Campus Report 2002

高橋 邦比呂 to Tepper School of Business, Carnegie Mellon University(全46回)

MBAホルダーへの道

Vol.7 「B-Schoolランキング」の季節です・・・

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皆様、大変ご無沙汰してしまって申し訳ありません。約1ヶ月ぶりのレポートになります。10月以降、試験と就職活動で完全に埋もれてしまいました。ご迷惑をおかけしてしまいましたが、今号より4~5号を通 じてやや掲載をスピードアップさせて頂き遅れを取り戻しますので、ご容赦ください。今号の内容は10月前半のものとなっています。

■Mini 1 期末試験を終えて

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難しかった。一科目3時間の期末試験を終え、やっと1学期が終わった。2学期(Mini 2)までの間、「今学期は何を学んだろうか」と少し考えてみた。・・・経済・・会計・・Excelだろうか・・・。確かに、多くの知識とスキルを学んだが・・・、たぶんそんなことではない気がする。まず、誰の前でも英語で議論し、発表する勢いとメンタリティ。(特に押しの強い他国の人間に負けないこと)それから、「2年間で一体何を勉強できるか」という問題意識。(そして自分が"本当に"何をやりたいのかというキャリア意識)そして何より、一学期を何とか無事に終えて、やっと精神的にスタート地点に立てたというこの"実感" - これが一番の成果物のような気がする。「これから2年間、徹底的に勉強し、遊ばねば」と強くに感じるようになった。やっと「準備期間終了!」の感がある。 (写真:CMUを取り囲む紅葉)

気付いてみると、爽やかだった夏はすっかり終わり、秋をすっと通り越して、既に冬の気配さえある。ふと気付くと、CMUの周りは美しい紅葉に囲まれていた。

■B-Schoolランキング 一考

試験やら何やらでバタバタしているうちに、ランキングが続々と発表される季節になっていた。残念ながら、CMUはビジネスウィークで14位 から19位に転落、昨年2位だったウォール・ストリート・ジャーナルでも3位 に転落したという、ガックリの結果。

受験時代、私は何度もランキングに目を通した。それが外側からは見えそうで見えない学校の質を証明してくれる、一番「説得力」のある情報だったからだ。ちょうどこの季節、恐らく、皆さんの多くも多少はランキングに興味をもたれていることだろう。今回はそのランキングについて、私が受験時代に感じた5つの疑問と、それに対する今の私の考えを簡単に纏めた。当たり前のことばかりであるが、少しでもご参考になれば幸いである。

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● 疑問(1) どの雑誌のランキングが一番注目されているのか

ランキングを発表している雑誌は意外に多い。有名なものだけ挙げても、ビジネスウィーク(BW)、U.S. News & World Report、Forbes、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)等がある。その中でも、世間で一番注目されているのは、BWと言える思う。米国ではU.S. News & World Reportも参照されることも多い。一方、ForbesやWSJのランキングはさほど注目されていないという印象を受ける。この点、CMUではWSJでの「3位 」を学校内で宣伝はしているが(写真)、世間での注目度が相対的に低いため、学生は少し微妙な心境。
(写真:祝3位!!・・・)

● 疑問(2) なぜ雑誌によってランキングが違うのか

最も違いが顕著なBWとWSJを例にとると、TOP20の「顔ぶれ」はさほど大きくは変わらないが、順序が相当違うのが分かる(下表参照)。

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無論、この違いの理由は「評価方法」の違いにある。最も大きな点は、BWが「学生、企業、教授陣」の3つの着眼点から評価し、それを各45%・45%・10%の重み付けで加重平均して点数を出しているのに対し、WSJは基本的に「企業」による評価のみに着目し、企業への質問内容別 に75%・5%・20%で重み付けして点数を算出していること(下図参照)。

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これを見る限り、BWの方が総合的に「バランス」のとれた評価と言えると思う。ただ、「学生の評価」が45%を占めている点が問題視されることがあるらしい。つまり、学生が自分の学校のランキングを上げるために意図的に高い評点をつけていると指摘されているようだ。

他方、企業だけを見るWSJのアプローチは、「ビジネススクールの価値=企業による採用」と考えるなら一理あるが、やはり学校の「総合的」評価としては偏っているように感じる。ただ、WSJの企業サンプル数はその分豊富で、BWの219社に対し、2,221社となっている点は評価できるように思える(2002年度)。

CMUの場合、この評価方法の違いが19位と4位の違いに出ているようだ。CMUはBWでも「企業による評価項目」はオールAだが、残念ながら「学生自身による評価」がめっぽう悪い。その点、WSJは「企業の評価」しか見ないため、ランキングが高い。つまり、「リクルーターには評価されているが、学生には嫌がられている学校」ということになる・・・。自分自身のことながら「うーむ」と悩んでしまうが、理由は多分シンプルで「数量 分析の重視」にあるのだと思う。企業側からすればCMUの学生は「便利なスキルをもっているし、ガッツもある(?)」が、学生からすれば「もっとソフトなことがやりたい、定性的なことを学びたい」という願望がでる。そんなところが評価に出ている気がする。

● 疑問(3) ランキングをどれほど気にするべきか

「高いに越したことはない。しかし、気にし"すぎる"必要はない」というのが個人的な考え。「しすぎ」というのは、ランキングを注視する余り、「留学の目的」(=自分のニーズ)自体が達成されないようなことになってしまっては本末転倒、という意味。

私の場合、留学の目的は明快で、「経営全般を見る力を英語で身に付けること」。受験当時、それを達成する方法は二つあると思った。一つ目が、自分の不得意な分野(ITやオペレーション、数量 分析)に強い学校を選び、自分の強み(会計やファイナンス)と合体させる方法。それでCMU受験を決断した。もう一つの方法が、細かいことよりも、トップマネジメントの視点を徹底的に学び、オーバーオールに経営全般 が見られるようになること。これがHBS受験に繋がった。結局、(Safety Schoolを除けば)この2校を受験したのだが、この決断のなかでは、「ランキング」という概念は「学校の教育水準に関する最低限のCredibility(信頼)を確保する」ぐらいの役割しかなかった。「トップ20~30に入っていれば問題ない」とよく上司や知り合いからアドバイスを貰っていたせいもあるが、今でもそうだと感じている。

● 疑問(4) ランキングはどれほど気に「される」か

自分が気にするかしないかはともかく、就職活動等の際、「企業からどれほど気にされるか」ということが気になる。こればっかりは、私の口から断言することはできないが、就職活動を約2ヶ月行っていて個人的に率直に感じることは、「ランキングより、これまでの職務経験や企業が判断したポテンシャリティ、パーソナリティの方が、はるかに重要視される」ということ。ランキングは履歴書や名刺上、第一印象としてある程度効果 をもつかもしれないが、特に面接等を通じて、ほとんど関係なくなるという感がある。

ただ、現実的に直面するケースとしては、学校名(ランキング)ゆえに書類審査で落とされたり、企業のセミナー案内が来なかったり、などということがあるらしい。が、いずれのケースにしても個人で積極的に行動すればある程度取り返しはつくと思う。(私の場合、例えば呼ばれていないセミナーに出向くといったことは日常茶飯事)

● 疑問(5) ランキング以外に何を見ればいいか

巷ではランキングが先走って、それが学校選びの基準の大部分を占めてしまう嫌いがある。しかし、私はやはり「留学における自分のニーズ(目的)」がどこにあるのかを考えたうえで、学校を選択すべきだと思う。それが自分自身の決断に対する納得と、学校での強い目的意識に繋がるような気がする。

この点、「ビジネススクールはどこも大体同じ」という意見もあるが、具体的なプログラム内容や分野別 の力の入れ具合、生徒や教授陣の"文化"は、大きく違う。これはどの学校が良い・悪いというのではなく、どの学校が自分のニーズ(やりたいこと)を満たすか、ということである。受験のエッセイでも聞かれる当然のポイントではあるが、「合格するためにエッセイで書いたこと」とは別 に、自分の本音を吟味すべきだと思う。

ちなみに、学校の中身を知るためにはブロシュアを読むことは勿論だが、ブロシュアはどの学校のものもこの上なく素晴らしく書かれている。一番いいのは、MBAフォーラムに出席したり、直接学校を見学して、関係者や在校生と直接コミュニケーションをとることだろう。(CMUにも月に数名程度、日本人の受験生が見学にきます)

なお、上記以外にも、学校選びの指標として卒業生のネットワーク等がある。この点は、例えばHBS等は極めて強いと言われているようで、それが社会で再出発してからいろんな局面 で生きてくることがあると聞く。また、企業からの献金が多いような学校、そのような学校は同じ授業料でも色々な"特典"(外部スピーカーの頻繁な招聘や海外プログラムの充実等)がつくようで、それが教育水準の差にも繋がってくる。こういった事実も、やはり関係者と直接コミュニケーションをとって確認するのがよいだろう。

■友達インタビュー(4): ホゼ・バード

 「民間と政府の仲介役、プエルトリコ経済を活性化する」

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●名 前: Jose Bird、 26歳
●出身国: プエルトリコ
●出身校: Wake Forest University in Winston-Salem, North Carolina(専攻Chemistry)
●前 職: State Street Bank(www.statestreet.com)で2年間、投資信託のオペレーションを担当。「一番面 白かったのは、某投資信託の案件を通じて約15カ国の金融機関、金融商品、法制度に接したこと」、「前職も面 白かったが、ビジネスの意思決定等に直接介入するというよりは、サポート的役割だった。MBA取得を経てキャリアチェンジしたい」。この他にも、Amazon.comをモデルに中南米市場をターゲットにしたベンチャー企業に勤務、1年弱セールスを担当した経験あり。

●なぜCMUを選んだ?

「MIT(マサチューセッツ工科大学)とCMUに合格した。非常に迷ったが、CMUを選択した理由は5つ。
(1) 基礎科目から網羅的に、徹底的に教えるプログラムだったこと、
(2) "Project Course"や"Management Game"といったユニークで実務的なプログラムが充実していたこと、
(3) プログラム(課題等)が非常に厳しいこと、
(4) ファイナンスに強いこと、
そして(5) CMU内での他の機関(FAST Lab, Gailliot Center等)との連帯関係が充実していて、ビジネススクールにいながら経済学や国際関係の分野も勉強できること。・・・あとは奨学金を貰ったことや、ボストンにもともと住んでいたので、場所を変えたかったっていうこともあります(笑)」

●今のところCMUは?

「全教科のうち、半分は"超"がつくほど気に入ってる。しかし、残りの半分は今ひとつ・・・というのは、授業内容が悪いという意味ではなく、自分の関心外のものが必須科目だから。要は、もっと選択科目の幅を広げてほしい。例えば、ファイナンス・キャリアとオペレーション・キャリアでは、同じ「数量 分析」でもやることは随分違うはず。私はファイナンス関係のものを網羅的に勉強したいから、それを他の必須教科よりも優先させたい。それから、もう少し定性的な授業をとりたい。今学期履修している「組織行動論」は非常に面 白いから、そんな教科をもっと履修したい」

●卒業後の夢:

「プエルトリコ経済の活性化のために、民間と政府機関の両方からアクションをとるのが夢。プエルトリコには製造業等に対する優遇税制(米国連邦税法)が色々あるが、それが最近は撤廃されて、地元企業や外資系企業が打撃を受けている。卒業したらプエルトリコに帰国して、まず金融機関で働く。その間は金融ビジネスだけでなく、事業会社へのコンサルティングや政府政策に対するロビー活動行って、経済活動活性化の一翼を担う。その後、政府機関に移って、民間と政府の両視点をもった政策立案者として活躍したい」

●ビジネススクール受験を考えている方に一言:

「自分の"ニーズ"が何なのかを徹底的に吟味すること、学校の"具体的な"プログラム内容、大学内の他の学部との連携関係等をよく調べることが、一番重要であると思います。それからランキングも考える。ただ、よく言われることですが、トップ30位 に入っていれば "どっちが上、下"というのはあまり関係ないと思います。私もMITに合格したし、MITが素晴らしい学校であることに間違いないですが、"自分のニーズ"にはCMUが合っていると結論して選択しました。それでよかったと感じています」、「Come to CMU!! You won't regret it!!」

●その他:

Merit-based奨学金取得生。("Merit-based"とは、金銭的ニーズではなく、学生の能力・ポテンシャルに応じて、学校側から自発的に支給される奨学金のこと)

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