が非常に発達していること。大学内には無線LANの基地局が数百と設置されているため、常にWirelessでインターネットに接続することが可能だ。スピードは毎秒11Mbitだからかなり速い。
CMUでは課題から試験日程、コーススケジュールもインターネット上で管理されているため、芝生の上や駐車場、カフェテリア、教室などで生徒が常にラップトップを開いてインターネットに接続しているのが目に付く。
(写真:休み時間-無線でコミュニケーションをとる)
また、CMU内のみならず、周辺の喫茶店やレストラン等でも基地局が設置されているとろがあり、無線接続が可能だ。都市部であるダウンタウンでも民間企業が実験的に無線LAN基地局を設置している場所があり、町全体としてのWireless化が進んでいる状況。米国の一般 的なDSL(ADSL)環境は意外にも日本よりも数段遅れており、料金は倍、スピードは数分の一といったところだが、少なくともCMUとその周辺のIT環境は非常に進んでいると言える。
■今年のCMU鳥瞰図 - 人数急増、難易度急増??
今年のCMUの入学生だが、例年の220人に比べて255人に急増したのが特徴。合格通 知を出したAdmission Officeも思った以上に入学生が多くて驚いたようだ。ITバブルの崩壊も手伝い、受験者数が例年の1.4倍(First Deadlineに限れば1.9倍!)に急増したのが原因。競争倍率は過去最高で、GMATの平均スコアは672点だったとのこと。
その内訳だが、約60%が"いわゆる"米国人(米国人と言っても日系二世や二重国籍者等のカウントの仕方は定かではないが)、残りの約40%が外国人。人数の点での"Big4"が米国人、インド人、中国人、日本人で、それに韓国人等が続く。合計で31カ国からの学生が集まっており、今年はヨルダン、モロッコ王国、キプロス等からもCMUビジネススクール史上初の留学生が来ている。ちなみに日本人は255人中18人(7%)。例年は13~4人だから、日本人も大幅増だ。
生徒の前職は多種多様。製造業、小売業、サービス業、金融業、航空業、政府機関、法律事務所などなど・・・分野も宇宙開発、メディア、バイオ、医療、エンターテイメント、コンサルティング、起業等、なんでもありで、さすがに「Diversity」を重視しているだけあるといったところだ。
■超過密!!「Mini-Semesterシステム」
CMUの本学期は8月26日にスタートした。特徴的なのが、いわゆるCMU独自の「Mini-Semesterシステム」。他校では通 常1年間を2学期に分けるのが、CMUではそれを倍の4学期に分割、1学期を約2ヶ月程で回転させる。"Mini"にした分だけ学期が多いため、2年間を通 じてそれだけ多種多様な科目が履修できる。なかなか評判のいいシステムらしく、他校にも採用されている。
しかし、Miniでも通常学期と同量の課題が課せられるし、中間・期末試験もあるかなりハードなシステムだ。毎日の予習・復習だけでも教科書100ページ以上を読破せねばならないし、それに加えて毎週3~4つの課題(個人課題&グループワーク)が課される。学期が始まって3週目の今週にはもう中間試験が始まっている。まだ本学期さえ始まっていない学校もあること考えると、相当速いペースと言えるだろう(試験期間中も当然課題が課せられる)。
学業だけでも相当のワークロードだが、他にも就職活動や学生クラブ活動など毎日の活動は山積みだから、計画性と積極性とエネルギーがないと、とてもこなせない。気を抜くと睡眠時間が削られることになる。(Mini1の教科書 - 合計3,000ページ。 冗談抜きに読破する)
私の今学期の履修科目は、(1) Managerial Economics、(2) Financial Accounting、(3) Quantitative Methods for Management、(4) Written Management Communications の必修4科目。一日に2時間の授業を2コマ、各科目の授業を週2回ずつ受講する。授業時間は一日たかだか4時間程度だし、金・土・日の週休3日、意外に暇そうだ・・・。と、思った。が、これで安心すると大間違い。実際は毎日のように"朝から朝まで"勉強する。・・・もっとも、英語と数学が"Native"であれば話も別 だろうが・・・私にとっての留学は「語学留学」、「数学基礎叩き直し」たる側面 も兼ね備えているため、そんな意味でも勉強の毎日だ。何しろ、体力が第一。
蛇足だが、CMUはVirginia大学、Dartmouth大学と並び、「ワークロードの厳しいビジネススクールのTop3」に数えられるらしい。あまりの課題の厳しさに2~3年前、在校生から「就職活動さえできない」との不満があり、改善された結果 が今のカリキュラムとのこと。先輩に聞くと、今のワークロードなら「楽勝」。(今の私は苦戦中・・・。)