私は昨年1st Round出願者だったのでUC Berkeleyのインタビューを行い合格を頂いたのが、ちょうど一年前になります。読者のなかにはアプリカントの方もいらっしゃると思いますので、私のレポートが少しでもインタビューでの材料、もしくは入学するビジネススクールの選定に役立つことができればなと思います(そして、UC Berkeleyに行くことを決断してくれることに役立つことができれば、、、)。
なぜか今まで紹介するのを忘れていたのですが、Berkeleyでの体験記は現在、Class of 2002卒の平野日出木さんが日経アソシエで『A fulfilling struggle for MBA - 大志養成学校奮闘記』という題名のもと連載を担当されています。昨年10月号から今年の3月号までの連載と聞いていますので、ぜひ図書館や書店でお求めください。今回のレポートは、ビジネススクールで行われた講演についてレポートしたいと思います。
講演Enron Whistleblower, Sherron Watkins
1月30日に、Haas SchoolでSherron Watkins氏による講演が行われました。今年で5年目となるAnnual Peterson Business Ethics Lectureの一環で行われました。400から500人ぐらいは入ると思われる会場に立ち見がでるほどの人が入り、大変盛況でした。読者の皆様もご存知かとは思いますが、Sherron Watkinsは、Cynthia Cooper(WorldCom)、Coleen Rowley(FBI)とともに、Times MagzineのPersons of the Year for 2002に選ばれた方です。講演では、Enronの財務に重大な欠陥があることに気付き、会長のLay氏に会社の危機につながることを警告したレターを出した時のことから、SECや議会での証人喚問の体験などその時々の状況を詳細に語ってくれました。また、アメリカビジネス社会のさまざまな問題点について、Enronでの体験を通 して語ってくれました。特に、Board、Accounting Firm、Investment Bankの Analyst、経営幹部(特に、CEO Skilling氏とCFO Fastow氏)の役割と責任が本来あるべき姿(Check & Balance)として機能していなかったかことを中心に話されました。
Watkins氏は現在の会社の多くがRule-base型経営を行っており、Principal-base型経営に素早く転換しなければ投資家の信用を得ることはできないだろうと警鐘を鳴らしました。つまり、今の社会ではルールばかり(例えば、会計基準など)が重視されることにより、いつの間にか人々はそのルールを回避できる抜け道を探すことに懸命となり、Business EthicsというPrincipalが軽視されてしまったのです。
一時間ほどの講演後、30分にもわたるQ&Aセッションが設けられました。学生のさまざまな質問に対しても、エンロンでの状況を例にとりあげ、明確に受け答えしてくれました。Fastow氏の直下でVice Presidentを務め、またCPAでもあることから、オフバランスを利用した今回の技法(?)についてもわかりやすく教えてくれました。議会、メディアでの露出度が事件発覚後すごく多かったということもあるせいか、話し慣れている印象を受けました。今後は、現在の執筆活動に加え、Corporate Governanceを専門としたコンサルティング業に就くとのことです。