これを書いているのは8月初旬、サマーインターンもすでに大詰めに入っています。インターンの締めくくりから就職活動、出国準備の毎日を過ごしています。しょうしょう遅れ気味のMBA日記のほうは、今回は2003年5月前半の内容になります。
■早速帰国へ & 1年目所感
5月頭に最後のレポートを提出して、1年目のカリキュラムがすべて終了した。長かったような・・・と言いたいところであるが、やはり短かった!あっという間である。留学する前に2年制のMBAと1年生のMBAで悩み、結局インターンを経験できる2年制を選んだという経緯があったが、それ以上に、1年だけではやはりMBAの全科目を勉強するには短すぎると今は感じる(主たる理由は1年目の前半の多くが基礎科目に費やされがちであるためだと思う)。
今は2年制でよかったと思うが、各個人のニーズや経験によっては、エグゼクティブMBAや他の上級MBAプログラムに参加するというのも(インターンが経験できないという側面をのぞけば)、 一考の余地があるかもしれないと今は感じる。
この1年間で得たものは何かと考えると、知識とか英語力とかそういうもの以上に、何より他の学生たちに出会えたことだと思う。よく「MBAの目的はネットワークを広げることだ」と聞くが、私はそれをビジネス上の損得勘定というか人間関係までが計画っぽくて、すこし抵抗感があったのだが、今振り返ってみると、いろいろな人間に出会えたおかげで、自分の価値観とか視野といったものが大きく変化しつつあるのを感じる。
特に言語的な面や文化的な面で深く語り合える日本人学生同士のつながりは、自分の考えやメンタリティに少なからずいい影響を与えてもらってきたと思う。「ネットワーク」も結果的に広がったのだが、それよりもこのネットワークを通して得た様々な価値観や考えが、自分がMBA1年目で得たもののなかで、最も価値があったものだと感じる。
はじめてみました、HONDAのASIMO
最後のレポートを提出してすぐに、帰国準備をはじめる。春のピッツバーグはすごくきれいで、青々とした緑が生い茂り、これまでのドンヨリした曇りの冬が嘘のようである。カーネギーメロンでもイベントや祭りものが多くなり、ロボカップやカーレース、スポーツイベントが目白押しとなる。観たいなーと後ろ髪ひかれながら、サマーインターンに向けて帰国準備に専念した。ちなみに、写真はHONDAのASIMOがカーネギーメロンにデモンストレーションしにきたときの写真。この他にもSONYのAIBOや他社のロボットが勢ぞろいした面白いイベントだった。
■家族と再会 & インターン準備
昨年から妊娠で帰国していた家内とも久方ぶりに再会した。家族も無事に一人増え、責任の重さを感じながらも一安心した。実家で少しゆっくりしたあと、家族三人ですぐにインターン用のマンションへの引越し。帰国後、インターン開始まで1週間しかないのだ。
ところでインターンの期間であるが、通常は6月半ばから8月後半の10週間というのが典型的である。ただ、私の場合、カーネギーメロンで早めに春学期が終わることから、普通よりも1ヶ月早くインターンを開始させてもらい、合計14週間のプログラムとしてもらった。その間、職務経験とともに学費も人一倍積みたいという狙いである。
せっかくの夏休みなんだから休養を・・・という意見もたぶんにあるのだが、もし皆さんの中で「なるべく働きたい!」という要望があれば、インターン先と交渉してアレンジしてもらう余地があると思う。 学生生活にすっかり慣れきってしまったため、「早く働きたい」という思いが非常に強くなっており、インターンが実に楽しみであった。
■投資銀行部での仕事
証券会社にもよるが、一般的にいわゆる「投資銀行」と呼ばれる業務には、企業の合併・買収等を支援するアドバイザリー・交渉業務、会社の新規公開や新株発行、社債等を支援する資金調達業務、さらに不動産の証券化・投資等を含む業務等が含まれる。これは「サービス」や「プロダクト」ごとに分類した場合だが、投資銀行部内にはテクノロジーやテレコム、金融、コンシューマープロダクト等の「インダストリー」ごとの分類も存在しており、重層的なチーム構造になっている。
この夏、私は米系証券会社の投資銀行部でサマーインターンを経験する機会を頂いた。ここでは投資銀行部内の特定グループに所属するのではなく、上記のあらゆるグループの業務を発生ベースで次々にこなしてゆくシステムになっている。従って、たった14週間あまりのインターン期間でも、かなり幅広く、あらゆる分野の投資銀行業務を垣間見ることができる。仕事の属性上、本レポートで詳しくご報告することはできないものの、次回以降、業務の内容を差し支えない範囲内でお伝えしていきたいと思う。