Campus Report 2002

高橋 邦比呂 to Tepper School of Business, Carnegie Mellon University(全46回)

MBAホルダーへの道

Vol.19 Mini 4 の"全貌"

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皆さま、お久しぶりです。せっかく従来のペースに追いついてきていたのですが、帰国準備やらサマーインターンの開始で、また遅れてしまいました。これを書いている5月末、すでに投資銀行でサマーインターンを開始していますが、今回のレポートは4月前半の内容になります。今回は1年目最後の学期であるMini4の内容をご報告します。

■Mini 4 の履修科目
(1) Strategic Corporate Management

【内容】 選択科目ながら、戦略論の基礎講義という位 置づけで、戦略に興味のある学生には必修科目に近い内容。有名なポーターの戦略論から、コア・コンピテンシー論、RBV等、あらゆる戦略論のフレームワークをケーススタディを通 して学ぶ。毎講義のケーススタディの他に、最終プロジェクトではピッツバーグの現地企業を一社選んで、フィールドインタビューを含む企業戦略の分析が課題として与えられる。

【感想】 やっと戦略論の基礎的フレームワークを把握することができた、という感触。さほど感激した!という内容はなかったが、こういうフレームワークをマクロ的視点から一つ一つ確認していけば、実務でもなるべく「抜け落ち」がないポジションを構築していけるんだろうな、と感じた。ただ、企業の現状分析や問題発見として幾つかのフレームワークを使用することは有用なのだが、実際の「行動」に結びつける部分がどうしても講義やディスカッションではリアルティがないのが正直なところ。やはり実務でこれはやるしかないのだろう。

(2) Private Equity & Venture Capital

【内容】 別名「スタートアップ企業のバリュエーション」の授業。キャッシュフローをつくって、ひたすらモンテカルロ・シュミレーションをまわしまくる。スタートアップ企業につきまとう「キャッシュフロー予測の困難性」や、ベンチャーキャピタルの立場から「いくら投資すべきか」、「何段階に分けて投資すべきか」、「投資額や議決権等の条件をどうアレンジさせるか」、「他のVCがコンペティターとして存在する場合、どう対応するか」といった実務的な事柄を、ケーススタディを通 してディスカッションする。毎回短いレポートの提出が課されるほか、プレゼンテーションも実施する必要がある。

【感想】 これでバリュエーション関係は大体いいかな、という感触がつかめた。モンテカルロに対してもアレルギーはもはやゼロ、というより、当たり前の手続きになっている。全般 的に面白い授業だったが、不満があるとすれば、キャッシュフロー予測の部分。一番クリティカルにして不確実、難しい部分だと思うが、これをどう取り扱うかはあまり触れられない。これは実務、たとえば投資銀行の実務でも難しい部分で、多くの場合はクライアントに作成をお願いしてしまう部分でもあるのかもしれない。これも理論的アプローチは講義で理解して、実務的な適用方法は実地で学ぶしかないのかもしれない。

(3) Investment Analysis

【内容】 ファイナンスの選択科目で投資分析の基礎科目。CAPMやAPTモデルといったポートフォリオの最適化理論から、債権のTerm StructureやDurationの理論、スワップやフォワードレートの決定理論、オプション・バリュエーション等を網羅的に学ぶ。

【感想】 めずらしく講義中心の授業。コースパケット(教科書)が極めてよくできていて、読んだだけで分かるようになっている。お蔭で課題が忙しいときなどは授業をサボって後で読み返したりもしたが・・・今学期の授業の中でも非常に評価が高い授業であった。来学期はブラックショールズモデルをはじめとしたさらに「数学数学」した講義を履修する予定だが、その基礎的科目としていい勉強になった。

(4) Strategic Uses of Information Technology and E-Commerce

【内容】 一言で「IT」と言っても、分かるようで分からない。ERPのことを言っているのか、Eコマースのことを言っているのか、イントラネットのことを言っているのか、モバイル技術のことを言うのか。この授業ではビジネスにおいて「IT」と言及されるあらゆる情報技術について、具体的テクノロジーと戦略的活用方法までを、網羅的に成功・失敗事例を通 して学ぶ。

ケースとしては、HPによるERPの導入例やセブンイレブンジャパンの顧客情報の統計的活用事例、NTTドコモのiモード、オンライン・グロセリーストアの失敗事例として有名なWebvanと成功事例としてのTescoとの比較分析、有名なDELLコンピュータのDirect Salesモデル等、そのバリエーションには枚挙に暇がない。

【感想】 IT素人の私としては超有用であった授業。もともと自分がほとんど携わったことのない「IT分野」への理解を深めることが、GSIAを選択した理由の一つであったのだが、この授業はその期待を裏切らないものであった。今までどうもしっくりとこなかった「IT」に、具体的にどんな形態と現実があるのか、その概要を体系的に把握できたと思う。ケースや読み物は、めずらしくスタンフォードのものが中心。HBSのものと比較して、英語が平易で読みやすいと感じた。

(5) Management Game I

【内容】 名物授業。およそ100チームの擬似企業がオンライン上で腕時計の開発・製造・マーケティングを、世界6カ国で競う。オンライン・シミュレーションにはCMUのほか、日本の青山学院大学やヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジア各国の大学も参加している。CMUではシミュレーション結果 をもとに、現地企業のエグゼクティブを実際の株主や社外取締役と見立てて総会を開いたり、本物のLabor Unionのネゴシエーターを給与交渉をすることが要求される。生徒の評価はこれらの外部者により実施される。学期末には来期以降の全社戦略のレポート、マーケティング戦略・オペレーション戦略を詳細に纏め上げ、教授や地元企業のエグゼクティブに提出して読んでもらうことも要求される。

【感想】 学年で50名選ばれる「社長」として活動したが、紛れもなく最高にワークロードの重い授業であった(ちなみに「授業」とは言っても、授業自体はほとんどなく、実際は授業外で実施する経営分析、ミーティング、地元企業とのコンタクトやディスカッション、レポート作成等に猛烈な時間を費やす)。

数値分析をはじめとしたハードスキルが磨かれたことは当然のことだが、それ以上に、超多忙の中でこれらの課題をこなすゆえに当然に生じる「チーム内の緊張状態」のなかでいかにチームプレイを行うか、厳しい質問を投げるボードにどう対応するか、などといったソフトスキルの醸成に非常に高い効果 があったと感じる。うまく歯車があわないと「辛い」の一言につきる授業であるが、個人的に心からお薦めできる授業の一つである。

■Mini 4 の課題攻勢等

Mini3では体調を壊すんではないかと思うくらいだったが、今学期は忙しいながらも、何とかうまくマネージできた感がある。個人的にManagement Gameを最重要視するということで割り切っていたところもあったため、「全科目に当分に気合をいれる」前学期よりも、ある意味バランスをとって取り組むことができた。 課題はいつもどおり多いが、いい加減慣れてきたという感じ。読み物もすべて読みこなすことはとてもできないため、いかに効率的に自分の中で理解し、消化するか、という点に注力するようになる。今学期は課題からプレゼンテーション等までほとんど全てがケーススタディ中心の実務よりの内容であった。

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