Campus Report 2003

王 夏亮 to Columbia Business School, Columbia University(全22回)

MBAホルダーへの道

Vol.1 MBA受験談

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私は今年で三十になりました。孔子曰く「三十而立、四十不惑」。三十の時に独立し、四十の時に狭い見方に捉われることなく、心の迷いがなくなるとの意味でしょうが、私はまさに二十代後半の時に、三十という人生の節目を意識し、ぼんやりではありますが、人生の転換点を求めようとしました。正直なところ、それは必ずしもMBAではなくてもよかったかもしれません。

同じ大学院であっても、実は私がずっと国際政治に関心があり、本当は最初MBAではなく、ケネディスクールなどの国際政治に関する研究を行う大御所に行きたかったのです。ないし、中国に戻って日中関連の仕事をするのも悪くはないなぁとその時まじめに検討もしました。あるいは、いっそのこと、全く知らない土地に行ってまっさらの状態から来日当初のように一から作り上げるというのもいいのではと思っていました。

しかし、色々な案を検討し、比較した結果、最終的にはアメリカのMBAに行くことにしました。なぜならば、まさに上で書いてあるように、三十を目前にして、自立したいという焦燥感で、ビジネスで自分を伸ばす道を選ぶことにしました。ただ、とはいうものの、他の選択肢を捨てたわけではありません。あくまでも自立するきっかけを他の手段ではなく、MBAに託しただけのことです。

また、なぜ欧州やアジアのMBAではなく、アメリカのMBAに拘るかというと、それは単純にアメリカのプレゼンスを強く意識したせいかもしれません。勿論、欧州やアジアのMBAを軽視するわけではありませんが、世の中では基本的にはパワーポリティクスで動く、つまり、弱肉強食の世界だと思っています。マルクス経済学ではありませんが、力関係によってベースとなる基本的な仕組みが出来てその上で軍事力やら外交力やらが存在すると思っています。勿論、経済力というのはより上に位 置付けされると思っています。であれば、現在最もパワーを持っている国に行って勉強した方が最も学ぶことが多いのではと思っています。

目標を決めたのはいいのですが、それをどうやって実現するのかが次の課題になって私の目の前に立ちはだかりました。色々と調べましたが、MBAに行くには、まずTOEFLとGMATという適性試験を受けなければいけないことが分かりました。以前の会社研修を除いて、英語圏で暮らした経験がなかったのですが、元々語学が得意だったので、英語もそんなに苦手意識はありませんでした。

ただ、TOEFLはいいとして、GMATはそんなに簡単な試験ではありませんでした。以前私はとある外資系企業でボンドリサーチを担当していました。当時日本の年金運用がホットな話題でそれを巡って他社と競争していた真っ只中ですし、徐々に富を積み上げてきた中国の資金運用に関しても積極的に考えないといけなかった時でもあったので、仕事に多大な時間とエネルギーを注がざるを得ませんでした。その厳しい制約の中でとても独学でGMATを攻略するのは無理であることが分かっていました。

最初はまずOG(Official Guide)を買って、GMATとはどんな試験なのかを自分である程度研究しました。その後、とある予備校に通 ってそこのGMATコースを取ることにしました。所謂、時間及びノウハウをお金で買うパターンです。最初はものすごく期待していたのですが、期待とは裏腹に、コース内容はがっかりさせるものが多かったのです。

勉強する時間が足りなかったせいもあったのか、初回のGMATの点数が目標点数である700には達さずに、600点台後半で終わりました。すっかりと意気消沈した私ですが、と同時に予備校の教え方ややり方に大きな疑問を感じるようになりました。それは後に自分が塾を始めた大きな動機でもあります。やはり「予備校に頼る」というアプローチには問題があるのではと思うようになり、予備校を当てにするよりは、寧ろそれらを参考程度にし、自分自身のアプローチを作り上げた方がよいのではと思うようになりました。

その後、色んな教材及び予備校の勉強方法を集め、それぞれの長所及び短所を研究し、自分なりのメソッド「王メソッド」を作り上げました。結果 としては、自分が取ったアプローチが正しかったです。僅か3ヶ月間で730点まで点数が上がり、特にVerbalに関しては27から38まで上がりました。

余談ですが、皆さん「GMAT」とはどんな試験なのかはご存知ですか?恐らくなんとなくGMATを受けている方が多いのではと思いますが、私も最初はそうでした。殆ど体当たりでやっていましたが、やはり受験にはコツが必要です。孫子曰く「敵を知り己れを知らば、百戦して危うからず」。やはり、「GMAT」という敵を倒すには、まずGMATというのがどんな試験なのか、それから、ご自身の強み及び弱みをしっかりと分析しなければいけません。簡単そうに聞こえますが、受験生の中それを理解された方がどれほどいらっしゃるのかは甚だ疑問に感じます。

また、相手及び自分のことを理解するというのはあくまでも目標達成するための第一歩です。「GMAT」という敵をいかに攻略するのかは次に考えなければいけないことです。基本的には、「GMAT」というのはロジックを問う試験です。誤解されている方がいらっしゃいますが、「GMAT」は決して英語を問う試験ではありません。勿論、英語による試験であることには全く異存がありませんが、それはあくまでも基礎中の基礎に過ぎません。

仮に、「GMAT」は英語を問う試験であったとしましょう。であれば、「TOEFL」とは何の違いがあるのでしょうか?「GMAT」と「TOEFL」の問題を見比べていただければ、お分かりかと思いますが、両者は共に英語による試験ですが、傾向及びパターンからは全く異なる試験であることが分かります。ロジック以外には、「GMAT」はビジネスセンスも問います。なぜならば、私も含め、皆さんが行こうとする経営大学院がそれを基準に我々を選別 しているからです。

考えて欲しいのですが、経営大学院はどんな人材を欲しがるのでしょうか?研究者でもなく、法律家でもなく、将来ビジネスリーダーとして成功しそうな候補を選ぼうとするのです。従って、当然のことながら、そういったセンスを備える人ではないと、MBAには入れませんし、仮に入れたとしても、将来において成功する見込みが薄いのでしょう。

以上のことをまとめると、「GMAT」ではまずロジックを問います。次にはビジネスセンスを問います。その二点が分かれば、相当の対策が立てられます。私が今「GMAT」の勉強塾を主宰しています。最初、生徒さんに上記のことを言った時、皆さんは目を丸くしてまさに鳩に鉄砲豆というような状態でした。しかし、数ヶ月経った今、皆さんは「王メソッド」についてそれぞれ自分なりに理解をしてくれました。因みに、受験された生徒さんの中で50%がVerbalで30点を超え、75%もの生徒さんが受講する前と比べ、大幅にスコア・アップしました。

繰り返しになりますが、「GMAT」はロジックとビジネスセンスを問う適性試験です。適性試験であるゆえに、内容は毎回違いますが、その骨格は変わりません。もし、毎回「GMAT」の骨格が変わるのであれば、「GMAT」は適性試験たる資格を失います。従って、「GMAT」という試験の本質をきちんと理解し、それに対してきちんとした対策、たとえば、パターン別 に問題を分けるとか、を立てれば、それほど難しい試験ではありません。自分自身の経験及び私の生徒さんの経験から、私は一層そう思うようになりました。

因みに、今は「王塾」に通っていた生徒さんのために、以下のMLを作って彼らのサポートもやっています。「GMAT」で悩んでいる方がいらっしゃったら、ご連絡ください。 (詳細はコチラ)

だいぶ話が逸れましたが、「GMAT」で点数を出した後に、いよいよ目標校選別 とエッセイ作りに入ります。冒頭書いてあったように、私は必ずしもMBAに関して強い思い込みがあるわけではありません。寧ろ、どれがよいのかが分からなかったので、とりあえずMBAに行くという姑息な打算が最初からありました。自分自身というポートフォリオの中身を考える時に、いかにローリスク・ハイリターンで持っていくかということを考えていました。

ちょうど当時とある中国人の友人からJuris Doctor、つまり、法学博士を薦められました。今まで法律とは殆ど無縁の世界で生きてきましたし、法学部出身というわけでもありませんので、最初はだいぶと戸惑いましたが、色々と調べていくうち、段々と感触を掴めてきました。自分自身の性格、バックグランド及び将来の世の中の傾向をよく分析し、考えたら、ただ単にMBAだけではなく、やはりMBAプラスα、つまり、MBAプラスJDが必要という結論に達しました。

また、丁度2002年当時、アメリカのネットバブルが弾けた直後でMBAが一時ほどの勢いがなくなった時期でもあり、昔と比べ、MBAもだいぶ「Commodity」になりつつ、その貴重性が段々と薄れてきたのではと思っていた時期でもありました。そうこう考えている内に、私は徐々にターゲットを絞ってきました。金融をやってきたバックグランド、論理的に物事を考える性格、そこそこの知性、将来性、そして友人達の後押しもありまして、東海岸にあるHarvardとColumbiaにターゲットを絞りました。

MBA及びJDコースが共に有名であるのが第一の理由です。Harvardは何と言ってもそのネームバリューに惹かれましたが、金融系の弁護士を務めるには、NYという絶好な立地にあるColumbiaにも相当魅せられました。しかし、Ivyリーグの名門であるHarvard及びColumbiaにはそう簡単に入れるものではないし、ドリーム校であることには間違いがありませんが、果 たして向こうが私を選んでくれるかどうかは非常に不安でした。

多少でも自分の不安を柔らけるためには、上記の二校以外には私はStanford、Wharton及びNorthwestern校も合わせて出願しました。それ以外の学校は全く考えていませんでした。一つは自分のバックグランド及びスコアなどを総合的に判断した結果 ではありますが、もう一つは自分自身という商品の価値を落としたくなかったという思惑もありました。   

ドリーム校の一つであるColumbiaにはEarly Decision(早期出願)という制度があります。つまり、通 常のラウンドより締め切り日が早くなりますが、その分だけ早く結果が分かるというシステムです。因みに、上記の五校のうち、早期出願制度があるのはColumbiaだけだと思います。自分のドリーム校であるだけに、私はColumbiaのエッセイ作成には相当のエネルギーを注ぎました。当時は不動産金融を非常にやりたかったので、それをエッセイのバックボーンにして、エッセイ作成に没頭しました。

エッセイ作りをしていくと、あることが段々と分かってきました。勿論、情熱及びコンテンツがエッセイ作りにおいては、非常に大事ですが、いかにそれを読み手にアピールするのかもとても重要です。添削を重ねていくうちに、私は自己流のエッセイを仕上げました。例えば、夢の中で自分自身が中国の総理と会い、中国での地域開発について話し合うとか、アメリカの不動産王ととあるプロジェクトの進展についてTV会議を行うとか。ともかく、いかに読み手の目を引くことを相当考えました。   

その甲斐もあって、出願して僅か一ヶ月足らずで念願のColumbiaから入学通 知をいただけました。今でも覚えていますが、メールでその知らせを見た時、朝にも関わらず、妻と二人で大はしゃぎしました。その後、立て続け、Wharton及びNorthwesternからも面 接通知を頂きました。この調子ならば、今年5戦5勝になるのかなと楽観視した矢先に、まずWhartonから不合格の通 知を食らって、その後NorthwesternからはWaiting Listの通知をもらいました。

今振り返って考えてみたら、やはり慢心したのが最大の敗因だと思います。まあ、ともかく、頭の中にはHarvardとColumbiaしかなかったので、Wharton及びNorthwesternの結果 はさほど気にはなりませんでした。しかし、どういうことなのか、Harvardからも音沙汰なしで結局Harvardから内定通 知をもらうことが出来ませんでした。Harvardへの憧れが相当ありましたので、正直なところ、こたえました。   

しかし、Harvardでの不合格がこたえましたが、Columbiaという志望校の一つに受かりましたので、すぐ立ち直りました。また、Columbia合格後、Alumniの方々または同期と付き合っていくうちに、自然とColumbiaへの愛着心が強くなってきました。今では、NYでの生活及びColumbiaでの学生生活が楽しみでならない程です。体はまだ東京にありますが、心はもう既にNYerになっています。   

今回はとりあえずMBA受験談のようなものをお届けします。次回からはNY、そしてColumbiaから生の情報をお届けしたいと思います。   

それでは、ツアイジェン(再見)!

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