先々週にようやく新学期が始まりました。最初の週はのんびり行けるだろう、などと甘く考えていたのですが、初回の授業に向けて既に沢山の課題がアサインされていることが開始日の前日の日曜日に判明し、いきなりフルスロットで走るはめになりました。
また、先学期は土日のどちらかに次の週の前半の課題をこなしておいて貯金を作っていたのですが、最初の週はその準備もできなかったため、結果 的にかなり忙しくなってしまいました。最初の週から平均就寝時刻は午前3時で、いつもする夕方の仮眠(昼寝?)をとる余裕もないほどでした。
但し、今学期は朝8:30からのクラスを一切取ることをやめたので、朝は遅くて良く、このために授業も眠くならずに集中して聞くことができ、非常に快適です。
さて、まずは2週間たった感想ですが、今学期の授業はどれも面白い!先学期のコアがなんだったのかと思ってしまうほどです。戦略論・マーケティング、コーポレート・ファイナンス等の、典型的なビジネススクールの授業がようやく登場し始めたことと、それらが殆どケースディスカッションベースで行われることから、ようやくビジネススクールで勉強していると実感できるようになりました。
先学期でも、組織論の授業などはディスカッションベースだったのですが、組織設計の話よりは「組織は複雑なものだ」ということを伝えたいというスローンのポリシーのためか、社内政治の話などが多く、ディスカッションの目的が非常に曖昧になってしまっていました。
また、学生の発言も「とにかく何か言ったもの勝ち」という感じで、既に誰かが発言した内容と同じ事を言ったり、論点と全く関係ないことを言って発散させてみたり、という感じになってしまっていました。また教授もそれを特に咎めなかったため、実のある議論になることは多くありませんでした。
しかし今学期は、どの教授もクオリティーが1段から2段上がった感じで、議論を適切にファシリテーションしてくれる(論点と無関係な発言は切り捨てる)ので、他の生徒の無意味な発言に時間を取られることが少なくなり、発言のチャンスが多くなっているように感じます。
今学期は、先学期の授業でなかなか発言できなかった後悔を解消するために、クラス中の発言(Class Participation)が成績の30%以上を占める授業(Strategic Management、Introduction to Marketing、Managing Innovation and Entrepreneurship)では、毎回最低1回は発言するように自分にノルマを課して頑張っています(今のところほぼ達成中)。クラスで積極的に発言するようになると、ディスカッションをリラックスして聞けるようになり、面 白く思えてくるので、不思議なものです。
さて、上でも少し触れましたが、今回特に注目している授業に、Managing Innovation and Entrepreneurshipというものがあります。前回も少し紹介したのですが、シラバスを貰ったことでさらに内容が具体的に判明したので、もう少し説明します。
まず、コースの目的の記述を見ると、下記の3つが挙げられています。
・ The Life cycle: incremental vs. radical innovation: can it be predicted?
・ Connecting to the market: why is it so critical and how can it be done?
・ Making money from innovation: Intellectual Property and Appropriability これらは、まさに最近日本で取り上げられているMOTのコンセプトに沿うものです。
私のクラスはCusumano教授が教えているのですが、この方は日本で公演も何度もしており、(特に日本で)非常に有名だったりします。東大に7年間勤めていたこともあるそうで、日本のメーカには造詣が深いとのことです。
実は、この授業は今年から始まったばかりのものなので、他の学生の評価がどうなるかは分からないのですが、下の扱うケースを見ても非常に面 白そうなので、すくなくとも個人的には楽しめるだろうと思っています。
【扱うケース(有名な企業のみ抜粋)】
・ IDEO(製品設計専業のファームで、PalmIVを設計したことで有名)
・ Iridium
・ NEC(1985-90年頃のスーパーコンピュータに関するもの)
・ BMW
・ Bank of America
・ 3M
・ Novartis Pharmaceuticals
・ P&G (Corporate New Ventures)
この学期では、ケースを1週間に5本ぐらい読まなくてはならない日々が続きそうですが、今のところ、それがあまり苦になりません。この調子で最後まで行きたいものです。
最後に、ケースが授業の中心となる他の2つの授業、Strategic Management(戦略論)とIntroduction to Marketingの授業のケースもリストアップしました。興味のある方は参照して下さい。
【Strategic Management(戦略論)用ケース(抜粋)】
・ Kodak
・ Coke vs. Pepsi
・ 3M
・ Nintendo vs. Sega
・ Samsung Electronics (Semiconductor)
・ Sky Television vs. British Satellite Broadcasting
・ Walt Disney
・ AT&T China
・ Honda
【Introduction to Marketing用ケース(抜粋)】
・ Barco vs. Sony (Projector)
・ Southwest Airlines
・ Brita(浄水器メーカ)
・ Tivo
・ Swatch
・ BMW(TV広告)