Campus Report 2002

高橋 邦比呂 to Tepper School of Business, Carnegie Mellon University(全46回)

MBAホルダーへの道

Vol.18 Spring Break と イラク戦争開戦

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今回は2003年3月後半の内容になります。これを書いているのは4月の下旬ですが、もうすっかり夏のように暖かくなりました。雲ひとつない快晴が毎日続き、街の人たちは半そで・半ズボンで道を歩いています。

■ 待ちに待ったSpring Break!!

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米国ではゴルフ代が安い!大衆スポーツです

4月に入ってすぐに1週間のSpring Breakがある。皆この機会を利用してNYやワシントン、サンフランシスコ、海外などに遊びに出掛ける。Mini3の頃から、皆このBreakを唯一の励みにして頑張ったものだ。この機にたまりにたまった疲れと鬱憤を晴らすわけである。

Spring Breakを利用して、私は日本に帰国する予定であったが、帰国日の直前にイラク戦争が開戦した。当時は状況が不確実であったことから、大事をとって渡航をキャンセルした(NY経由だったこともあり・・)。結果 、日本食三昧になるはずだった Spring Break の代わりに、ピッツバーグでいつものような勉強と、それにゴルフとパーティーが追加された毎日を送ることとなった。疲れがたまった体と心を休めるいい機会であった。

■ イラク戦争の開戦 ― 意外な個人的驚き

先日のレポートで、CMUに来校したジョージ・ソロス氏が米国の対イラク政策について率直な見解と批判を述べられたことに触れた。現実にはその講演の直後に米国はイラクへの宣戦布告をしたわけであるが、今回、私は初めて「日本国外」で他国の戦争を目の当たりにした。ここで戦争の是非を論ずるつもりは一切ないが、率直に「意外」と感じることが幾つかあった。これも留学したゆえに経験したことであると思うので、簡単に報告したい。

まず、ニュース報道の内容への驚き。所詮戦場にいなければ真実など見えようはずもないのかもしれないが、米国では戦争に対して批判的と思えるような報道、各国の批判的対応に関するニュースは「最小限」にとどめられていたように見受けられた。私はこちらにいながらも日本のニュース等はWebsite等で確認していたわけであるが、戦争に対する報道内容の「範囲」や「重点の置き方」の格差に驚きを感じた。CNNのような有名なニュース番組でも、戦争が否定的に映るような、例えばある国の首相による戦争批判や戦争の犠牲者の報道などは、(少なくとも私は)ほとんど目にすることがなかった。殆どの新聞でも大体同じ論調である(これは同様の意見を他のアジア人やヨーロッパ人の学生も言っていた)。

また、ニュース報道で特に違和感を覚えたのは、CNN等の"Excited"な雰囲気の戦争報道。「今日はどこどこを爆撃した」といったニュースを笑顔で伝える女性キャスターを毎日のように目にしたし、或いは「戦争によってこれだけ経済にいい影響があり得る」というニュースが真剣に流されるのを見て、私個人として強い違和感を感ぜざるを得なかった。

次に、戦争開戦前後での米国人の対応の変化。開戦前には「反対派」のような人たちの話もちょくちょく耳にしたのが、開戦後は滅多に聞かなくなり、反戦デモ等は「異端」のような報道をされている感さえあったこと。世論調査のWebsite等を確認しても、戦争後では戦争賛成派の数が急増する。一度方向性が定まると、とにかくそれをバックアップしていくような姿勢が、米国世論の特徴なのかな、と感じたりした。

最後に学校で意外に感じたことであるが、戦争の話がめったにでないこと。或いは話が少しでるようなときには、米国人の学生からまるでゲームの話でもしているような「軽い」ノリでの発言があること(これは小林さんのMBAレポートでも触れられていた点かと思います。米国東西で場所は離れていますが、共通 した点かもしれません)。学生同士でも戦争の話はなかなかしにくい。政治や宗教論議とある意味似ているのかもしれないが、各国・各文化・各個人で、なかなか理解しあうことが難しい部分と感じる。

感触を知るために「とうとう戦争始まったね」と何気なく切り出したときに、米国人が「サダムにこれ以上時間を与える必要はない、当然叩くべきだ」と断言されたり、戦争に反対したフランスに対して「奴らは"腰抜け"だ」といった発言があったなどと聞くと、「こりゃー、アメリカ人とこの手の議論をするのは難しいな」と感ぜざるを得ない。しかし、他方で、「せっかく世界中から人間が集まっているビジネススクールにいるんだから、俺たちは戦争についてお互いにもっと真剣に議論し、耳を傾けあうべきだ」と発言するような米国人の友人もいた。

今回の戦争や戦争に対するアメリカ人の感情・姿勢は、歴史的なものだけでなく、もちろんセプテンバー・イレブンの影響も強く受けているし、「どちらがどうだ」などと軽々しく論じる気は毛頭ない。しかし、今回の戦争では、何か「議論を一切挟む余地さえない」といったような雰囲気を米国で私は感じた。こういった感覚は、無論個人差はあろうが、米国にいながらも、「第三者」として米国を見ることができる留学生だからこそ感じやすいものなのかもしれない。戦争に関連して、他のある留学生が、「米国人の海外旅行者が最近、激減しているのを知っているか、これは米国が他国へ目をやらなくなってきたこと、内に閉じこもりかかっていることの証という話がある」と言っていたが、何か妙に気にかかる発言であった。

■ Management Game (4) ― リーダシップ・スタイルについて

CMUのマネジメント・ゲームは「戦略」の授業としてカテゴライズされているが、実質的にはチームワークやリーダーシップの授業といっても過言ではない。「リーダーシップ」とはとても簡単に論ずることができるような題材ではないが、このプログラムを通 じて、私は「あるべきリーダーシップ・スタイル」について考えさせられ続けている。詳細はともかく、私が率直に感じたことは、グループメンバーが「期待するリーダーシップ像」というのは、アメリカ人、日本人などで結構違うのではないだろうか、ということだ。発言の仕方、方向性の定め方、Encourageの仕方等、どれをとっても、なかなか考えさせられる(といっても、カルロス・ゴーン氏のように百戦錬磨の国際的ビジネス・リーダーがいらっしゃるのだから、私のもっている感覚はレベルが相当低いのであろうが・・)。

Management Gameの最初のグループミーティングで感じたことは、アメリカ人は(ちなみに"アメリカ人は"といったGeneralizationはステレオタイプの危険性があることを承知の上で、敢えて単純化して書いています)、「どういうビジョンをもっているか」、「チームのゴールは何か」といったことに非常に強い関心をもっていて、それを最初に「ビジッ」と示してやることが必要最低条件のようだ。もちろん、日本人も同じだが、程度がだいぶ違うように感じる。また、責任の所在や、Division of Work、「上下関係」にも、アメリカ人は非常にきっちり対応するように見える。私がグループでは最年少であるが、そんなことを気にするのは日本人だからで、「お前がボスだ」といった態度を明確にとってくるし、私の「前に」でるような発言や議論のスタイルは自然に控えてるように見える。かといって、堅苦しいかと言えばそうではなく、あくまでも「対等」といったカジュアルな姿勢だから、だいぶ日本人と違うなあと感じる。

リーダーシップ論といえば、HBSの教授であったJ.P.コッター氏が米国ビジネススクール界では極めて著名である。確か彼の本で「米国では"権力の誤用"が悪なのではなく、"権力の存在"そのものが悪だ」といった引用があったが、何かチームワークのなかでもその思想が脈々と流れているのを感じる。私が参加している生徒会の活動でも、何人かの米国人の生徒会VPが、この点で非常に魅力的なリーダーシップを発揮しているのを目の当たりにしてる。「命令」ではなく、「尊重」と「モティベート」といった感じである。「どのようなリーダーシップスタイル」を維持するか、というのは簡単にでる答えではないが、このプログラムを通 じて、一つのあり方を自分なりに探ってみたいと感じている。

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