Campus Report 2002

高橋 邦比呂 to Tepper School of Business, Carnegie Mellon University(全46回)

MBAホルダーへの道

Vol.31 2年目Mini 1 の "全貌"

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皆さん、明けましておめでとうございます。とうとうMBA生活も残るところ半年弱となりました。このMBAレポートも31回目を迎えています。今年の残る期間も宜しくお願いします。今回の内容は昨年10月前半の内容で、2年目の1学期の授業の全容をお伝えしたいと思います。

■ 2年目Mini 1 の履修教科
(1) Management Game II

【内容】 前回ご紹介したとおり、1年目のマネジメント・ゲームの続編。シミュレーション上で、残り2年間の経営を行い、合計3年間の業績の結果 を競う。マーケあり、オペレーションあり、ファイナンスありの内容で、毎週グループで定性・定量 分析を行って、意思決定をする。今学期も地元のエグゼクティブと2回のボードミーティングをもった。1年目の業績、戦略レポートの質、労働組合との交渉結果 も、すべて反映されたシミュレーションで、まさに「総決算」だ。

【感想】 定性・定量分析は1年目からのほぼ繰り返しで、さほど大きな変化はない。やはり学ぶべきはモPeople Skillモで、厳しい締め切りとワークロードの多さのなかで、いかに効率よく仕事をこなすか、結果 を出すかが問われる。それから「2年目の飽き」にどう対応するかも大きな課題。どのチームも「またゲームか」の気持ちがどうしても発生する。このモチベーションをどうあげるか、維持するかは社長の役目になる。いろんな意味で「マネジメント」のスキルを鍛えられるプログラムだった。詳細は前回のレポートを参照ください。

(2) International Business Management

【内容】 クロスボーダーでビジネスをやる際のあらゆるビジネス問題をとりあげる。講義は大きく1.戦略論、2.マーケティング論、3.アライアンス(提携)論、4.国際ファイナンス論に別 れており、ほぼ毎回ケースベースの議論が行われる。担当教授は石油会社(Gulf Oil)の元チーフエコノミストであり、GSIAのかつての学長でもある。特に豊富な海外経験(アジア、オセアニア、中東等)に基づく講義が興味深い。

【感想】 欠点を挙げるとすれば、ケースが古いこと。年配の教授によくあることで、80年代から90年代のケースが多い。エッセンスはケースの年代を超えて共通 する点も多いといえるが、せっかくなら新しいケースをやりたいと感じた。ちなみに、ケースが古いだけあって、日本企業は大活躍だ。松下、マキタ、コマツ等が欧米企業を打ち負かせていく時代の話がよく出てきた。

上記の点を除けば全般的に非常に面白い授業で、特に「自国中心的」な見方や議論に陥りがちな米国人の生徒が、他の国や文化の視点から子会社戦略、アライアンス、マーケティング等の問題を真剣に考える貴重な講義だった。特に日本、インド、中国、欧州各国の生徒の意見が多く求められ、米国での「一般 的な」価値観や考え方との違いや温度差が議論され、それがビジネス上の失敗や成功に如何に影響を与えるかが討論された。

授業中にカクテルパーティーを開いて(アルコール抜きだが、ちゃんとした料理あり!)、各人が仮想の国の文化の立ち振る舞いをしながら(立ち振る舞いのガイドラインが与えられる)、ビジネスの交渉をするロールプレイなどは、特に記憶に鮮明だ。文化や人によってどれだけ物事の「解釈」が異なるかが強調された。

(3) Internet Marketing

【内容】 来年から"Interactive" Marketingと名称変更される授業で、主にインターネット等のIT技術とマーケティング戦略の統合を扱う授業。セグメンテーション、プライシング、広告等の従来のマーケティングの議論を、インターネットの使用を前提として行う。毎回ケースベースの議論が主で、Ameritrade, Hotmail, Eddie Bauer, BMG Music, Li Fung等の会社がインターネット技術で如何に成功あるいは失敗したかを扱った。

【感想】 インターネットが花開いて久しいとはいえ、日進月歩のこの分野の議論をまとめた教科書は少ないと思う。この講義では、代わりに最新の論文を中心に相当量 のリーディングが課せられる。カーネギーメロンの他、UCバークレー、ウォートン、スタンフォード等の教授、博士課程の学生がまとめた最新の優秀論文を読み、それを上記の実際のケースにあてはめて議論する。

私は最初インターネットに特化した「特殊なマーケティング論」かと思ったが、実際はインターネットの利点・戦略性を加えた一般 的なマーケティング論であって、1年生のときにやったマーケティング論を総復習するものだった。教授はカーネギーメロン・ビジネススクールのMaster of E-Commerceコースの有名教授でもあり、定性的な議論にとどまらず、常に可能な限り数値で検証するという姿勢が勉強になった。

(4) Oral Management Communication

【内容】 いかにプレゼンを効果的にやるかを学ぶ授業。4つのプレゼンが課されており、1.初めて会うお客さんに商品を宣伝するプレゼン、2. 上司や同僚の対立を解決するためのプレゼン、3. 悪いニュース(解雇や給与カット等)を伝えるプレゼン、4. 上司や自分の部署、お客さんなどに自分のアイデアを売るためのプレゼン、のそれぞれのプレゼン・タイプに応じて、勘所やロジックフローを学ぶ。また、感情の込め方、感情を見せないプレゼンのやり方など、状況に応じたプレゼンの方法をロールプレイ(実演)を通 しながら学ぶ。

【感想】 この手の授業には担当教授・講師がかなり沢山いて、どの先生にあたるかで授業の特徴も変わってくる。自分の履修した先生はかなり「感情」の表し方に重点を置く先生で、"ダイナミック"なジェスチャー、声の大きな抑揚、プレゼン中の歩き方やアイ・コンタクト、スライドのデザイン等の講義は、いわゆる「米国人のプレゼン」の粋を見ているようで、非常に興味深かった。

ただ、日本や他の国の企業でどれだけ通用するかはやや疑問な点もあり、ケース別 の効果的なロジックフローと、プレゼンに関する特定の米国人の「テイスト」を学んだ点を特に評価したい授業だった。

パフォーマンスが重視される政治的なプレゼン等を除けば、何より大事なのは「事実」や「ロジック」であると思うため、ある程度の感情移入はもちろん必要だが、見た目等をあまりに重視しすぎたプレゼンのアプローチは個人的には賛同できない、というのが結論である。

ちなみにビジネススクールでは生徒のプレゼンを毎日のように目にするが、皆非常に「綺麗に」資料をまとめてくる。しかし、厳しく聞いていれば、見た目の華やかさとは裏腹に、中身がいい加減なことがよくある。「たかが学校の授業」という見方もあるが、見た目をよく「つたなく」まとめることが目的意識のなかで先行してしまいがちになっているのに気付く。

プレゼンの授業でも、一番大事な「中身」をどう磨くか、つまりものの考え方や分析の仕方・フレームワークの議論はかなり薄く、「見た目」や「聞き心地」に重点を置いた議論が多いと感じる。文化の違いなのか分からないが、このあたりのことはクールな目で捉える必要があると感じる。

■ 2年目Mini 1 の課題攻勢

今回は1年目からは考えられないほど、課題がおとなしめだった。とは言っても、半徹夜で課題をやることは度々あったのだが、1年目に比べればだいぶ楽で、リーディングもちゃんとこなせた、という感じ。個人的に家族が米国にきて、多少の生活セットアップもあったため、これは助かった。

課題がめちゃくちゃ多いと、「とにかく頑張っている」という自己満足は得られるが、実際には締め切りに追われるばかりで、理解の深度が浅くなっている場合が少なくない。今学期くらいだと、質と量 がバランスしていていいと感じた。

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