Personal Development Programme
１学期の期末試験が終了した翌週１週間に渡り、１年生はPersonal Development Programme（略してPDP）を受けました。これは文字どおりMBAの授業・インターン・将来のキャリアで必要となる多様なスキルを個々人のニーズや能力に合わせて受講するプログラムです。主なものを列挙すると、プレゼンテーション、ビジネス文書、ネゴシエーション、メディア対応、演説・スピーチ、速読などが選択可能でした。僕はプレゼンテーション、ビジネス文書、速読の３つをとりました。自分の中で最もためになったプレゼンテーションの少人数クラスではプレゼンの構成・メッセージの運び方に意識を集中し、順番に撮影したビデオをお互いに見て、フィードバックを与える形式でした。今まで出席したどのプレゼンのコースよりもメッセージがクリアで勉強になりました。
Organization Audit
前回の科目紹介で触れたMOB (Managing Organizational Behavior)という組織行動論の授業の一環で１学期から行っていたイギリスのリテールバンクの組織監査プロジェクトが年末から１月にかけて佳境になってきましたのでその様子をお伝えします。これは１年生が行う２大プロジェクトの１つで、もう１つは企業のマネージャーに影武者のように１週間密着取材するShadowing Project です。プロジェクトの目的は特定の企業（あるいは企業の一部署）に入ってインタビュー等をし、MOBの授業で学んだ理論・フレームワークを使って組織が抱える問題点を浮き彫りにし、改善するための提案を行うことです。一言で言えば組織・人事に焦点を当てたコンサルティングプロジェクトです。（以下、守秘義務の関係で具体名・詳細の数字は明かせません）
我々の顧客はイギリスの某リテールバンクで、数年前に導入した顧客第一主義・全社ベースで利益最大化を図る会社になるための意識改革がなかなか進んでいない状況にありました。特に顧客がオーバーラップする部門間ではセクショナリズムが働いていました。 大まかなタイムラインは以下のとおりです。
11月 企業側にプレゼンテーション・業務範囲の確定・守秘義務の書類提出
12月 ２つの部門（顧客がオーバーラップする２部門）10人に個別インタビュー
１月 インタビュー内容の分析・担当教授とのセッション・企業側および学校側への最終報告書作成・企業側へのプレゼンテーション
10人に対するインタビュー結果を持ち寄って、分析するといろんな事が見えてきます。会社のスローガンのコミュニケーション不足（役職が上位 者と下位者での解釈や理解度の著しい相違）・全社利益最大化という組織目標と個々人のボーナスへの反映の仕方の齟齬（インセンティブスキームの不備）・部門化でのボーナススキームの相違が生む軋轢（花形部門への嫉妬）などがはっきりと見えてきました。これら現実の問題を個人・チーム・組織および企業文化という３つの観点から整理し、授業で学んだフレームワークの一部を適用してゆきます。
今までインタビューから情報を吸い上げるという経験があまりなかった僕にとっては非常に新鮮な経験であると同時に、１学期に学んだ組織行動論のフレームワークを現実に当てはめる過程で大いに理解を深めることのできた大変有意義なプロジェクトでした。
ヨーロッパの冬休み（ちょっと一休み）
すでに過ぎてしまいましたが、12月中旬から1月弱の冬休みがありました。欧州MBAの持つ大きな利点の１つは週末および休みに多くの国々を回れることです。僕も冬休みに初めてフランスに行ってきました。学生であればユーロスターでも11.000円程度で往復できますし、格安航空券を入手すればパリ往復５，０００円などのチケットも手に入ります。冬休みに行く人気国ランキングではスペイン・フランス・イタリアが上位 で、ほかにもポーランド・チェコ・北欧など多くの学生が地の利を生かして旅行を楽しんでいます。
次回は２学期の授業の様子をお伝えします。
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