3月15日から23日まで春休みでした。春休みの間は、サンタモニカの北側にある山にハイキングに行ったり、ゲッティ・センターという美術館に行ったり、パームスプリングにあるアウトレットモールに買い物に出かけたりと、普段なかなかできないロサンゼルス観光をしていました。春休みの後半は授業の再開に備えてチームミーティングです。今回はMarketing Strategyのチームメートを紹介します。
Ben (本名はErwei Ji)
Benは中国出身です。前職は中国のディズニーでマーケティングをやっていました。授業中もマーケティング経験者だけにするどい質問でPark教授を困らせています。シミュレーションゲームのミーティングでも実務経験に基づいて、広告に対する消費者の反応が大きすぎる(低価格戦略に対する消費者の反応が小さい)など、シミュレーションゲームの問題点を指摘しています。現実を知っているだけにゲームに勝つためだけの戦略には納得がいかないらしく、僕と激論を戦わせることもしばしばあります。卒業後はエンターテイメント業界でマーケティングをやりたいと言っています。去年のサマーはロサンゼルスのFOXでマーケティングのプロジェクトをやったそうです。アメリカでの就職を希望していますが、まだ就職先は決まっていません。
Harry (本名はYongwoon Chung)
Harryは韓国出身です。大学時代はITを勉強していて、Marshallに来る前はDaewooという商社で金属のセールスを、NITGenというバイオテクノロジー関連会社でマーケティングをやっていました。Harryはこの授業にはあまり力を入れていないようです。もうひとつのHarryと同じクラス(Global Strategy)では熱心にレポートを作成していたので勉強が嫌いという訳ではないようですが。シミュレーションゲームでは、僕たちのチームは4つの商品を作って、各自が1つの商品を担当することにしていますが、Harryは自分の担当する商品以外の戦略については興味がなく、ミーティング中もほとんど意見を言いません(授業中も発言したことはありません)。また、冷蔵庫の新商品を開発するプロジェクトでも必要最低限の作業しかしてくれず、僕とBenで残りをカバーすることになりました。
山中さんのレポートにあったようにチームワークではコミットメントの程度の違いが問題になってきます。ただし彼らは2年生でチームワークにも慣れているため、必要なポイントは押さえていて、意見の違いはあっても決定的な対立に発展することはありません。Harryも卒業後はアメリカでの就職を希望していて、先日も保険会社のインターネット・マーケティング部門の面 接を受けていました。
Steven (本名はShengming Wang)
Stevenは中国出身です。Marshallに来る前はBank of Chinaで為替トレーダーを、Hainan Seg International Trust and Investmentという投資会社でFinancial Analystを、Shenzhen Commercial Bankで債券運用をやっていました。ご覧のとおりSteven はFinance専攻です。マーケティングにも興味があってMarketing Strategyのクラスをとっています。ミーティングでは、発言は少なめですが、自分の担当する商品の戦略に対してははっきりとした意見をもっています。そのため、彼の戦略に対して意見を言う際には、具体的なデータを示しながら、粘り強く説得することが必要になります。これはNegotiationの訓練に役立ちます。
また、具体的なデータを集める過程で新しい発見があったりして、ミーティングの有用性を実感することができます。ただし、競争相手の戦略の予想など、具体的なデータを示せないケースもあって、失敗してから分かってもらえるケースもしばしばあります。Stevenもアメリカでの就職を希望していますが、中国での就職も考えているようです。去年のサマーはUBS (スイス系の銀行)の香港支店でトレーディング、リサーチ、オペレーションを経験したそうです。
ちなみにBenとStevenは既婚、Harryは独身です。
とうとうイラクとの戦争が始まってしまいとても残念です。ロサンゼルスでも抗議デモがあったりしますが、普段の生活への影響はあまり感じません。アメリカ人の中にも戦争に反対するひとはいますが少数派です。テレビでもフセイン政権で抑圧にあった人々の映像を頻繁に放映するなど、戦争を正当化する報道が多いように感じます。キャンパスでも学生がアメリカ軍の戦略についてゲーム感覚で話しているのを耳にすることがあり、違和感を覚えざるを得ません。ただ、デリケートな話題だけにアメリカ人と表立ってこの問題を議論することは避けています。それでもフランス以外にもアメリカ人と違う考えを持った人々が数多くいることを何らかの形で伝えたいと思っています。