6月のロサンゼルスはJune Gloomといって先週まで2週間ほど曇りがちの日が続きました。日本の梅雨の小型版といった感じです。ようやく今週末になって天気も回復し、気温も80度を超えてきました。今回は5月27日から始まった夏学期の模様をレポートします(なお、今回は適当な写 真がなかったので、5月に行われたインターナショナル・ミキサーと日本人宅でのホーム・パーティーの写 真を載せています)。
インターナショナル・ミキサーの様子
Marshall Schoolの1年生はPRIMEを終えて夏休みに入っています。MBA1年生の夏休みの過ごし方で最もポピュラーなのはインターンシップです。インターンシップ探しのピークは冬休み明けの1~2月でしたが、6月に入ってからもインターンシップの求人は何件かあります。希望に合うインターンシップ先がなかなか見つからない場合には、無給のコンサルティング・プロジェクトを企業に提案してインターンシップ先を見つける学生もいます。こうして多くの学生は夏休みの間、全米各地の企業で働くことになります。日本人の場合、私費の学生はインターンシップ(日本および米国)、社費の学生は旅行に出かけるというのが一般 的です。
ということで、夏学期の授業はパートタイムの学生(昼間は働いている人々)が主流となります。僕を含めたBBTの通 信教育からの編入組は、卒業までに現地で42単位(14クラス)の取得が必要なため、夏学期の間も授業を受けることになります。また、家族連れ(子供あり)で、長期旅行が難しいフルタイムの学生の中にもロサンゼルスに残って授業をとる人たちがいます。特に今年はSARSの影響で帰国を見合わせた中国、台湾の学生の姿も見かけます。授業時間はパートタイムの学生に合わせて午後6時から10時となっています。僕は今学期は以下の3つの授業を取っています。
Strategic Renewal and Transformation (Mon, 6:00 to 10:00)
教授はMichael Mischeさんです。彼は元KPMG、AT Kearneyのコンサルタント(パートナー)で、その後自らコンサルティング会社を立ち上げて現在もその社長をしています。授業の形式はレクチャーでケースは使いません。「実際の会社では誰もケースを与えてくれない。」というのがMischeさんの持論です。ただし、毎回、生徒から質問を提出させてそれを元にディスカッションしたり、授業中に生徒の意見を求めることが多いので、かなりインタラクティブな授業です。
授業のテーマは、いかにして企業をMarket Leaderの地位へ導き、それを長期的に維持するかということです。そのためには企業は変化し続ける必要があるのですが、どのように変化すればよいのかを授業を通 じて学んでいくことになります。
Negotiation and Deal-Making (Tue, 6:00 to 10:00)
教授はMichael Coombsさんです。授業の形式は、レクチャーと実際のネゴシエーション・プラクティスの組み合わせです。最初のネゴシエーションではCEOと女性マネージャーに分かれて男女差別 の問題についてネゴシエーションしました。ネゴシエーションを通じて日本とアメリカのカルチャーの違いを改めて実感させられました。僕はCEO役でしたが、自分では相手に譲歩しているつもりでも、アメリカ人の目からは相手(女性マネージャー)の主張をあまり受け入れていないと映るようです。日本では上下の力の差がはっきりしているので、明確な根拠がない場合、上司が部下の主張を受け入れることは少ないですが、アメリカではより上司と部下が対等な立場なので、上司が明確な根拠を示せないと部下もだまって引き下がったりしません。この手のネゴシエーションは僕の最も苦手とするところなので、この授業はとても役に立ちそうです。
Strategy and Organizational Consulting (Wed, 6:00 to 10:00)
教授は先ほどと同じMischeさんです。授業の形式も同じくレクチャーです。 この授業ではクライアント・マネジメント、プロジェクトの提案、プロジェクト・マネジメントなどコンサルティングの業務内容について学んでいくことになります。前述したとおり、Mischeさんはベテランのコンサルタントなので、授業も実務経験にづいた実践的な内容となっています。
ホームパーティーの様子
ご覧のとおり夏学期は他の学期に比べて負荷は軽めです。基本的な生活パターンは、午前中に読書、午後にPRIMEオフィスでのアルバイト、夜間に授業という感じです。この期間を利用して就職活動(企業研究)を進めるつもりです。 次回も引き続き夏学期の授業の進行状況について報告します。