明けまして、おめでとうございます。2004年ということで、もう卒業の年を迎えてしまったのか、、というのが率直な気持ちです。さて、2004年最初のレポートは、MBAについてよく誤解されがちなことについて触れてみたいと思います。誇張されて伝わっていることや卒業生、現役生からあまり語られることがないダークサイドについてコメントします。なかにはUC Berkeleyの特有のものであったり、または私個人的な見解であったりしますので、その点ご了承ください。
MBAは、入学すれば、成績も気にせず楽
確かに、オールAを狙ったり、他の活動などを全て犠牲にしてまで良い成績をとろうとしたりする学生は、あまりいないと思います。また、他のビジネススクール同様、UC BerkeleyでもGrade Non Disclosure Policyとなるものが採用されていて、就職活動の際、学生が企業に対して成績を公表しないでよいこととなっています。このようなポリシーに対して、企業側もある程度理解を示してくれるので、成績を気にせずに良いというのはこのような要因があります。
しかし、クラスの成績で、不可をとる学生もわずかながらいますし、GPAを著しく落とすことになるCをとる学生もいます。良い成績をとることは気にしないで良いのですが、悪い成績をとらないようにするに充分気を遣う必要があります。まず、卒業必要単位 を取得する必要がありますし、UC Berkeleyでは(他の学部も含め)大学院の規則としてGPA3.0(=Bアベレージ)を保つ必要があります。GPA3.0を一時的にでも、切ってしまうと、学校側から警告を受けますし、3.0以上とらないと卒業すらできません。
MBAでは、ネットワーキングばかりしている
確かにネットワーキングは重要ですが、誇張されて伝わっていたり、誤解されていたりすることが、しばしばあります。よくMBA生が、口にするのが、1/3 勉強、1/3 就職活動、1/3 ネットワーキング。
でも、これはどちらかというと願望であり、理想であったりします。やはり、1/2 以上が勉強となってしまうのが現実です。1年生の時のように教科書やケースと一人で格闘している時間は減りますが、その分2年生になるとグループプロジェクトに費やす時間が増えます。
MBAを取得すると、転職が楽
残念ながら、今のジョブマーケットでは職を見つけるにも相当な努力が必要となります。MBAを目指す人の中にはUSで働く手段として考えている方も多いかと思います。
そもそもインターナショナルであると、受け入れてくれる企業もかなり限られています。大企業であっても、労働ビザをスポンサーしてくれる企業は少ないのです。リクルーティングの時点で、ビザのないインターナショナルはお断りと明記されている場合もあり、インタビューすら受けることができないのが現状です。
現役生や卒業生は、MBAの良いところを語ることが多いので、これらの点についてご存知ない方も多いと思い、ご紹介しました。少し暗いレポートになってしまいましたが、これらは事実なので、このようなリスクもあることを頭の隅にでも入れて頂ければと思います。
ただ、現役生、卒業生がMBAの良かった話や楽しい話をするのは、これらの苦しみや困難があっても、やはりMBAに行って良かったと心から思っているからなのだと私は思います。