Campus Report 2003

関 伸彦 to Sloan School of Management, Massachusett Institute of Technology(全28回)

MBAホルダーへの道

Vol.10 MITの選択科目の数々-思い通りの履修は可能?

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みなさん、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。

ここボストンは、年が明けてから異常に寒くなって来ています。昨年の大雪で驚いたのも束の間、今度は気温の低さで驚かされました。最も寒かった1/15の最低気温は、-18℃で、体感気温は-27℃と発表されていました。CNNには"dangerously cold"と表現されるほどの寒さで、確かに外に長くいると肌がおかしくなってしまいそうでした。

MITでは、1月は全校的にIAP(Independent Activities Period)という期間となっており、実は通 常の授業がありません(来学期は正式には2/2からスタート)。但し、他学部も含めて多種多様な短期クラスが提供されており、学生はこれらを自主的に選択して取ることができます(単位 にもなる)。クラスには、Business Planの立て方から、将棋入門、おすしの作り方まで、非常に多岐に渡っており大変面白いです。

さて今回は、来学期に私が取得予定の選択科目と、その獲得までの競りのプロセスを紹介したいと思います。

MIT Sloanでは、必修科目があるのは最初の学期のみで、2学期目からは全て選択科目になります。昨年まではTrack制という、ゆるやかな専門過程制のようなものがあり、Finance専攻やMarketing専攻の生徒は、それぞれFinance系の科目、Marketing系の科目を中心に取らなければならない形になっていたのですが、今年からこの制度が撤廃されたため、全ての科目が完全に自由に取れるようになりました。

しかし、コースカタログを読み込んでいくと、専門性の高い科目はPrerequisiteとして他の科目の修了を要求している科目が結構多いため、結局それほど自由に取ることが出来るわけではない、ということが判明しました。それどころか、このタイミングで残りの3学期分全ての取りたい科目を考えておかないと、後でAAAという科目を取りたいが、BBBという科目が今学期は提供されていないため、1年後まで待たなくてはならない(最悪取れない)ということになるため、前倒しで色々と考えなくてはいけない、ということも判明しました。

また、他校のMBAプログラム同様、MIT Sloanも選択科目の履修にはBid制(競り)を導入しているため、この競りに負けた場合にも希望の科目が取れないという事態が発生します。お金を払っているのに希望の科目が取れない、というのは理不尽な気もするのですが、学校側もそれを理解しているのか、この解消のために、2年生が先にBidできるという優遇措置を採っています。ただし、逆に1年生の選択の幅はさらに狭まってしまうので、持ち点1000点の掛け先は慎重に見定めなくてはなりません。

あれこれと検討した結果、今学期では下記の科目にBid(競り)を行うことに決めました。

【賭けることを決めた科目】
・ Management Accounting and Control

「Accountingをこれ以上取るなんて信じられない」という周囲の声がありましたが、何を隠そう、この科目が最も個人的な興味の大きい科目です。これは財務会計ではなく、管理会計に関する講義で、部門の予算管理から始まりBalanced Scorecardなどもカバーし、管理会計を通じた部門のコントロールの仕方を学びます

・ Managing Innovation and Entrepreneurship

これは今年から始まる科目なのですが、クラスが4つも用意されており、かつその4人の教授陣が素晴らしいため、受講を決定しました。4名のうち1名はMcKinsey出身の教授で教え方が上手いらしく、前述の2年生優先期間中に全席売り切れ、1名は日本でも有名なCusmano教授だったりします。内容は、Innovationが生み出されるプロセスとその構築の仕方を学ぶ、というものです。

・ Strategic Management

2学期目になり、ようやく登場した戦略論の科目です。去年は必修科目でした。殆ど全てがケースディスカッションで、ビジネススクールっぽい授業だそうです。また、2年次に必ず取りたいと考えているTechnology Strategyという科目のPrerequisiteでもあります。

・ Finance Theory II

先学期に取ったFinance Theory Iの続編で、内容はCorporate Financeです。より興味のあるEntrepreneurial Finance(ベンチャー企業の評価などを学ぶ)という科目のPrerequisiteともなっているため、自動的に取ることが決定しました。

・ Introduction to operation management

Operation Management自体には強い興味は無かったのですが、MIT SloanはOperation Managementに幅広い定義を与えているようで、2年次に必ず取りたいと考えている製造業に特化しての戦略を学ぶ授業、Operation Strategyという科目のPrerequisiteであるため、取ることにしました

・ Strategic Human Resource Management

HRMにも以前から興味があったため、取ろうと考えていたのですが、この科目の人気が非常に高く、希望の10時からの授業がほぼ埋まっていたため、最後まで迷っていました。結局ダメ元でやってみようということで賭けることにしました。

・ Introduction to Marketing

実はMarketing系の科目にはあまり興味がないのですが、この科目は非常に多くのMarketing系科目のPrerequisiteになっている(その中にはMarketing High-tech Productという面白そうな科目もある)ため、結局来学期以降の選択の幅を狭めないために、取ることにしました。

【賭けることを見送った科目】
・ Business Analysis Using Financial Statements

財務諸表を使った企業評価を学ぶ講義です。Sloanで有名な授業であることと、コンサル時代に行っていたValuationの手法には幾つか釈然としない点があったため、非常に興味があったのですが、HRMとの兼ね合いで、こちらを諦めることにしました。

・ How to Develop Breakthrough Products

・ New Enterprises

・ Designing Entrepreneurial Organizations

・ Law for the Entrepreneur and Manager

上記4つもそれぞれ事情があって今学期は取ることを見送りましたが、それぞれ非常に興味深い講義でした(名前だけでも面 白さが伝わるのではないでしょうか)。

また、各科目には幾つか時間帯が用意されており、朝早く・夕方遅くであればあるほど、競争率が下がっていきます。私は朝一のクラス(8:30-10:00)との相性が悪く、つい寝てしまうなど(笑)効率が悪かったので、今学期はこの時間帯のクラスを全て排除する、ということも重要なコンセプトの1つでした。ただ、このコンセプトのお陰で、さほど競争率が高くない科目にも多めにポイントを配分しなければならなくなりました。

最終的には、下記のような時間割の構築を目指し、点数配分を下記の通 りです。ポイントの細かさから、私の苦心ぶりが分かって頂けるのではないでしょうか(笑)。



















Monday

Tuesday

Wednesday

Thursday

Friday

8:30

 

9:00

9:30

10:00
前半:Mgmt
Accounting And Control

後半: Strategic HR Mgmt

  前半:Mgmt
Accounting And Control

後半: Strategic HR Mgmt
  前半:Mgmt
Accounting And Control

後半: Strategic HR Mgmt

10:30

11:00

11:30
 

12:00

12:30

13:00
前半:Intro
to Marketing

後半:Intro to Operation Mgmt
Strategic
Management
前半:
Intro to Marketing

後半: Intro to Operation Mgmt
Strategic
Management
前半:
Intro to Marketing

後半: Intro to Operation Mgmt

13:30

14:00

14:30
Maneging
Innovation and Entre.
Finance
Theory II
Managing
Innovation and Entre.
Finance
Theory II
 

15:00

15:30

16:00
 

Management Accounting and Control:304点
Managing Innovation and Entrepreneurship:312点
Strategic Management:73点
Finance Theory II:52点
Introduction to operation management:22点
Strategic Human Resource Management:205点
Introduction to Marketing:32点
結果は上々でした。

競争の激しいStrategic Human Resource Managementに多くのポイントを賭けることを直前で止め、「この授業がこの時間帯に取れないと計画が全て覆る」という重要な科目(例えばManagement Accounting and ControlやManaging Innovation and Entrepreneurshipなど)を確保することに方針を変えたのが良かったようです。



















Monday

Tuesday

Wednesday

Thursday

Friday

8:30
後半: Strategic
HR Mgmt
  後半: Strategic
HR Mgmt
  後半: Strategic
HR Mgmt

9:00

9:30

10:00
前半: Mgmt
Accounting and Control

  前半: Mgmt
Accounting and Control
  前半:
Mgmt Accounting and Control

10:30

11:00

11:30
 

12:00

12:30

13:00
前半:
Intro to Marketing

後半: Intro to Operation Mgmt
Strategic
Management
前半:
Intro to Marketing

後半: Intro to Operation Mgmt
Strategic
Management
前半:
Intro to Marketing

後半: Intro to Operation Mgmt

13:30

14:00

14:30
Managing
Innovation and Entre.
Finance
Theory II
Managing
Innovation and Entre.
Finance
Theory II
 

15:00

15:30

16:00
 

結果として、セメスター後半のStrategic Human Resource Managementは私の恐れる朝一の時間帯になってしまいましたが、10時からのクラスにも最終的に空きが出たようなので、教授にメールしたところ、「最初の授業で相談に乗る」との返事をもらいました。交渉して、なんとか10時からの授業を勝ち取りたいと思います。

実は、狙い通りに取れた他の科目も結果オーライだったようです。競争率の見込みが全く異なっており、例えば沢山のポイントを賭けたManaging Innovation and EntrepreneurshipのCusumano教授のクラスや、Management Accounting and Controlの10時からのクラスは定員割れ、逆に甘く見ていたIntroduction to Marketingは滑り込みだったようです(同級生で低ポイントしか賭けずに逃してしまった人がいました)。

来学期は、先学期よりもビジネススクール的な、ディスカッション中心の授業も増えるため、さらに気合を入れて臨む必要がありますが、ほぼ狙い通 りに授業が取れたことで、さらに楽しみになってきました。

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