Campus Report 2002

高橋 邦比呂 to Tepper School of Business, Carnegie Mellon University(全46回)

MBAホルダーへの道

Vol.6 Mini 1 の"全貌"

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Mini-Semester 1も後半戦。息つく暇もない(とは大袈裟だが)課題と予習復習、学生活動・就職活動の連続に、疲労感がボディブローのように効いてくる。学校で友人に出会い、"How are you?"と聞いても、節目がちに"Tired...."という返事が多くなってくる。特に米国人や他の外国人は「私費留学」が普通 だから、今の時期の就職活動と学業の両立はなかなか大変で、気持ちもSensitiveになりがちだ。是く言う私も疲労気味。鮨よりも何よりまず、日本で行ってたマッサージに今行きたいと感じています。

■Mini 1 所感

Mini 1の4分の3を終えて感じるのは、(1) スキルとしてのビジネスの重視、(2) 英語力のアップ、(3) 時間管理の重要性、の3点。

まず(1)。学期前のオリエンテーションによると、Mini 1~2は「基礎的なビジネス・ツール」を学ぶ期間。企業のミッションや全社的な戦略等を模索する前に、所与の「ゴール」(通 常、コストの最小化等)のためにいかに生産管理や物流等の数字を最適化するかといった「数学的技術」を身に付けることに注力する。本来であれば「ゴールの設定」そのものや、それを達成すべく「戦略の立案」等も極めて重要と思われるが、それは来年に譲られる。そのような「高位 」の概念に取り組む前に、基礎としてのビジネス・スキルを徹底的に習得する期間となっている。この特徴は私がまさにCMUを選択した理由の一つであるため、特に力を入れて今のうちに身に付けておきたいと思う。重要な期間だ。

次に(2)。当たり前だが、英語力がアップする。まず生徒の質問や議論が多く、それに参加しなければという心理的なプレッシャーがある。グループワークによる課題もある。積極性が否応なしに高められ、英語でコミュニケーションをとること、英語で読み書きすることへの抵抗感がどんどん薄れていく。無論、ネイティブに比べれば英語力は課題多しだが、短くもこの2年間を頑張れば、そこそこの英語力は身につくと思う。毎朝毎晩、地味に英語の勉強もしながら研鑽に励む。

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最後に(3)。やはり忙しい。ピッツバーグの9月~10月の気候は過ごしやすく、朝は爽やか、空気も清澄、道すがら「Hello!」の挨拶も交わされるフレンドリーな街だ。なのに、朝から疲労感がドシッっと・・・。正直なところ、課題に終われて学生活動や就職活動に十分に時間が割けていないのが現状。時間管理を厳しく行わなければ、有意義には過ごせないと再認識。気合が必要。(写真:清々しい朝 - が、長い一日の始まり)

■Mini 1 の履修教科

今学期履修したのは次の必修4教科。(ちなみに申請によって一部教科を免除してもらい、他の教科を履修することも可能。) 以下は各教科の内容と、個人的な感想です。

(1) Quantitative Methods for Management Science

【内容】 比較的単純な事象を定量的に分析し意思決定する技術を学ぶ。最初は紙と鉛筆で、後半からExcel上でモデリングして、より複雑な方程式を解いていく。
【感想】 前半戦、バリバリ文系の私にとっては「これは数学の授業か?」と困惑しながらもキツかったが、基礎的な数学は体で習得。後半から「これをもっと複雑化すればビジネスでも使えるかもしれない」という感触を得る。特に「Global Oil Companyのケーススタディ」は面白かった。石油会社のSCMを最適化するというもので、石油発掘量 、精製量、販売量と輸送費等の関係をExcel上でモデル化して解く。現実の世界からすれば相当単純化されたものだろうが、基礎的なアプローチを学ぶ目的としてはよかった。気になるのは「方程式」が常に与えられること。来学期以降、その方程式をどう導くのか、より突っ込んだ議論を期待。

(2) Managerial Economics

【内容】 ミクロ経済学。「エコノミスト」的な思考技術を身に付けることが目的。消費者のDemandサイドと会社のSupplyサイドの様々な意思決定(購買、生産等)の原理を、経済学的に解明・思考する土台をつくる。
【感想】 直感的には当たり前と思えるような事象を、ミクロ経済学的にどう解釈するのかが興味深い。効用関数やら消費関数やらを分析して意思決定に結びつける「過程」(技術)には納得がいくが、(1)と同様、「所与」として与えられるこれらの関数をどうやって求めるのか疑問。聞くところでは、その手の話は来学期以降らしい。来学期以降の確率統計の基礎としても重要らしいので、今のうちに完全理解しておくことが必要。

(3) Financial Accounting
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【内容】 財務会計。15回程度の授業で会計のすべての主要論点を網羅する強烈なスピード。課題は常に現実のAnnual Reportや新聞記事を題材にしたものであり、興味深い。いわゆる日本の会計専門学校で学ぶ「仕訳、仕訳」のアプローチとは180度違う。
【感想】 これでも一応、会計分野の専門家であるため、意地になって取り組む。日本と米国の会計・税務の相違点があるため、得るものが非常に多かった。課題や試験の解答について納得がいかないものを教授と個別 に議論することもあったが、そのやりとりの中でも、米国人の会計の見方と日本人の見方の相違を感じ取ることができた。キツく地味、人気の低い「会計」分野だが、役に立つ授業。

(4) Written Management Communications

【内容】 ビジネス英語の書き方。ビジネスレター、社内用メモ、マーケット分析、投資分析等の英語文書の書き方を学ぶ。
【感想】 基本的なビジネス英語を学ぶには有用だが、今まで実際に英語に携わる環境(外資系企業等)で仕事をしてきた人にとっては多少物足りない。会社で明確・具体的な目的があって文書を書くのと、英語の授業で「内容は適当でいいから、~に関するメモを書け」では、文章の書き方、力の入れ方が全然違うと思う。実際に文章力をあげるというより、採点を通 して今の文章力を確かめる程度だろうか。ただ、Writing専門のTutorが用意されるので、Tutorとの個別 Meetingを数多く持てば、Non-nativeにとっては有用。私の場合、就職活動用のResumeやCover Letter等もまとめてTutorに相談、非常に助かっている。(マスターしたと思っていた"a"と"the"の使い方さえ、未だにアドバイスを受けています・・。)

■Mini 1 の課題攻勢

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4教科履修しているため、通常、週に4つ課題が課される。30分で終わるものから3日かかるものまで様々。半分が個人課題、もう半分がグループワークといったところ。ただ、大体は「一筋縄」ではいかないような問題が多いため、個人課題であっても、いつの間にか任意にグループで話し合っていることが多い。

表はMini1のスケジュール表です(オレンジ色の字が課題、緑色のセルが中間試験、青色のセルが期末試験)。中間・期末試験中も課題が課されるため、特に試験期間はハード。

■ 友達インタビュー(3):

ヤム・キュン・ホー「エレベーター・ビジネスでトップ・マネジャーに」

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●名 前: Yum, Kyung Ho (廉 京昊)
●出身国: 韓国
●出身校: Hankuk University of Foreign Studies (韓国)法学部卒業

●前 職: Hyundai Elevator Co.の国際事業部(International Department)マネージャー。韓国で2年間、ロサンジェルスで7年間勤務。「Hyundaiでの一番の体験は、ニカラグアでのビジネスの成功。ニカラグアは貧しいうえに地震が多い国で、デパートが建設されたことがなかった。それが私がLAに勤務していたときにニカラグアで史上初のデパートができるというので、単身で乗り込んで見事にエスカレーターの受注を獲得することができた。知らない土地で不安が大きかった分、成功したときは本当に嬉しかった」

●なぜCMUを選んだ?:
「CMUの他にUCLAとLBS(ロンドン・ビジネス・スクール)に合格した。苦渋の選択だったが、CMUを選んだのは卒業後の就職のOpportunityが最も高いと思ったから。UCLAのある西海岸の経済はかなり悪くなっているし、英国経済もあまりよくない。特にLBSは学校としては魅力的だが、外国人として卒業後働くのは至難の業と思った。また、数量 分析とファイナンスを深く学びたいと考えていたから、その点ではCMUが一番いいと思った」

●今のところCMUは?:
「正直言って嫌になってる。幾らなんでも数量 分析と数学に偏重しすぎではないか。数学を駆使するのはいいが、現実の世界に方程式はない。なのに、方程式を所与としてその解法ばかりを模索している。数量 的なアプローチも重要だが、同時にLeadershipやSocial Skill、General ManagerとしてのSoft Skillの育成にもっと力を入れるべきだ」

●留学後の夢:
「Hyundaiも素晴らしい会社だが、子供の教育を米国でしたいこともあり、米国のトップ企業 United Technologies Co.に就職して米国で働きたい。この会社の子会社でOTISというエレベーター業界のトップ企業がある。そこでトップGeneral Managerとして働いて活躍したい。その後、韓国に帰国してCEOとして仕事をしたい」

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