Campus Report 2002

高橋 邦比呂 to Tepper School of Business, Carnegie Mellon University(全46回)

MBAホルダーへの道

Vol.20 修羅場のボード・ミーティング!

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お久しぶりです。帰国後のインターンや引越しが重なり、もう7月も終わりになってしまいました。レポートの内容は4月後半の内容になります。いつもの「急ピッチ」で更新していきますので、少々お付き合いください。

■ Management Game (5) - ボード・ミーティング

1年目最後の修羅場であるボードミーティングが4月後半に開かれた。これまで紹介してきたとおり、ボードミーティングとは、地元企業の実際のエグゼクティブをGame上の自社の株主(あるいは社外取締役)と見立てて開く株主総会である。ボード・ミーティングはGSIAの2年間の授業カリキュラムの中でも最も価値の高い体験の一つで、どのチームもこのミーティングの準備のために相当の時間とエネルギーを費やす。本番の前には何度もドライ・ラン(予行演習)をするし、2年生を聴衆にした教室を借り切ったプレゼン練習もした。場所は学校ではなく、ボードメンバーのオフィスの実際のカンファレンスルームを借りて実施するため、さながら本当のクライアントミーティングのようである。当然、全員ネクタイ着用である。

我らが「ハルシオン社」の株主は次のメンバーだった:
・ Accenture、戦略コンサルティング部門のパートナー
・ New Castle International (通信会社)、COO
・ FreeMarket、マーケティング部門、シニアマネジャー

いずれのメンバーもGSIA卒業生で、Gameの勘所を知り尽くしている面 々であった。ミーティングでは、今事業年度に我々のとってきた行動の論拠と結果 及びその正当化、そして将来の予測と分析に基づいた戦略の提案を、5人のチームメンバーで説明しつくす。図はプレゼンのために我々が使用したチャートの一つ。競合他社との「価格」・「品質」の比較をX軸・Y軸で表し、マーケットシェアの大きさをバブルの大きさで表している。

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マーケット・ポジションを表すバブル・チャート

彼らの実務上の経験に基づく視点、質問は実際の我々のプレゼンテーションでも非常に厳しく、2時間と予定されていたミーティングは結局5時間以上継続して、終わったときには夜の12時前であった。しかし、練習と分析のかいあって、非常にいい評価をいただいた。「今までで最もクリエイティブなプレゼンだった」、「この会社はまさに"1つのチーム"として機能してる」とお褒め頂いたときは、嬉しかった。

ボードミーティングが重要であるもう一つの理由は、Management Gameの成績が、これらボードメンバーによってつけられるためである。どんなに企業がいい業績を出せても、ボードメンバーに説得力のある説明と将来の戦略が説明できなければ高い評価は得られない。逆に業績が悪かったとしても、その理由と将来どのように盛り返すのかの分析を理論的に説明でき、かつその説明にメンバーが満足できれば、いい評価を受けることができるのだ。レポートと試験さえよければそこそこの成績がとれる他の授業とはまったく異なる評価体系である。我々学生が 「経営者」 としての立場で株主総会で事業戦略を説明し、擬似的な 「株主」 から評価を受けるという現実世界に類似した体験をすることができるのである。

■ Management Game (6) - 労働組合との交渉

ボードミーティングが終わってまもなく、最後の締めくくりとして労働組合との擬似交渉が行われた。こちらもこれまで紹介してきたとおりで、地元の本当の労働組合の人を、Game上の企業の労働組合の代表者と見立てて、次年度の給与や各種労働条件の交渉を行う。これは事業戦略との絡みで、特に工場の移転などを伴う戦略を練っているときは、かなりの駆け引きが必要になる。また、企業全体の利益実績・予測と、給与水準との関係についても、Managementの責任と労働組合の立場が複雑に絡み合うので、それなりに準備をして望まないと、とんでもない労働条件を結んでしまうことになる。

この労働組合交渉の結果も、Gameの成績に影響を及ぼすほか、これでどういった労働契約を結ぶかによって、来年度のGameにおける人件費や開発費の水準が変わってくる。有利な労働契約は有利な条件に繋がるようにGameがプログラムされているのである。我が社は赤字だったこともあり、最低限のベア率でなんとか乗り切ることができた。なかにはボードメンバーの一人として労働組合の代表者をいれろ、といったすごい要求もあったが、なんとか跳ね返すことができた。

この大イベント2つを乗り切って、1年目の全カリキュラムはほぼ終了である。あとは残ったレポートと試験をこなすのみ、頭の中はすでに帰国とインターンのことで一杯になる。1年目はいろいろな経験ができたが、やはりManagement Gameが一番きつかったし、ためになったと感じるプログラムであった。

次回は帰国直後の様子と、そのあとしばらくは、インターンでの経験談をご報告します。

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